Global Sites
「子どものゲーム依存の責任は企業にもある」として、miHoYoやテンセントなどが訴えられる。損害賠償請求額は、わずか“約230円”
テンセントやNetEaseなどを相手取り、ゲーム依存防止の対策責任を問う訴訟が提起された。その請求額は、わずか10人民元(約230円)だという。

中国にてある男性が、テンセントやNetEaseなどを相手取って訴訟を提起した。男性は、18歳の息子が薬物を過剰摂取(オーバードーズ)した原因を、ゲームに過度にのめり込んでいたことと関連していると考えており、企業に依存防止の対策責任を問う構えだ。本訴訟において、男性はわずか“10人民元”(約230円)の損害賠償を求めていることも話題となっている。闪电新闻(Shandian News)などが報じている。
今回訴訟を提起したのは、中国の河南省南陽市、唐河県に住む男性の秦华氏(仮名)だ。同氏は唐河県の裁判所に対し、テンセント、NetEase、miHoYo、37 Interactive Entertainmentを相手取り、10人民元(約230円)の損害賠償を求めて訴訟を提起した。

報道によれば、秦华氏の18歳の息子、秦林泰氏(仮名)が5月22日夜に解熱剤を18錠服用するオーバードーズで救急搬送。服用後に嘔吐していたこともあってか一命を取りとめたものの、翌日になってもベッドから起き上がれないような状況だったという。秦华氏によると職業高校に通う秦林泰氏は、ここ数年ゲームに異常なほど熱中していたという。2024年3月から始めたゲームアカウントでは、累計で1868時間プレイしたとの記録も残されていたようだ。そして近頃では、毎日午前3時から4時頃に寝るという不健康な生活を送り、10kg近くも痩せてしまったとのこと。
秦林泰氏自身はオーバードーズの理由について回答を拒否しているというが、秦华氏はそうした生活を秦林泰氏が送っていた背景もあり、“ゲームへの依存”が薬物の過剰摂取の原因となったとみなしているようだ。

ちなみに秦华氏は今回の訴訟にあたって、わずか10人民元(約230円)を請求している。このことについて秦华氏は、金銭目的の訴訟ではないことを明らかにしている。同氏は現状の業界でのゲーム依存対策は不十分との考えを示しており、親としての監督責任もあるとしつつも、オンラインゲーム制作会社の各社に向け、対策を是正していくことを求めて訴訟を提起したようだ。
近年中国では若年層のゲーム依存が社会問題化している。そのため子供のゲーム依存を防ぐことを目的として規制がかけられている。具体的には、18歳未満の子供であれば、オンラインゲームは週末の金曜日~日曜日および祝日のみ、午後8時から9時までの1時間しか遊べないようになっている(JETRO)。しかし、ユーザーによる“抜け道”も開発されており、保護者のアカウントを使ったプレイ時間/課金についての制限回避や、別人の身分情報を使った年齢確認の突破などもおこなわれているという。
秦华氏は、秦林泰氏が姉の身分証でアカウントを登録し制限を突破したと主張しており、業界に対してそうした“抜け道”を防ぐため、ゲーム会社により実効性のある依存防止対策を求めているわけだろう。もちろんこれらは秦华氏の主張であり、まだ裁判所による事実確認まで進んでいないことには留意したい。またゲームには依存に繋がる可能性があること自体は医学的にも認められているものの、依存が生じる背景には、ゲームの特性だけでなく、心理状態や生活環境など別の要因が関係している可能性もあるだろう(関連記事)。いずれにせよ、業界大手数社を相手取る今回の提訴を機に、中国国内でのゲーム規制や依存症対策に関する動きがあるかは注目される。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


