『Mass Effect: Andromeda』開発の「BioWare Montreal」にスタジオ規模縮小の報道。シリーズの今後は

 

海外メディアKotakuは、『Mass Effect: Andromeda』を開発したスタジオ「BioWare Montreal」にて、スタジオ規模の縮小が進んでいると報じた。Kotakuが4人の関係者に取材し報じたもので、関係者たちは『Mass Effect』シリーズはしばらくの間は中断されることになるとも伝えている。

4人の関係者によれば、「BioWare Montreal」の従業員の多くはEA Motiveに移動し、『Star Wars II Battlefront』の開発に従事しているという。さらにほかの残った従業員たちは、E3で正式発表予定とされている「BioWare」の新規IP「Dylan」の開発に加わっているとも。話を総合すると、「BioWare Montreal」の開発者たちは『Mass Effect: Andromeda』のマルチプレイヤーに関するサポートを続けているが、同作の続編ではなく、ほかのスタジオの作品の開発支援に回っている状況が伝えられている。スタジオの規模は、数か月前と比べればかなり小さくなっているそうだ。

「BioWare Montreal」のスタジオディレクターYanick Roy氏は、Kotakの取材に対して、キーとなるプロジェクトにおいて複数のスタジオが協力しているとコメント。BioWareとEA Motiveがモントリオールにおいてスタジオ空間を共有しており、双方のプロジェクトで協力しあっている状況を伝えている。

今回の一件に関しては、『Mass Effect: Andromeda』は2017年3月にリリースされたばかりであるという点もあり、続編の開発目処が立つまで、開発人員をほかのスタジオに回しているという見方もできるだろう。過去の『Mass Effect』や『Dragon Age』シリーズでは、2年から3年のスパンで続編が販売されており、「BioWare Montreal」が『Andromeda』の続きを描くにはまだある程度の余裕はある。

一方で今回の一件の背景には、BioWareの看板シリーズ『Mass Effect』の再始動を象徴するはずだった『Mass Effect: Andromeda』が、シリーズ前三部作を超えるような評価を海外で受けることができなかったという状況もある。脚本やアニメーション、またパフォーマンス問題やバグなどに批評が浴びせられ、BioWareは発売1週間後にプレイヤーたちに対して、好評不評ふくめてフィードバックを集めており、さらなる改善を約束するというメッセージを発した。こういったバックストーリーもあり、今回のKotakuの報道はいくばくかの緊張感もはらんだものとなっていた。

先日行われたElectronic Artsの投資家向け説明会では、EAのCEOであるAndrew Wilson氏は、『Mass Effect: Andromeda』についても言及している(参考リンク: GameSpot)。Wilson氏は、同作のレビュースコアは予想していたよりも低かったものの、80点以上を付けたレビュワーが100人以上いたと、本作が賛否両論で迎え入れられた作品であることを強調した。また『Mass Effect』のブランドとフランチャイズに対しては、現在も強い期待を抱いていると伝えている。