バトロワ系や爆破ルール、サバイバル系など、その時々で流行りは変わりつつも、昔から対戦ゲームとして数多くのゲーマーから愛されてきたジャンル、対戦型FPS。しかし、対戦型FPSではどうしてもフレームレートを優先して、画質設定を犠牲にしがちだ。筆者もその例に漏れず、これまでそれなりに多くのPvPタイトルをプレイしてきたが、新たなタイトルをプレイするたびに144fpsが出るようになるまで画質を下げ、気が付けば最低設定……なんてこともしょっちゅうだった。

しかし、このあたりは個人差があるかもしれないが、ひとたび夢中になれるようなゲームに出会えば数十時間、数百時間はそのタイトルと共に過ごすこともあるだろう。長期間プレイするゲームを、ずっと最低設定で遊び続けるというのもなんだか味気ないものだ。

せっかくプレイするなら画質も、フレームレートも高い水準で両立させたい。とはいえ、ゲームを高画質で、かつ高フレームレートで動かすことができるであろうハイエンドPCは値が張るうえに、実際どの程度のグラフィックボードを搭載しているものを購入すればいいかの見極めは難しい。

そこで今回は、マウスコンピューターから提供していただいた「G-Tune」ブランドのハイエンド級のPC3種を使って、重量級と評されるFPSタイトルのフレームレートを実際に測定し、性能を検証。フレームレートと画質を高い水準で両立できるラインのPCはどれなのか探っていく。

RTX4070 SUPER搭載のデスクトップPC G-Tune FZ-I7G7S
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7sb7adcw101dec/

RTX4070 Ti SUPERを搭載したデスクトップPC G-Tune FZ-I7G7A
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7ab7adcw101dec/

RTX4080 SUPER搭載のデスクトップPC G-Tune FZ-I7G8S
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g8sb7adcw101dec/

なお、「フレームレートが出ている」の基準としては、一般的なモニターの基準である60fps、現在対戦型FPSを遊ぶユーザーに数多く普及しているであろう、144Hzゲーミングモニターの性能を活かしきることができる144fps、それよりもワンランク上のゲーミングモニターに採用されている240、360fpsが出せるのかをひとつの基準として考えていく。

検証タイトル
今回検証に使用したゲームのタイトルおよび、選考理由は以下のとおり。

『THE FINALS』


Embark Studiosが手がける、基本プレイ無料の対戦型FPSゲーム。本作の大きな特徴として、マップ上のあらゆるモノを破壊可能という点が挙げられる。その点もあいまって、本作の推奨動作環境は同じようなシュータージャンルの他タイトルと比べてやや高め。ゲーム中頻繁に建物が崩れ落ち、ガレキが飛び散る本作において、G-TuneブランドのPCは果たしてどの程度までフレームレートが出るのか計測していく。

今回の計測に使用したマップはスカイウェイ・スタジアム、ルールはシーズン2より追加された、5v5の激しい戦闘が繰り広げられる新モードのパワーシフト、グラフィック設定はエピック+DLSSをオンにしたフルHDにて計測。

『Escape from Tarkov』


Battlestate Gamesが開発する、PvPvE型のFPSタイトル。リアルさをとことん追及したハードコアなゲーム性やそれにともなう緊迫感が大きな魅力となり、人気を博している。

本作は日本語Wikiにてグラフィック設定に関する専用ページが作られるほど、数多くのグラフィック設定項目があることにくわえて、早期アクセス作品で最適化が完全ではないこともあり、高画質・高フレームレートを安定して両立させることが非常に難しいタイトルとなっている。要求されるPC性能までハードコアな重量級FPSタイトルの『Escape from Tarkov』において、ハイパフォーマンスマシンが揃うG-TuneブランドのPCはどこまで画質とフレームレートを両立させることができるのか確認していく。

今回の計測では本作の中でも特に重いと評され、フレームレートが伸びにくい傾向にあるマップ「STREETS OF TARKOV」にオフラインレイドで出撃。グラフィック設定はプリセット:最高設定のフルHDにて計測をおこなう。また、測定の開始位置やゲーム内時刻、ゲーム内の天候などPCごとに同じ条件が揃うようにできるだけ配慮したが、本作は雲や影の射し方などの揃えきれない細かい条件によってフレームレートが多少変動し、計測結果が安定しにくいため、あくまで参考値としてほしい。

また、本作はDLSSに対応しているものの、DLSSの設定によっては茂みや草がモヤがかったり、遠景の描写が簡略化されることで敵が見つけにくくなったりするなどの問題もある。本作のコミュニティではDLSSによってグラフィックボードへの負荷が軽減されることは知っているものの、あえてDLSS機能は使わずにプレイしているというユーザーも散見されるため、今回はDLSS機能は使わずに検証をおこなう。

『THE FINALS』と『Escape from Tarkov』の2タイトルはベンチマークソフトや機能がないため、フレームレートを測定できるキャプチャソフト「CapFrameX」を使用し、フレームレートの計測をおこなう。平均フレームレートである「Average」と、最小フレームレートの指標となる「P1」の数値を確認していく。

『Cyberpunk 2077』


CD PROJEKT REDが手がける、2020年に発売されたオープンワールドアクションRPG。2023年の9月に拡張パックとなる「仮初めの自由」が発売されており、それにともなって必要動作環境も大幅に引き上げられている。

本作はアップデートによりゲームとしての完成度が磨き上げられてきたほか、レイトレーシングやDLSSなどの優れた“技術プレビュー”としての側面もあわせもっている。また今回の検証では対戦型のFPSを2タイトル採用したため、どうしても計測する場面や状況によってフレームレートに多少の差異が生じる。そのため、純粋なPC性能を見る際のブレない指標として、ベンチマーク機能が実装されているPCゲームの中でもトップクラスのPC負荷をもつ『Cyberpunk 2077』を採用。最高設定の「レイトレーシング:オーバードライブ」設定にて、ハイクラスPCの限界に挑戦してもらう。

RTX4070 SUPER搭載のデスクトップPC G-Tune FZ-I7G7S


https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7sb7adcw101dec/

まずは「G-Tune FZ-I7G7S」(定価:税込37万9800円)で検証をおこなう。

主なスペック
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:インテル® Core™ i7-14700KF プロセッサー
グラフィックス:NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 SUPER
メモリ標準容量:32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD:2TB (NVMe Gen4×4)
ドライブ仕様:DVDスーパーマルチドライブ (スロットイン)

検証結果


『THE FINALS』では「Average」のフレームレートが236.4、最小フレームレートの指標となる「P1」が191.8という結果に。本タイトルは場面によってフレームレートの差が激しく、ある程度の振れ幅があるということも加味しても、最高画質で144fps以上は安定していると見ていいだろう。画質設定次第では240fps張り付きでのプレイも期待できそうだ。

『Escape from Tarkov』は「Average」が114、「P1」が86という結果になっている。負荷が強いマップでプリセット最高画質そのままという画質設定、なおかつDLSS不使用という、やや向かい風な条件下での測定ということを加味すると、かなり健闘していると言えるだろう。

繰り返しにはなるが、ハイクラスPCと言っても差し支えない性能の「G-Tune FZ-I7G7S」でもやや苦戦するあたり、やはり『Escape from Tarkov』が早期アクセス作品で最適化が完全におこなわれていない点も影響を与えているものと思われる。

『Cyberpunk 2077』はレイトレーシング:オーバードライブ設定にて平均fps117.49を記録。すべての光をシミュレートして描画する、いわば現行のゲームタイトルで最大級の負荷をマシンにかけるこの設定において、ここまで高いフレームレートを出すことができるのはかなり評価できるポイントだといえる。

さらに性能を上げたグラフィックボード、RTX4070 Ti SUPERを搭載したデスクトップPC G-Tune FZ-I7G7A


https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7ab7adcw101dec/

続いて、「G-Tune FZ-I7G7A」(定価:税込38万9800円)でも検証していく。

主なスペック
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:インテル® Core™ i7-14700KF プロセッサー
グラフィックス:NVIDIA® GeForce RTX™ 4070 Ti SUPER
メモリ標準容量:32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD:2TB (NVMe Gen4×4)
ドライブ仕様:DVDスーパーマルチドライブ (スロットイン)

検証結果


『THE FINALS』では「Average」が251.8、「P1」が206.1を記録。144Hzモニターでプレイする場合はまったく問題ないうえ、240fps張り付きでのプレイも見えてくる形に。

『Escape from Tarkov』は「Average」のフレームレートが133.2まで上昇する結果に。グラフィック設定を多少変更することで、平均144fpsも見えてきそうだ。1つのミスが命取りとなるハードコア系のFPSで、デスペナルティが重めというゲームの性質上、最小フレームレートの指標となる「P1」が100を越えているのも嬉しいポイントだろう。

『Cyberpunk 2077』では平均fpsが137.70と、RTX 4070 SUPER搭載機と比較するとグラフィックボードの性能差が如実に現れる結果に。最低fpsも60を下回っておらず、PCに強烈な負荷をかける今回の設定においても、かなり安定した動作が見込める製品になっていると言える。

RTX4080 SUPER搭載、この中でもっとも高性能なデスクトップPC G-Tune FZ-I7G8Sの性能をチェック


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最後に、「G-Tune FZ-I7G8S」(定価:税込54万9800円)の性能を見ていこう。

主なスペック
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:インテル® Core™ i7-14700KF プロセッサー
グラフィックス:NVIDIA® GeForce RTX™ 4080 SUPER
メモリ標準容量:32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD:2TB (NVMe Gen4×4)
ドライブ仕様:DVDスーパーマルチドライブ (スロットイン)

検証結果


『THE FINALS』では「Average」が275.6、「P1」が222.9を記録。グラフィックボードに4080 SUPERを採用したことで、プリセット最高画質から設定を変更することなく、240Hzゲーミングモニターの性能を最大限に活かしきった快適なゲーム体験も現実のものとなりそうだ。設定次第では360Hzゲーミングモニターを使用してのプレイも視野に入ってくるだろう。

『Escape from Tarkov』は「Average」のフレームレートが134.8、「P1」が102.7という結果に。先述の製品と比べてわずかではあるが、確実にフレームレートが上昇する形に。本タイトルはほかのFPSタイトルに比べて、グラフィックボードの性能だけではなく、CPUの性能とメモリ容量もフレームレートの伸びに大きく影響を与える傾向がある。注文時にカスタマイズ可能なBTOパソコンという利点を活かしてCPU、メモリ容量などをワンランク上のものにカスタマイズすることでさらにフレームレートの上昇が見込めるはずだ。また今回はあくまで「最高画質」固定での検証なため、DLSSをONにしたりグラフィック設定を変更したりすることでもフレームレートの底上げは可能だろう。

『Cyberpunk 2077』では平均fpsが153.57を記録。最低fpsも82.92と、安定して高フレームレートを維持し、レイトレーシング:オーバードライブ設定における強烈な負荷をものともしないパワフルな性能を見せている。ここまで紹介したPCと比べて多少値は張るものの、期待にたがわぬ性能を発揮している印象だ。

以上、マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」3種でベンチマークテストやフレームレート測定をおこなっての筆者の見解となる。あらためて、今回紹介した3機種は下記の製品ページから購入可能だ。

・RTX4070 SUPER搭載のデスクトップPC G-Tune FZ-I7G7S
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7sb7adcw101dec/

・RTX4070 Ti SUPER搭載のデスクトップPC G-Tune FZ-I7G7A
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g7ab7adcw101dec/

・RTX4080 SUPER搭載のデスクトップPC G-Tune FZ-I7G8S
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/ggtune-fzi7g8sb7adcw101dec/

今回紹介したどのPCも、グラフィック設定が最高の状態で安定して100fps以上、タイトルによっては240fps以上でゲームをプレイすることができ、画質もフレームレートもしっかり両立可能ということが確認できた。ある程度の画質で満足というユーザーの場合、少しグラフィック設定を落とすだけでゲームプレイ中のフレームレートをさらに上昇させることができるだろう。モノによっては360Hzゲーミングモニターの性能をフルに活かしてオンライン対戦に臨むこともできるはずだ。

また、マウスコンピューターでは本稿で取り上げたほかにも、構成や価格の異なるPCが数多く展開されている。どの程度まで「両立」にこだわるか、予算や頻繁にプレイするタイトルとも相談しながら最良の1台を探してみてほしい。

・マウスコンピューターHP
https://www.mouse-jp.co.jp/

・G-Tune ブランドページ
https://www.mouse-jp.co.jp/store/brand/g-tune/