Steamから消えたParadoxのマルチ乱闘アクションゲーム、3月6日に“公認ファンメイド”で復活へ。ファンの執念で基本プレイ無料作品として蘇る

 

デベロッパーのGIII Holdings LLCは2月20日、『ショーダウン・エフェクト:リローデッド(The Showdown Effect: Reloaded)』を3月5日に配信すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。ストアページによると、日本では時差の関係で3月6日の配信となるようだ。本作は2018年に配信停止された作品『The Showdown Effect』を、同作のファンが公式の許可を受けて調整や要素の追加をおこない、リバイバルしたものである。


『ショーダウン・エフェクト:リローデッド』は基本プレイ無料の2D対戦アクションゲームだ。プレイヤーは10人用意されたヒーローからひとりを選び、銃や剣、爆発物が入り乱れるなか乱闘を繰り広げる。ステージは中世風の山賊砦や近未来都市ネオ・トーキョーなど6種類用意。プレイヤーはスライディングやウォールジャンプなどの移動スキルを駆使して、ステージ内を縦横無尽に動き回り戦うことになる。ヒーローはそれぞれユニークなスキルをもっており、装備する武器は自由に選択可能。また着せ替え用のスキンも用意され、ヒーローと武器の見た目をカスタマイズすることもできる。

ゲームモードはバトルロイヤル型の乱闘やチーム制での対戦など4種類が用意。ランクマッチ要素も存在し、勝ち抜くことでリーダーボードのランクを上げていくことができる。またカスタムサーバーを作ることもでき、サーバー内ではゲームルールの改変が可能という。爆発物の数を増やしたり、リロード不要で撃ちまくれるようにしたりと、さまざまな設定で遊ぶことができるようだ。


本作は2013年にリリースされたゲーム『The Showdown Effect』のリバイバル作品である。『The Showdown Effect』はArrowhead Game StudiosとPixeldiet Entertainmentによって開発され、Paradox Interactiveより配信された作品だ。同作はプレイヤー人口の低下にともない2018年に運営停止。Steamのストアページも削除されていた。

海外メディアPC Gamerによると、同作のマルチプレイはクライアント同士が直接やりとりするP2P方式で提供されていたため、運営が停止された後もマルチプレイで遊ぶことは可能だったという。熱心なファンは同作を遊び続けたが、ストアページが削除されているため新しいプレイヤーが入ってこないのがコミュニティの悩みだったそうだ。

同作の熱心なファンだったGiuseppeIII氏が中心となり、販売元のParadox Interactiveに再販を嘆願したが、当初はよい返事を得られなかったとのこと。GiuseppeIII氏によると販売元は共感を示してくれたものの、一度失敗していたこともあり優先的には対応できないといった判断が伝えられたという。


そこでGiuseppeIII氏は2021年12月、同氏らが『The Showdown Effect』を調整し、バグの修正や要素の追加をおこなった上でリリースすることを提案したという。協議の末、Paradox InteractiveはGiuseppeIII氏らに対して非商用の開発ライセンスを認めたという。無料でリリースするならば、ゲームのコードを改変した上で公開して構わないとの許可が与えられたそうで、同氏には信頼できるユーザーにコードを教えて開発に参加してもらう狙いもあるようだ。

PC GamerのインタビューにてGiuseppeIII氏は、再開発の許可を与えてくれた販売元に対して感謝の言葉を述べている。「自分の懇願を無視するのなんて超簡単だっただろうに、Paradoxは全面的に協力的で超ありがたかった(It’s been super nice how supportive Paradox has been with everything, when it would have been super easy to just ignore my requests!)」と語っている。ファンの熱意に販売元が応えた結果、6年前に運営が停止されストアページも削除された作品が改良されて、Steamに復活するかたちとなった。

『ショーダウン・エフェクト:リローデッド』はPC(Steam)向けに、3月6日配信予定だ。