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とあるSteam無料ゲーム、“『UNDERTALE』非公式オンラインプレイの踏み台”として使われまくり開発者が困惑。急に増える人と、謎の「ありがとう」レビュー
ゲーム開発者のRetroSpecter氏は、自身の手がけたSteam向け対戦ゲーム『Crashphalt』が『UNDERTALE』の非公式マルチプレイModをオンライン動作させるために多数のユーザーに利用されている状況を報告している。

インディーゲーム開発者のRetroSpecter氏はRedditにて、2018年に無料配信したSteam向け対戦ゲーム『Crashphalt』が、『UNDERTALE』の非公式マルチプレイModをオンライン動作させるために多数のユーザーに利用されていることを明かした。同氏は当初こそ困惑したものの、『Crashphalt』の新たな形を喜んでいるようだ。
『Crashphalt』は、最大4人ローカルマルチプレイ対応の2D対戦アクションゲームだ。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2018年から無料配信中。パンチやキックといった直接攻撃ではなく、落下攻撃による衝撃波で戦うことが特徴だ。落下攻撃の溜め時間に応じて、ステージの足場が大きく波打ち、この衝撃波で相手を吹き飛ばすことが目的となる。また、「Steam Remote Play Together」に対応しており、ホストが招待することでオンライン対戦もプレイすることが可能だ。

そんな本作は、RetroSpecter氏がSteamで初めてリリースしたゲームだ。大ヒットすることはなかったものの、本作でゲーム開発のノウハウを学び、専業のゲーム開発者となるきっかけの一つになったという。そうした思い入れもあり、たまに本作をプレイしている人がいないか確認していたそうだ。
しかし、同氏は数か月前に奇妙なユーザーレビューに気づいたという。2018年のリリース当初はレビュー件数が10件程度だったところ、現在のSteamユーザーレビューは約550件のうち、95%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得。独自性がありながら無料でもあるため、ゲームプレイそのものが好評を博している側面もありつつ、本作とは無関係なはずの『UNDERTALE』について書かれているレビューが多い様子が確認できる。そうしたレビューが投じられている背景を同氏が調べたところ、『UNDERTALE』をマルチプレイ化する非公式Mod「Undertale Together」に辿り着いたそうだ。

『UNDERTALE』は、2015年にリリースされたRPGだ。通常のRPGと同様に、エンカウントすれば戦闘に突入するが、プレイヤーの行動次第で敵を倒さず進行することも可能。「誰も倒さなくていい RPG」として売り込まれた。特徴的なシステムやキャラクター、音楽などが好評を博し、数々のアワードにノミネートされ、複数のアワードを受賞した人気タイトルだ。
そんな『UNDERTALE』はシングルプレイ作品にもかかわらず、2019年に同作をマルチプレイ化する非公式Mod「Undertale Together」が登場。本Modにより最大4人のローカル協力プレイが可能となる。
本Modが登場した当初は『Crashphalt』に影響はなかったものの、2022年に状況が一変する。あるユーザーが「Undertale Together」で実質的なオンライン協力プレイを実現するために、『Crashphalt』を経由して「Steam Remote Play Together」を有効化する手順を公開したのだ。この手順が広まったことにより、長年1桁で推移していた『Crashphalt』のSteam同時接続ユーザー数が、2022年に突如として100人超えまで上昇。以降は現在に至るまで、安定して50人前後で推移している(SteamDB)。実質的に『UNDERTALE』のオンライン協力プレイ専用ランチャーとなっているのだろう。

こうした状況についてRetroSpecter氏は、なぜ『Crashphalt』が選ばれたのか分からず困惑したそうだ。先述した手順の条件は、「Steam Remote Play Together」が有効化されているゲームであることのみ。無料配信していることが有利に働きつつも、条件に合うゲームは他にもたくさん存在する。同氏はたまたま選ばれた“幸運”なゲームだったのだろうと推測している。
そして同氏がこの状況をRedditに投稿したのは、たまにレビューに寄せられる質問に応えるためだという。「自分のゲームが他のゲームを改造するためだけに使用されることを知って開発者はどう感じているのか」。これについて同氏は全く気にしていない(I actually don’t mind)そうだ。

RetroSpecter氏は配信直後であればショックを受けたかもしれないとしつつも、すでにほかのプロジェクトに携わっているため、『Crashphalt』に新たな命が吹き込まれ、第二の人生を歩んでいることが素晴らしいことだと語っている。そもそも『UNDERTALE』は、同氏がゲーム開発を始めた頃にリリースされ、非常に大きな刺激を受けた作品であるため、そのコミュニティに影響を与えていることが嬉しいそうだ。Steamが『Crashphalt』の使い方を問題視しない限り、同作を経由した『UNDERTALE』のオンライン協力プレイを楽しんでほしいとしている。ちなみに同氏は、『UNDERTALE』の開発者であるToby Fox氏に対して、「もしこれを読んでいたら」としつつ、一緒にゲームを作れないか連絡してほしいともちゃっかり呼びかけている。
今回の出来事は、本来想定されていなかった「Steam Remote Play Together」の使われ方によって、埋もれていた無料ゲームが別作品のコミュニティを支える存在になった珍しい事例といえるだろう。いわば別の作品の非公式Modの踏み台として使われているような状況ながらも、開発者のRetroSpecter氏は寛容な姿勢を示しているわけだ。
なお、「Undertale Together」はあくまでも非公式Modであるため、自己責任での使用となることには留意されたい。先述の手順で『UNDERTALE』のオンライン協力プレイをしたあとは、『Crashphalt』をプレイするのもいいだろう。
またRetroSpecter氏は現在、ローグライトブロック落としパズルゲーム『Draftula』を開発中。ランダムに提示される部屋ブロックを落として、より高い城を築くことが目的となる。部屋間のシナジーを意識しながら戦略的に要塞を築き上げ、時の試練に耐えるという独自色の高いゲームのため、こちらもチェックしてはいかがだろうか。
『Crashphalt』は、PC(Steam)向けに無料配信中だ。
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