ゲームスタジオBioWareが約50名の従業員をレイオフへ。『Mass Effect』『Dragon Age』新作開発中の傍ら、“健全化を目指すための”苦渋の決断

BioWareのゼネラルマネージャーGary McKay氏は8月24日、スタジオのスタッフのうち約50人をレイオフすると発表した。開発へのアプローチを見直し、スタジオの健全性を維持するために、チームを再編成する一環での決定だという。

海外デベロッパーBioWareのゼネラルマネージャーGary McKay氏は8月24日、スタジオのスタッフのうち約50人をレイオフすると発表した。開発へのアプローチを見直し、スタジオの健全性を維持するために、チームを再編成する一環での決定だという。


同社からレイオフ対象者の具体的な名前が発表されたわけではないが、対象となったスタッフの一部が、X(旧Twitter)にて求職中であることを表明している。なかには、プログラマーのTim Griffith氏やライターのMary Kirby氏といった、過去の『Dragon Age』シリーズの開発に携わっていたスタッフもいるようだ。なお、BioWareの従業員数は2019年時点で320名ほどだったという。


BioWareはElectronic Arts傘下のデベロッパーであり、アクションRPG『Mass Effect』シリーズや『Dragon Age』シリーズを手がけてきた。同社は2020年12月に開催された「The Game Awards 2020」にて『Dragon Age: Dreadwolf』が開発中であることを正式発表した。また同じタイミングでティーザーを公開し、次回作があることをほのめかしていた。しかし両作については、続報はちらほら出ているものの、具体的な内容やゲームプレイ映像、あるいは発売時などは公開されておらず、動きは不透明なまま。そうした状況のさなか、同社よりチーム再編にともなって約50人のレイオフが公表された。

『Dragon Age: Dreadwolf』


背景には、同社が2019年にリリースした『Anthem』の失敗による影響ものぞかせる。同作は発売直後から不具合や品質に対しての批判が相次ぎ、その後大規模修正が実施。改善のために再開発プロジェクトも立ち上げられたが、その後立ち消えとなった。それを原因としてか、スタジオにおける主要人物の離脱が相次いでいた(関連記事1関連記事2)。その後『Dragon Age: Dreadwolf』および『Mass Effect』新作の開発が発表されるも具体的な話がない状態で、そして今回のレイオフ発表に至っている。

発表のなかで、レイオフされる約50人の職務は、Electronic Arts内の他スタジオで募集中の多くのポジションと被っているとしている。そのため対象者に対して、他スタジオの求人に応募するためのリソース提供と支援がおこなわれるようだ。

現在、『Mass Effect』次回作はMichael Gamble氏率いるベテランチームによってプリプロダクション作業が続けられている。品質にこだわりつづける姿勢は変わらないとのことだ。また『Dragon Age: Dreadwolf』についても今後詳細を明らかにしたい、と発表を結んだ。

『Anthem』


『Anthem』以降、主要なスタッフの離脱が相次いだBioWare。そして2020年のトレイラー以降、『Mass Effect』『Dragon Age: Dreadwolf』の両作について追加の情報がないなか、今回の大規模レイオフの発表となった。同社からの次の発表がさらなるレイオフなどの情報ではなく、両作についての前向きな発表であることが望まれるところだ。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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