『ファイナルファンタジー レゾナンス』先行プレイ感想。『FF』初のHD-2D作品、「シネマティックピクセル」でドラマや戦闘を彩る新たな挑戦

『ファイナルファンタジー レゾナンス』のメディア向け試遊会にて体験した、本作のプレイフィールをお届けする。

スクウェア・エニックスは、新作タイトルとして『ファイナルファンタジー レゾナンス』を電撃的に発表した。本作は、スマートフォン向けに展開されていた『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(以下、FFBE)』をもとにコンシューマー向けのRPGに作り直した作品だ。移植作品と侮ってはいけない。ドット絵のキャラクターと3DCGの背景を融合させた「HD-2D」のグラフィックを採用することで、昔から親しまれているドット絵でターン制コマンドバトルの『ファイナルファンタジー』の新作ともいえるような域に達しているからだ。クラウドやティナといった過去作のメインキャラクターも参戦し、FFのお祭りゲーとしての要素も強い。

そうした野心的な『ファイナルファンタジー レゾナンス』のメディア向け試遊会が開かれ、弊誌は幸運にも本作を試遊する機会に恵まれた。約1時間の試遊を通じて得たプレイフィールを、本稿でお伝えしたい。なお、試遊は開発中のデータを用いたPS5版で行われた。製品版と異なる場合があるかもしれないので、そちらについては事前に留意してほしい。


卓越したカメラワークで『FF』伝統のドラマチックなイベントシーンを彷彿

試遊は、シリーズでお馴染みのバハムートを召喚できる謎の少女がプレイブルキャラクターとして冒頭に登場する。少女はバハムートを伴って、なにかのために大軍と戦いを繰り広げているようだ。『ファイナルファンタジー レゾナンス』の試遊をはじめてまず目を奪われたのは、既存のHD-2Dのタイトルの枠に定まらない多彩なカメラワークによる迫力の演出だ。ドット絵のキャラクターと3DCGの背景を融合させたHD-2Dは往年の『ファイナルファンタジー』を彷彿とさせながらも、カメラワークによってイベントシーンの臨場感が増している。卓越したカメラワークによるイベントシーンの描写のされ方には、『FF』伝統のドラマチックな盛り上がりを感じることができた。

これは決して簡単なことではないと思う。HD-2Dのグラフィック表現を成立させることは簡単ではないだろうし、実際に試遊のあとに実施した開発者インタビューでは職人的なスタッフによる試行錯誤を経ることで臨場感あるグラフィックにすることができたそうだ。これまでに発売されてきたHD-2Dのタイトルで培ってきたノスタルジーの雰囲気に、ある種の「新しさ」が加わっている。「ファイナルファンタジー」をはじめとした、ドット絵のグラフィックだった時代からRPGを好んでプレイしてきた筆者からすると「そんなことができるのか」と驚かされた。

本作では、オープニングムービーなどの映画的なドット表現が「シネマティックピクセル」と呼称されている。冒頭のイベントシーンも優れた出来映えだったが、試遊の最後で戦ったセイレーンのグラフィックにも見惚れることを避けられなかった。ところどころにドット絵のテイストを残していることから、懐かしさと新鮮さが同居している。

『ファイナルファンタジー』シリーズが、『ファイナルファンタジーVI』のようなドット絵の路線を突き詰めていたらシリーズはどうなっていたのかという疑問を感じていたファンも多かっただろう。本作はその問いに応えてくれるタイトルであり、『ファイナルファンタジー レゾナンス』は別の可能性を突き詰めた「ファイナルファンタジー」として独自の魅力を備えている。


相手をブレイクして大技を叩き込んでいくのが快感なバトル

『ファイナルファンタジー レゾナンス』は、ターン制コマンドバトルのRPGだ。順番が回ってきた者から順番に行動していくが、相手を攻撃してブレイクさせることができれば、そのターン中、敵は行動ができなくなる。相手の弱点を突くとより大きくブレイクゲージが削れるので、弱点を突いて連続して攻撃を叩き込んでいくのが肝要となるだろう。

相手の分析する魔法の「ライブラ」で弱点属性を調べ上げ、弱点が判明したらブレイクゲージを削っていく。ブレイクゲージを削ってしまえばこちらに追加行動が発生し、一気に攻勢に出ることも可能だ。通常のターンに続いて追加ターンが発生することは、勝利へかなり近づくといっていい。さらに、同一ターン内で相手全員をブレイクするとフルブレイクとなり、することができれば作品名にも含まれている「レゾナンス」と呼ばれる技で一連の攻撃を終えられる。本作のバトルでは弱点属性で相手のブレイクゲージを削って追加行動を獲得し、最終的にはレゾナンスと呼ばれる大技で締めるのがいい。この流れが決まったときは爽快であり、自分の戦術が上手くいった高揚感に包まれるのだ。

パーティ編成によっては、複数のレゾナンスから発動できるものを選ぶことができる。大技を選択できるというのは、雑魚敵とボス敵と戦い続けていく昔ながらのRPGとしてふさわしいものを感じた。敵を倒しきれそうなときは攻撃的なレゾナンスでバトル終結を狙うのもいいが、倒しきれそうにない場合やダンジョンの攻略状況によっては白魔道士の守備を固めてHPを回復するレゾナンスを使うのも立派な戦術だろう。いずれにせよ、相手をブレイクすることで行動回数が増えていき、それが大技の発動に至るのはターン制コマンドバトルにおいて新たな進化といえるほどスピーディーで爽快なものとなっている。

バトルの難易度については、HD-2Dの元祖である『オクトパストラベラー』シリーズと同程度の歯応えを感じた。相手よりこちらのレベルが低いと、かなり大きめのダメージを喰らってしまうイメージだ。試遊は時間の制約もあって最短ルートでダンジョンを進んだため、推奨レベルに足りていなかったのが苦戦の原因かもしれない。

普通のプレイでは、宝箱を取ろうとしたり、道を間違えたりしているうちにバトルが増えてレベルアップする機会が多くなるだろう。そうしたことを考慮すれば、本作のバトルは理不尽に高難易度にはなっていないと思われる。試遊では難易度ノーマルでプレイしたが、製品版にはそれより簡単な難易度も搭載されていることだったので、RPGに不慣れな場合はそちらの難易度でプレイするといいだろう。


カスタマイズ豊富なパーティ編成

主人公をはじめとしたキャラクターは、各人がレベルアップすることで新たな技を覚えるほか、いわばジョブに相当する「ビジョン」によって新たな技や魔法を使うことができる。ビジョンは付け替えが可能。主人公を攻撃に特化したキャラクターに育て上げることもできれば、味方のサポートもできるキャラクターにすることも可能だ。ビジョンとして、『ファイナルファンタジー レゾナンス』には26体のキャラクターが登場する。

ビジョンで特筆すべきことは、過去のタイトルの主要キャラクターがビジョンとして登場することだ。ビジョンは世界各地に点在する光の祠で主人公たちが来るのを待ち構えており、その場所を訪れれば主人公に力を貸してくれることになる。今回の試遊では、『ファイナルファンタジーVII』のクラウドのビジョンを入手することができた。本作は最大4人パーティであるものの、ビジョンも戦闘中に姿がうっすらとあらわれるため、最大8人のキャラクターが参加しているようだった。賑やかなバトル画面を見るだけでも、『ファイナルファンタジー』シリーズの偉大な歴史が思い浮かぶ。

特定のビジョンに習熟することで新たなアビリティを習得し、ほかのビジョンを装備しているときでも習得したアビリティを使うことができるようになる。やろうと思えばクラウドのビジョンを装備して彼の技を繰り出しつつ、『ファイナルファンタジーVI』のティナのビジョンでマスターしたアビリティをセットして戦うことも可能だ。バリエーションに富んだ組み合わせから自分のやりたい戦い方を見出し、強敵を倒していくというのが本作の醍醐味となるだろう。

数多くの過去作を知っている方が、組み合わせの妙を楽しめるのかもしれない。当該キャラクターのビジョンを入手する際に、そのキャラクターの過去作での活躍を通じて人となりを知ることができる。そうした配慮は、たとえまったく知らないキャラクターに対しても愛着を持てるきっかけとなるだろう。自分なりに組んだパーティ編成がどこまで通用するのかを知りたいし、『ファイナルファンタジー』シリーズの過去作のキャラクターたちがビジョンといえども本作で一堂に介するのは圧巻だ。


約1時間の試遊を振り返って新機軸の『FF』であることを確信

『ファイナルファンタジー レゾナンス』は『FFBE』を再構築したストーリーだが、コンシューマー向けのRPGとして求められるレベルに達している。コンシューマーゲームにするに際して再構築したというのがポイントで、シナリオにもかなり手が入っているようだった。メインストーリーはすべてフルボイスであり、臨場感も抜群。

筆者は『ファイナルファンタジーXV』や『ファイナルファンタジーXVI』のプラチナトロフィーを取得するほど直近のシリーズ作も好きだが、ドット絵とワールドマップのある伝統的な『ファイナルファンタジー』の新作もプレイしたいと常々考えていた。そうした気持ちに応えてくれるタイトルが『ファイナルファンタジー レゾナンス』なのかもしれない。

『ファイナルファンタジー レゾナンス』は、PS5/Xbox Series X|S/Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PC(Windows)向けタイトルとして2026年10月22日に発売予定。PC(Steam)のみ、2026年10月23日発売予定となっている。通常版の価格は、パッケージ版とダウンロード版ともに7678円(税込)。特典が付く9878円(税込)のデジタルデラックス版とアートブックやサウンドトラックCDなどが同梱する2万5500円(税込)のコレクターズエディションの詳細については、公式サイトをチェックしてほしい。

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Ryuichi Kataoka
Ryuichi Kataoka

「ドラゴンクエストIII」でゲームに魅了されました。それ以来ずっとRPGを好んでいますが、おもしろそうなタイトルはジャンルを問わずにプレイします。

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