クリアまで“100時間かかる”と噂の『龍が如く8』を普通にプレイした場合、実際何時間でクリアできるのか。実際に遊び検証、プレイ時間の内訳などのグラフ化

普通にプレイしてもクリアまでに80時間から100時間はかかるという『龍が如く8』。どの部分にどれだけの時間がかかるのかを検証したので、本稿ではその結果を報告したい。

セガが1月26日に発売した『龍が如く8』は、発売前から大ボリュームであるということが制作総指揮である横山昌義氏ら、開発チームの口から語られていた。本稿では、普通にプレイしてもクリアまでに80時間から100時間はかかるという本作を実際にプレイし、どの部分にどれだけの時間がかかるのかを検証した。実際にプレイしてみて盛りだくさんの内容だった本作を何時間でクリアできたのか、その結果を報告したい。


『龍が如く8』は、『龍が如く』シリーズの最新作だ。本作は、『龍が如く7 光と闇の行方』から引き続いてターン制のコマンドバトルが採用されたRPGである。本作の物語は、春日一番と桐生一馬のダブル主人公で展開し、ハワイと日本を舞台に巨悪に立ち向かう姿が描かれる。

本作は、『龍が如く』シリーズらしく、本筋からは離れた部分でドンドコ島やスジモンバトルといったプレイスポットが多く用意されている。また、『龍が如く8』は桐生一馬の人生最期の戦いとも銘打たれており、彼のこれまでの人生に思いを馳せる「エンディングノート」など、さまざまな要素が詰め込まれた作品だ。メインストーリーを離れた寄り道要素も含めて、盛りだくさんの内容となっている。


『龍が如く8』は実際100時間遊べるのか?


本稿では、いわゆるスピード攻略ではなく普通にプレイした際の攻略時間を紹介する。なお、本作においては『龍が如く7』以上にブラッシュアップされたバトルが楽しかったということと、筆者がRPGのレベル上げが好きなタイプであるため、バトルに関わる寄り道が多めのプレイになったものと思われる。また、イベントシーンはボイスをボタン送りでカットせず、すべて聞いて進行。なおプレイ中、メインストーリー、レベル上げ、エンディングノート、ドンドコ島、そのほか寄り道といったかたちで、かかった時間をざっくりと記録している。

まず結論から述べると、『龍が如く8』を実際にプレイして実際にかかった時間は、クリア時のセーブデータで99時間59分57秒、Steamの表示で112.7時間となった。セーブデータのクリア時間で見ればほぼ100時間というまるで狙ったかのような結果となっているものの、偶然であることは理解されたい。なお、セーブデータのプレイ時間とSteam上のプレイ時間に約13時間のずれが発生しているが、はっきりとした理由は不明である。考えられる可能性としては、ゲーム内においてプレイ時間としてカウントされない場面(タイトル画面やロード中など)が存在していることによるものと思われる。筆者がプレイしながら残した記録では、Steam上の時間に近い約113時間となったので、こちらの記録を本稿執筆にあたっての目安の時間としたい。

メインストーリーは総プレイ時間の約36%

『龍が如く8』クリアまでにかかった時間の割合

上の画像が、筆者がクリアまでにかかった時間の割合の円グラフとなる。メインストーリーが大部分を占め、そのほかの要素がおおよそ同程度時間を要したかたちとなっている。こちらは、前述のプレイしながら記録したデータから割り出したものであり、合計時間は約113時間。Steam上のプレイ時間とほぼ一致しているかたちだ。まず、本作のメインストーリー攻略にかかった時間は、約40時間となっていた。前述したとおり、イベント中のボイスがある部分は、すべて聞きながらのプレイとなっている。

このメインストーリーには、イベントシーンのほか、ボスまでの道のりやバトルが含まれる。レベル上げなどのキャラクターの強化を積極的におこなっていたので、ボスなどの攻略に苦労はしなかったが、それでも約40時間と、メインストーリーだけでもボリューム満点である。

そして、レベル上げは約21.5時間とメインストーリーの半分強の結果に。クリア時、春日のレベルが57、桐生のレベルが58で、ラストバトルは余裕をもってクリアができた。なお、筆者はラストバトルは各キャラクターをそれぞれの固有ジョブで挑みたいというこだわりから、ラストバトル前にジョブランク上げでダンジョンに10時間ほどこもっており、レベル上げの半分の時間がラストバトル前となっている。ちなみに、春日は7つ、桐生は5つのジョブがランク30まで到達している状態でのクリアとなった。


てんこ盛りな寄り道時間


寄り道として記録したのは、サブストーリー、絆ビンゴ、絆ドラマがおもな要素となる。これらの要素を攻略してかかった時間が、約18時間となった。特に絆周りの要素については、絆ドラマを見ることで追撃アクションの習得や、転職可能なジョブの増加など、キャラクターの強化にも繋がるため、バトルを有利に進めたい筆者は優先的に攻略している。そのため、仲間キャラクターの絆ビンゴ、絆ドラマは、コンプリートできるようになった時点で完了。

結果的に、全キャラクターの絆ドラマまでコンプリートしてラストバトルに挑むかたちとなった。ちなみに、各キャラクターの絆ドラマの最後には、仲間キャラクターの固有ジョブの最終装備を作成するベース武器が手に入る。キャラクターを強くしたいという人は、絆ドラマを最後までプレイするのがおすすめだ。メインストーリーの裏側的なエピソードが語られるキャラクターもいるので、本作を遊び尽くしたいという人にとってプレイはマストだろう。

クリア時の絆レベル。序盤からパーティ入りした仲間は絆レベルが高めに

筆者がどれくらい寄り道したのかについては、春日の人間力チャレンジを見てもらいたい。アドベンチャー(飲食店で食事をしたり人に話しかけたりといった行動)が90/120、バトルが106/158、プレイスポット(カラオケや麻雀、ポーカーのプレイ)が25/106といった結果だ。ここからわかるのは、筆者の春日一行は街をぶらぶらと闊歩して、ひたすら輩たちと戦う血気盛んなリゾートを楽しんでいたようである。


また、ハワイで街の人々とあいさつを交わすことでフレンドになることができるアプリ「アロハリンクス」は、フレンドが195/200、そのうちラブフレンドが157人となっていた。フレンドになれる人々はハワイ中に存在しており、街中にランダム(一部は固定)で出現する。この数字からも、ハワイをかなり歩き回ったことが分かるだろう。


「エンディングノート」もボリュームあり


桐生が人生でやり残したことをひとつずつ消化していくエンディングノートについては、記録上は18時間の所要時間となった。エンディングノートは、桐生がフィールド上でさまざまな思い出を振り返ることとなる「追憶ダイアリー」の収集と、伊達の計らいで桐生がこれまで出会った人々の現在を知る「エンディングドラマ」のふたつがおもな内容である。

こちらもラストバトル前には追憶ダイアリーをすべてコンプリートし、エンディングドラマも最終まで達成。なお、前述したとおり、桐生がこれまで出会った人々が出てくるため、シリーズをプレイしたという人は、思わずニヤリとする部分があるはずだ。ちなみに筆者も、あるキャラクターが出てきた時には、「このキャラクターが出るのか……」という思いからつい声をあげてしまった。

なお、前者の追憶ダイアリーは、フィールド上を探索する必要があるため、ほかの寄り道要素と並行してプレイした時間を記録している。そのため、エンディングノートと寄り道の所要時間がやや前後することはご容赦されたい。寄り道とエンディングノートを合わせて、約36時間と考えた方が、より正確な所要時間になるだろう。ちなみに、エンディングドラマと追憶ダイアリーはコンプリート済みであるものの、未練ミッション(春日の人間力チャレンジと同等のもの)については48%の達成率に留まった。多岐にわたる条件指定があり、達成そのものは楽しいのだが、量が膨大で、さすがにこれを100%にはできなかった。


『龍が如く8』の物語にかかった時間をまとめると、メインストーリーが40時間、サブストーリーや絆ドラマなどに注力した寄り道とエンディングノートがそれぞれ18時間ずつと、合計76時間。大ボリュームと言っても過言ではないだろう。本作に登場する人々の人間関係は、それだけ濃厚であることがわかるプレイ時間だ。


「ドンドコ島」は噂通りの時間溶け


そして、本作の中でも特に時間を使ったという人が多いであろうプレイスポットのドンドコ島だ。筆者は、ドンドコ島に行けるようになった時点で、ドンドコ島のストーリークリアまで一気にプレイ。その結果、ドンドコ島をプレイした時間は、約15.5時間という記録に。ちなみにゲーム内でカウントされる日数では、ドンドコ島開始から28日目にクリアしている。なお、装備購入の資金稼ぎのため、2時間ドンドコ島の運営をおこなったので、ドンドコ島のストーリークリアまでの時間は実質13.5時間といったところだ。

どこか殺風景な筆者のドンドコ島

なお、今回のプレイでは、とにかくドンドコ島のリゾートランクを上げることだけに注力して、クリアを目指した。なので、筆者のドンドコ島はリゾート地というよりも、ただの雑多なビル街のような印象になっており、レイアウトやコンセプトにこだわったり、宿泊客100人の実績を達成したりといった部分は未着手だ。コンセプトにこだわるとDIYの設計図集めが必要なので、かかる時間はぐっと増えそうだ。まさに沼コンテンツである。


たしかに100時間以上遊べた『龍が如く8』


ここまで約113時間と、まさしく大作RPGといった所要時間でクリアに至った『龍が如く8』だが、遊ぶことはまだまだ残っている。筆者はクリア後にゆっくりと取り組もうと、スジモンバトルにクレイジーデリバリー、不審者スナップなどが残っている。いずれも、やりこみが楽しめそうなコンテンツである。折を見てDLCのファイナルハワイダンジョンにも挑みたいところだ。

ちなみに、『龍が如く8』をクリアまでプレイした筆者が獲得したSteamの実績は、52/74で全体の70%。2周目のプレイなど、DLCが必要な実績が10項目あるので、12項目の実績を取り逃しているかたちである。それらは前述したとおり、まだあまり手を付けていないスジモンバトルやクレイジーデリバリー、マッチングアプリなど、プレイスポット系がほとんど。筆者を含め、プレイヤーの中には、実績のコンプリートが見えるので、せっかくだからそこまでやってみようという人も多いのではないだろうか。

とはいえ、AUTOMATON関係者の中でのクリア時間はまちまち。メインストーリーメインで50時間でクリアしたものもいれば、一通り遊んで70時間だったというものもいる。遊び方によってクリア時間はかなり変わるという点はご留意いただきたい。


ストーリー、バトル、ドンドコ島をはじめ、さまざまな遊び方を受け入れる本作は、100時間級に遊べる作品であることは間違いないだろう。どん底から再び這い上がる春日一番と、最期の戦いに挑む桐生一馬の2人が織りなす『龍が如く』シリーズの集大成となった本作に、ぜひ腰をどっしりと据えて挑んでみてはどうだろうか。

龍が如く8』はPC(Steam)およびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売中だ。

Koutaro Sato
Koutaro Sato

何でも遊びますがメトロイドヴァニアとトレハン、ゲーム内の釣りが大好物。クリエイターやプレイヤーの人となりと、彼らが生み出す盛り上がりが大好きです。

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