国土交通省が『Cities:Skylines』のMOD「SkylinesPLATEAU」v2.0を公開。実在都市の隅から隅までゲーム上に再現可能


国土交通省が主導するプロジェクトのProject PLATEAUは町作りシム『Cities:Skylines』のMOD「SkylinesPLATEAU」のバージョン2.0を3月29日にSteamワークショップで公開した。本MODは『Cities:Skylines』上に実在都市の3DデータをインポートするMODだ。

Project PLATEAUは日本全国の3D都市のモデルのオープンデータ化を目指す、国土交通省が主導するプロジェクト。2020年にスタートし、現在は実在の都市の3Dモデルをオープンデータとして提供している。Unity Asset Storeで実在都市の3Dモデルを配信したりと、さまざまな領域でそのユースケースを開発しており、「SkylinesPLATEAU」の開発はその一環となる。

「SkylinesPLATEAU」は航空測量等に基づき取得したデータから生成した実在の都市の3Dデータを『Cities:Skylines』にインポートするためのMOD。その都市の地形だけでなく、道路や建造物もインポート可能。日本全国に実在する町をモデルに、実際のまちづくりのプロセスを体験できる。自分が住んでいる町の都市計画を改めて『Cities:Skylines』上でシミュレートしてみるのも面白いだろう。


本MODは2023年3月27日にリリースされ、2024年3月29日にv2.0が公開された。v2.0では設定各種パラメータを一つのウィンドウで実施できるようにユーザーインタフェースを改良。また事前に必要だった設定ファイルを自動生成するようになっており、ユーザーにとってはより使いやすいかたちになっているようだ。

都市計画の検討においては市民の意見やアイデア収集、完成イメージの共有等にワークショップ方式が用いられつつあるが、そのための3Dツールの導入コストの高さが懸念のひとつだった。本MODはその代わりとして、市販のシミュレーションゲームである『Cities:Skylines』を採用。より直感的に3D都市モデルを利用した都市計画の検討ができようになることを目指して開発されたようだ。都市計画事業の検討に市販のゲーム、そしてそのMODが利用され、開発されたMODがSteamワークショップで公開される、というのは珍しい事例といえるだろう。


本MODはもちろん個人利用も可能。Steamワークショップで公開されており、サブスクイブすることで『Cities:Skylines』のMODとして利用できるようになっている。3D都市モデルデータはCityGMLという形式で、Project PLATEAUのポータルサイトからダウンロード可能だ。日本全国の都市がリストアップされており、自分の住んでいる都市の3Dデータもあるかもしれない。興味のある方はリストをチェックしてみるとよいだろう。

「SkylinesPLATEAU」はSteamワークショップで公開中。ソースプログラムやインポート手順、及び設定ファイルはGitHubで公開されている。