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作業集中アプリ『gogh』に「見ると確定でクラッシュするイカ」がいた。数千人を襲った怪奇“ぬるぽイカ”、なにが起きたか開発者に訊いてみた
「見ると確定でクラッシュするイカ」について、弊誌では開発チームに詳しく話を伺うことにした。

株式会社ambrが手がけるアバター×作業集中アプリ『gogh: Focus with Your Avatar』(以下、gogh)にて、一時的に「イカを見ると確定でクラッシュする」不具合が発生し、SNSで大きな反響を得た。不具合は修正に至ったが、経緯について本作の開発チームに詳しく話を伺った。
『gogh』は、作業支援用ゲームだ。機能としては、ユーザーの作業の集中に役立つポモドーロタイマーやToDoリスト、BGM再生機能などのツールを搭載。さらにアバターやその作業部屋のカスタマイズ、ペット育成を楽しめる。最大16人でのオンラインマルチプレイにも対応しており、作成した作業部屋に集まって一緒に作業したり、エモートで交流したりできる。PC(Steam)版に加えて、iOS/Android向けにもモバイル版が配信されている。

そんな同作のモバイル版にて、とある不具合が脚光を浴びた。特定の限定スペースに確率で出現する「イカ」を見るとアプリが確定でクラッシュするというものだ。このイカとは、作中で作業を見守ってくれるキャラクターのひとり。ちなみに「イカ」という名前は公式サイトでも紹介されている正式名称である。可愛らしい見た目に反して、多くのクラッシュを引き起こしていた元凶であったようだ。
この不具合を報じた一連のポストは、それぞれ数百万のインプレッションを獲得するなど、ユーザーの間で大きな反響を得ることとなった。一風変わった不具合であり、弊誌では本作の開発チームに、詳しく話を伺うことにした。
――今回の不具合について、原因がイカであることは、どういった経緯で特定されたのでしょうか。
gogh開発チーム:
『gogh』では、アプリがクラッシュ(強制終了)した際の情報を自動で集計・分析する仕組みを導入していて、日々の不具合改善に役立てています。今回もそのデータを確認したところ、特定のアニメーション処理まわりで同じ内容のクラッシュが反復的に発生していることが分かりました。ユーザーからの報告や社内での再現テストと突き合わせていく中で、モナカビーチに低確率で出現する「イカ」を見たタイミングと一致することが判明しました。
――実際にイカを見てクラッシュしたと思われる報告例はざっくりと何件ほどありましたか。
gogh開発チーム:
確認できた範囲(直近7日間)では、iOS・Android合わせて2000人強のユーザーに影響が出ていました。加えて、お問い合わせフォームやXでも、モナカビーチでクラッシュしたという報告を数件確認できています。
ただ、イカを表示しようとした瞬間にクラッシュしてしまう仕様上、ユーザー側が「イカが原因」と気づいて報告してくださったケースは見当たりませんでした。
――原因がイカだと判明した際、どう思いましたか。
gogh開発チーム:
正直、原因が判明した瞬間は「まさかイカだったとは」という驚きが一番でした。てっきり複雑な処理落ちか通信周りかと思っていたので、こんな身近な生き物が引き金だったというのは、いい意味で拍子抜けでした。
同時に「見た人全員クラッシュ」というあまりに分かりやすい発症条件に、バグとしてはある種の完成度の高さすら感じてしまいました。ユーザーの皆さんが原因を知らないまま「謎の即死イカ」として盛り上がってくださっていたのも面白く、無事直せて何よりですが、少しだけ寂しさもあります。
――イカがどのような仕組みでクラッシュを引き起こしていたのでしょうか。また、具体的にどのような修正をおこないましたか。
gogh開発チーム:
モナカビーチのイカは、低確率で出現する設定になっていましたが、そのイカのアニメーション設定の一部が漏れてしまっていました。その結果、イカがアニメーションしようとした際に参照先(必要なデータの置き場所)が見つからず、いわゆる「ぬるぽ(※)」に近い状態でクラッシュしていました。
※「ぬるぽ」はJava言語のエラー「NullPointerException」を指すネットスラング
今回のエラーは厳密にはUnity/C#のNullReferenceExceptionという別のものです。ただ「あるはずのデータが見つからずエラーになる」という現象自体は近いものなので、開発チーム内では「あー、ぬるぽだね。」みたいな感じでコミュニケーションしてました。
現在はイカに正しいアニメーションを設定し直し、無事にバグは修正されました。運が良ければ、海で元気に泳いでいるイカの姿が見られると思います。

―― 今回の不具合はSNSでも大きな反響を呼びました。モバイル版を含め、実はユーザー数増加につながっていたりしますでしょうか。
gogh開発チーム:
投稿があった前後の期間は同時期に大型アップデートも重なっていたため、両者の効果を綺麗に切り分けることは難しい状況です。
その前提で参考までにお伝えすると、投稿前後の『gogh』内のタイマー利用者やタイマーでの集中時間は直近最多になりました。アップデートの効果と完全に分離はできませんが、これらの数値の増加にはイカクラッシュ投稿を見て、イカを見に行くために参加したユーザー方が寄与した可能性があります。
補足として、今回のイカは、ユーザーの累計集中時間が100時間を超えないと入れない特別なマルチスペースに低確率で出現するキャラクターだったので、気になってくださったユーザーがいつも以上に『gogh』で集中してくれた可能性があると思っています。
――無事にイカを見に行けるようになって何よりです。ありがとうございました。
事象とキャラクターの見た目のギャップが大きなインパクトを与えた今回の一件。悪名高いイカをその目で見たい方は、『gogh』での作業に勤しんでみてはいかがだろうか。なお、今回世間を騒がせたイカをはじめとするキャラクターたちのぬいぐるみが、グッドスマイルカンパニーより現在予約受付中となっている。『gogh』での集中に加えて、現実での作業のおともとしてチェックしてみてほしい。
『gogh: Focus with Your Avatar』はPC(Steam)/iOS/Android向けにそれぞれ配信中だ。
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