近年は「巣ごもり需要」などを経て、PCゲームを配信するストリーマーを見たり、プレイ動画を視聴したりする文化がこれまでに比べて強く根付きつつある。PCゲーム配信を視聴することで「自分もこのタイトルで遊んでみたい」あるいは「ゲーミングPCデビューしてみたい」という気持ちを抱くユーザーも多いのではないだろうか。
とはいっても、それらを動くPCを見つけるのは、知識がない人には少々面倒かもしれない。高いものを買えばすべてをカバーできるだろうが、無限にお金がある人でなければそういう解決をするのは怖いだろう。そこで、コスパ高めのゲーミングPCを紹介し、ゲーム配信での人気タイトルが動作するのかチェックしてみよう。本稿においては、「コスパ高い」と銘打たれているブランド、NEXTGEARブランドの製品を軸に考えていく。
NEXTGEARは、パソコンBTOメーカーのマウスコンピューターが立ち上げたゲーミングPCの新ブランド。公式EC直販限定にて購入可能なこのブランドの特徴として、安価でありながらもある程度の性能が担保されているというコストパフォーマンスの良さがあげられる。それゆえに本企画に採用しやすいわけだ。
・16型・165Hz対応液晶搭載のゲーミングノートPC 「NEXTGEAR J6-A7G60GN-A」
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-j6a7g60gnadcw101dec/
・リーズナブルな価格ながらも確かな性能のデスクトップPC「NEXTGEAR JG-A5G60」
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga5g60w5aacw101dec/
・エントリーモデルの中でもワンランク上の性能を持つデスクトップPC「NEXTGEAR JG-A7G6T」
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga7g6tw5abcw101dec/
そこで今回は、マウスコンピューターから提供していただいたNEXTGEAR製品3種にて、現行PCゲームの人気タイトルのベンチマークやフレームレート測定をおこない、性能を検証。本稿では、果たして高コストパフォーマンスPCをうたうNEXTGEARが「配信で見たあのタイトルを遊びたい」という需要に応えられているのか確認していく。
検証タイトル
今回検証に使用したゲームのタイトルおよび、選考理由は以下のとおり。
『ストリートファイター6』
カプコンの対戦格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズの最新作。従来の操作方法である「クラシックタイプ」にくわえて、コマンドなどの複雑な操作を必要としない「モダンタイプ」が新たに用意されており、格闘ゲーム未経験のユーザーでもキャラクターを動かす楽しさをすぐに味わうことができるようになっている。
また、本作はプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」が、Esportsの発展を目的として主催するゲーム大会イベント「CRカップ」の競技タイトルとしても選ばれている。プロゲーマーや有名ストリーマーたちが熱くしのぎを削る姿を見て、自分もプレイしてみたいと思ったユーザーは多いのではないだろうか。
『ファイナルファンタジーXIV』
スクウェア・エニックスが開発・運営する、『ファイナルファンタジー』シリーズの世界観をもとにしたMMORPG。2024年夏には、新たな拡張ディスクである「黄金のレガシー」の発売も予定されているほか、その際におこなわれるグラフィックスアップデートにより必要動作環境が引き上げられるという発表もされている。(関連記事)
本作はストリーマー、配信者やVtuberなどにくわえて、声優や芸能人がプレイしているということでたびたび話題になることも。有名人がプレイする配信や動画を見ることで、「推しがプレイしているゲームをやってみたい」と考えるユーザーも多いのではないだろうか。今回は暁月のフィナーレのベンチマーク測定(最高品質)にて現行の『FF14』を快適にプレイできるのかを確認する。そしてあくまでも現状出ている情報での筆者の予想の範囲ではあるが、「黄金のレガシー」グラフィックスアップデート後の『FF14』を快適にプレイできるのかについても見ていこう。
『HELLDIVERS 2』
Arrowhead Game Studioが手がける、最大4人でのオンライン協力プレイに対応するTPS。プレイヤーはエリート兵士「ヘルダイバー」となり、宇宙生物との戦いに挑んでいく。
本作にはベンチマークソフトや機能がないため、今回はフレームレートを測定できるキャプチャソフト「CapFrameX」を使用し、グラフィック設定:ウルトラにてチュートリアルの戦闘が起こるパートでの約1分間のフレームレートを計測。平均フレームレートである「Average」と、最小フレームレートの指標となる「P1」の数値を確認していく。
『Cyberpunk 2077』
CD PROJEKT REDが手がける、2020年に発売されたオープンワールドアクションRPG。2023年の9月に拡張パックとなる「仮初めの自由」が発売されており、それにともなって必要動作環境も大幅に引き上げられている。
本作はゲームとしての完成度はもちろんのこと、レイトレーシングや、DLSSなどの優れた”技術プレビュー”としての側面もあわせもっている。今回はエントリーモデルPCでの検証ということもあり、ウルトラ設定+DLSSありの設定で、発売からしばらく経過した今でも重量級タイトルと評される本作においてどの程度のフレームレートが出せるのか検証していく。
さっそく検証・まずは16万のノートPC
16型・165Hz対応液晶搭載のゲーミングノートPC NEXTGEAR J6-A7G60GN-A
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-j6a7g60gnadcw101dec/
まずは「NEXTGEAR J6-A7G60GN-A」(定価:税込16万9800円)で検証をおこなう。
主なスペック
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:AMD Ryzen™ 7 7840HS プロセッサー
グラフィックス:GeForce RTX™ 4060 Laptop GPU
メモリ標準容量:16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD:500GB (NVMe Gen4×4)
パネル:16型 液晶パネル (ノングレア / 165Hz対応)
検証結果
『ストリートファイター6』では100点をマーク。さすがにアーケードコントローラーやHITBOXを主に扱うユーザーだと難しいかもしれないが、キーボードやゲームパッドでの操作をメインとするユーザーなら、ノートPCという特徴を活かして、出先のちょっとした空き時間にトレーニングモードでコンボ練習……なんて使い方もアリかもしれない。
『FF14』も「非常に快適」という結果に。『FF14』ベンチマークはスコアが15000を超えることで「非常に快適」判定がなされる仕様になっているため、最高画質でプレイしてもある程度の余裕がありそうだ。そのため、今後の「黄金のレガシー」アップデートとともに控えているグラフィックスアップデートも余裕をもって迎えることができそうだ。
『HELLDIVERS 2』の平均フレームレートは68という結果に。宇宙生物が多数湧くシチュエーションでは若干のフレームドロップが見受けられたが、こちらはグラフィック設定をウルトラからある程度落とすことで、問題なく快適なプレイができる範囲だろう。
注目したいのは『Cyberpunk 2077』のベンチマークスコア。レイトレーシング機能を使わず、ウルトラ設定+DLSS有効という条件ではあるものの、平均フレームレートは118をマーク。発売からしばらく経ちつつも、いまだに屈指の重量級タイトルである『Cyberpunk 2077』を、ノートPCでこれほどまで快適に動かすことができるのはかなり評価できるポイントだと言えるだろう。
結果として、「NEXTGEAR J6-A7G60GN-A」はノートPCではあるものの、グラフィックの設定次第で現行の人気タイトル全般を快適にプレイできるポテンシャルを秘めている機種という印象だ。コストパフォーマンスを重視しつつも、新作タイトルを快適に動かすことができる器用なゲーミングノートPCを手に入れたい、いちどゲーミングノートPCを触ってみたいというユーザーにはかなり魅力的な選択肢となりそうだ。
破格の13万のデスクトップPCではいかに
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga5g60w5aacw101dec/
続いて、「NEXTGEAR JG-A5G60」(定価:税込13万7500円)の性能を見ていこう。
主なスペック
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:AMD Ryzen™ 5 4500 プロセッサー
グラフィックス:GeForce RTX™ 4060
メモリ標準容量:16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD:1TB (NVMe)
検証結果
『ストリートファイター6』は100点という結果。バトルハブやワールドツアーでの平均フレームレートが先の機種に比べてやや落ちているが、60FPS上限の対戦モードをメインに遊ぶ層にとっては本製品も十分選択肢に入るだろう。
『FF14』も非常に快適という結果に。ただ、今後「黄金のレガシー」アップデートにあわせて控えているグラフィックスアップデートにおける影響も考えると、最高画質でのプレイを維持できるかどうかはやや懸念が残るかもしれない。
『HELLDIVERS 2』ウルトラ設定の平均フレームレートは68.3を記録。『Cyberpunk 2077』の平均フレームレートはDLSSの力もあってか126.96となっており、この2タイトルにおいて本製品はかなり健闘している印象。総じて、検証結果だけを見るならばCPUのAMD Ryzen5 4500が全体的にやや足を引っ張っている印象を受ける。とはいえ、PCでゲームする際に重要なのはCPUよりも、”どちらかといえば”グラフィックボードなのも確かだ。CPUにかけるコストをできるだけ抑え、その分をグラフィックボードにあてるという考えは、安価なエントリーモデルゲーミングPCを作るというコンセプトにおいて、なかなか理にかなっていると言えるだろう。
また、マウスコンピューターではPCの注文時にCPU、グラフィックボード、メモリ容量、ストレージ容量などカスタマイズ可能なことにくわえて、今回の検証はあくまで「最高画質」にこだわった試みなため、グラフィック設定を落とすことにさほど抵抗がないならば、設定を少し落とすだけでフレームレートはさらに伸びるだろう。その点を加味して考えるならば、「NEXTGEAR JG-A5G60」は現行の人気タイトルを問題なくプレイできるうえ、コストパフォーマンスに優れた製品と考えることもできる。つまり、本製品は「とにかく安く、それでいて最新のゲームもそれなりに動くPCが欲しい」と考えるユーザーにはうってつけの機種だと言える。
この中ではパワーある17万機種ではどうか
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最後に、「NEXTGEAR JG-A7G6T」(定価:税込17万7500円)の性能をチェック。
主なスペック
OS:Windows 11 Home 64ビット
CPU:AMD Ryzen™ 7 5700X プロセッサー
グラフィックス:GeForce RTX™ 4060 Ti
メモリ標準容量:16GB (8GB×2 / デュアルチャネル)
M.2 SSD:1TB (NVMe Gen4×4)
検証結果
『ストリートファイター6』では100点をマーク。『FF14』では最高品質にも関わらず圧巻の23596というスコアを叩きだす結果となった。これだけの余裕があれば、今後のグラフィックスアップデートにも安心して臨めそうだ。
『HELLDIVERS 2』ウルトラ設定の平均フレームレートは91.9で、激しい動きがある場面でも「P1」が79.5ということから、ウルトラ設定でも60FPS以上、設定次第では120FPS程度ならキープすることも夢ではなさそうだ。『Cyberpunk 2077』でも155FPSを記録しており、本製品は重量級の最新タイトルでもかなり安定したゲーム体験が見込めそうな機種となっている。
以上、マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「NEXTGEAR」3種でベンチマークテストやフレームレート測定をおこなっての筆者の見解となる。今回紹介した3機種は下記の製品ページから購入可能だ。
・16型・165Hz対応液晶搭載のゲーミングノートPC 「NEXTGEAR J6-A7G60GN-A」
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-j6a7g60gnadcw101dec/
・リーズナブルな価格ながらも確かな性能のデスクトップPC「NEXTGEAR JG-A5G60」
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga5g60w5aacw101dec/
・エントリーモデルの中でもワンランク上の性能を持つデスクトップPC「NEXTGEAR JG-A7G6T」
https://www.mouse-jp.co.jp/store/g/gngear-jga7g6tw5abcw101dec/
それぞれ価格による性能差はあるものの、どれも現行の人気タイトルを快適にプレイすることができるポテンシャルがあることが確認できた。また、マウスコンピューターでは本稿で取り上げたほかにも、構成や価格の異なるPCが数多く展開されている。
・マウスコンピューター HP
https://www.mouse-jp.co.jp/
・NEXTGEAR 特集ページ
https://www.mouse-jp.co.jp/store/brand/nextgear/
本稿の検証結果を参考に、予算や使い道、遊びたいタイトルと相談しながら、ゲーミングPCデビュー最良の1台を探してみてほしい。本稿が少しでも、プレイ動画や配信でPCゲームに興味は持っているものの、どのPCを買えばいいのか分からないと悩むユーザーの参考になれば幸いである。