『アークナイツ:エンドフィールド』Ver1.4「向淵行」って、結局どういうストーリーだったの?解説。「武陵を救う」だけじゃない、もうひとつの物語

『アークナイツ:エンドフィールド』の最新バージョン「向淵行」で描かれたのは、北部封鎖区域奪還の物語だけではない。

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7月16日、『アークナイツ:エンドフィールド』の最新バージョン「向淵行」がリリースされた。ハーフアニバーサリーを迎える時期にふさわしく、そのシナリオは武陵編のクライマックスともいえる大ボリュームの内容だった。ゾアンをはじめ、多くの武陵の人々が悲願としていた「北部封鎖区域」の奪還。そして、北部封鎖区域が失われた事件に深く関わるオクギが、自身の過去と向き合っていく物語。

さらに、新たな工業システムを活用しながら前線を押し広げていくゲームプレイも合わせて、筆者としても非常に印象深い物語体験となった。一方で、ストーリーのボリュームはかなりのもの。とくに後半では、それまで十分に説明されてこなかったキーワードが次々と登場し、「結局これはどういうことなのか?」と混乱した人もいるのではないだろうか。

しかも今回描かれたのは、北部封鎖区域奪還の物語だけではない。終盤では「管理人とは何者なのか」という、『エンドフィールド』という話にまで一気に踏み込んでいる。本稿では、「向淵行」で何が起きたのかを時系列で振り返りながら、終盤で明らかになった管理人の過去、そして『アークナイツ』とのつながりについて整理していきたい。

※本稿には『アークナイツ:エンドフィールド』Ver.1.4「向淵行」メインストーリー及び『アークナイツ』イベントシナリオ「バベル」のネタバレが含まれています。

なお、本バージョンからはストーリー中に登場する専門用語の解説機能が追加されている。アンダーラインが引かれた単語をクリックすることで、その場で意味を確認できるようになった。とはいえ、後半ではその解説にもない初出の単語がいくつも登場する。まずは難しい設定の話に入る前に、今回のストーリーで何が起きたのかを順番に振り返っていこう。


■結局何が目的だったのか

今回、ゾアン天師と管理人が目指していたのは、北部封鎖区域に存在する巨大な「裂け目」を閉じ、再び人々が暮らせる土地にすることだった。そのためのキーアイテムとなるのが「枢壌儀」だ。ゾアンと管理人が作り上げたこの装置は、侵食と裂け目に対抗するためのもの。つまり「向淵行」の大きな目的をシンプルにまとめるなら、枢壌儀を使って裂け目を封じ、長らく失われていた北部封鎖区域を取り戻すことだった。


■目的を達成するために何を行ったのか

まず管理人たちは、北部封鎖区域から侵食が広がることを防いでいる防衛線「応龍関」を強化することになる。ここで用いられたのが枢壌儀と「歳の代理人」の力だ。応龍関の防衛能力を高めた一行は、いよいよ北部封鎖区域へ進出。前線基地を構築しながら少しずつ活動範囲を広げ、最終目的地である裂け目を目指して進んでいく。


■その過程で何があったの

ところが、裂け目へ向かう途中で管理人とオクギが事故に巻き込まれ、地下へと落下してしまう。そこで2人が発見したのが、地面に突き刺さった謎の剣だった。管理人の力によって、その剣が「超域」に関係する力を持っていることが判明する。ここで2人の頭に浮かんだのが、「もしこの剣が裂け目の発生に関係しているのなら、北部封鎖区域で起きた災害は単なる事故ではなかったのではないか」という疑問だ。

その後、管理人とオクギは無事に救出される。剣の謎はいったん残されたものの、まずは裂け目を封印するため、再び奥地へと進んでいくことになる。なお、この剣がどういうものだったかは後に判明する。しかし、なぜあの場所に剣が残されていたのかについては、現時点では明らかになっていない。今後のストーリーで語られる可能性がありそうだ。


■裂け目で何があったのか

ついに裂け目へ到達した一行を待ち受けていたのが、「アレイクレウス」だった。巨大な石像のような姿をしたアレイクレウスは、どうやら過去に管理人と敵対していた存在らしい。そして彼は、先ほど地下で発見された超域の力を持つ剣を呼び寄せ、管理人たちに襲いかかる。激戦の末、管理人たちはアレイクレウスを撃破。枢壌儀によって裂け目を閉じることにも成功し、長年にわたって武陵の人々を苦しめてきた北部封鎖区域を取り戻すという悲願は、ついに達成された。


■その後何があったのか

しかし、これですべてが解決したわけではない。オクギとの戦いの果てに囚われていたアルダシル。その前に姿を現したのが、復活したネファリスだった。それまでの関係から考えれば、ネファリスはアルダシルの味方であるようにも見える。彼女はアルダシルを裏切り、その命を奪う。

一方、帝江号へ帰還した管理人は、M3からある話を聞かされる。M3が「もっと回復してから聞かせようと思っていた」と語ったのは、「超域」と管理人自身に関わる話だった。こうして「向淵行」のストーリーは幕を閉じる……のだが、実はここまでの説明では、今回のストーリーでもっとも重要かもしれない部分を意図的に省いている。


■これだけの話ではなく、もう一つのストーリーがあった

ここまでの流れだけを追えば、「向淵行」は北部封鎖区域を奪還する物語として比較的わかりやすい。しかし、管理人とアレイクレウスが戦う直前、その印象を大きく変える会話が挟まれている。アレイクレウスは管理人を「我が幼き造主」と呼び、「永き追放の果てに再び相まみえた」「同胞の諫言を受け入れたか?」「テラを捨てる覚悟はあるか」「本来の座へ還る覚悟はあるか」と問いかける。当然、記憶を失っている管理人には何のことなのかわからない。それでも管理人は「そんなものはない」と、その誘いを一蹴する。

さらにアルダシルとネファリスの会話では、ネファリスが管理人について、源石によって「追放された者」に抗った存在であると語る。初見では、突然登場した単語ばかりで何の話をしているのかわからなかった人も多いのではないだろうか。少なくとも筆者はそうだった。最後までストーリーを見てからアレイクレウスとの会話を振り返り、「なるほど、そういうことだったのか」となったほどだ。

なぜなら、これらの会話は最後に帝江号でM3から語られる話とつなげることで、少しずつ意味が見えてくるからである。アレイクレウスと管理人。そしてアルダシルとネファリス。彼らの会話は、北部封鎖区域奪還とは別の、もうひとつの物語を描いている。今回のひとつ目の物語が「裂け目を閉じ、武陵の土地を取り戻す」というものなら、もうひとつの物語は「管理人とは何者なのか」というものだ。


■管理人は一体何者なのか

もちろん、「向淵行」だけで管理人の正体がすべて明かされたわけではない。しかし、アレイクレウスと管理人、アルダシルとネファリス、そして最後のM3との会話を組み合わせることで、その過去らしきものが少しずつ見えてくる。

ここで重要になるのが、これまでも何度か登場していた「礎石」というキーワードだ。M3によれば、礎石とは「テラの宿敵」であり、「追放されしもの」とも呼ばれる存在である。なぜ「追放されしもの」なのか。それは過去に、管理人と「テラの英雄」と呼ばれる存在によって、特殊な力を用いて追放されたからだという。さらに、アルダシルは礎石に与する存在であり、アレイクレウスは礎石によって作り出された兵士であることもM3から語られる。

ここで思い出したいのが、アレイクレウスが管理人を「我が幼き造主」と呼んでいたこと。そしてアルダシルが以前から管理人を自らの「王」と呼び続けていたことだ。これらの情報を組み合わせると、管理人と礎石は最初から敵同士だったわけではなく、管理人がもともと礎石側に近い存在だった可能性が見えてくる。

では、なぜ管理人は礎石と敵対するようになったのか。M3によれば、礎石は「旧文明の守り人」とも呼ばれていた一方で、「テラ文明を奴隷のごとく扱った」という。そのため管理人は礎石に反旗を翻し、テラの英雄とともに彼らを追放したとM3は語る。

しかし、ここで新たな疑問が生まれる。ここは「テラ」ではなく「タロII」のはずだ。それなのに、なぜM3は「テラ文明」という言葉を使ったのだろうか。


■テラ文明とは?

ここで一度、「テラ文明」について整理しておきたい。『アークナイツ』の舞台となるテラでは、現在の人々よりもはるか以前に、高度な文明を築いていた存在がいたことが徐々に明らかになっている。本稿では、これを仮に「旧文明」と呼ぶ。旧文明に属する彼らは、テラで暮らす人々を観察していたことも描かれている。『アークナイツ』の主人公であるドクターも、この旧文明に属する人物であった。ただし、その全貌については『アークナイツ』本編でもいまだ多くの謎が残されている。ここで重要なのは、ドクターが旧文明側の存在でありながら、テラで過ごす中で、そこに生きる人々や文明に思い入れを持つようになったという点だ。自らの目的を達成することがテラに生きる人々の滅びを意味することに苦悩するドクターが『アークナイツ』のイベント「バベル」に描かれている。

そして『向淵行』で示唆された管理人の過去にも、これと似た構図が見えてくる。管理人がかつて礎石側に近い存在だったとすれば、タロIIの「テラ文明」と関わる中で彼らに思い入れを持ち、やがて礎石と敵対する道を選んだ可能性も考えられる。もちろん、現時点では断片的な情報しかなく、これはあくまで作中の描写から考えられる推測にすぎない。それでも、管理人の過去について『アークナイツ』のドクターに似たものが想起できるのは、『アークナイツ』と『エンドフィールド』の関係を考えるうえで重要なポイントといえるだろう。

一方、今回重要な存在として語られた「礎石」は、『アークナイツ』本編ではまだ登場していない。つまり「向淵行」は、『アークナイツ』ですでに語られてきた設定を『エンドフィールド』側へ持ち込んだだけのストーリーではない。むしろ『エンドフィールド』側から、「テラ文明とは何なのか」というシリーズ全体に関わる新たな謎を提示したとも考えられる。「礎石」と「テラ文明」の関係は、今後『アークナイツ』と『エンドフィールド』の双方をつなぐ重要なテーマになっていくのかもしれない。


■『向淵行』とはなんだったのか

以上、「向淵行」のストーリーを振り返りながら、その裏側で語られた管理人の過去や、『アークナイツ』とのつながりについて整理してみた。「向淵行」は、武陵編の決着を描く物語として大きな節目となる内容だった。北部封鎖区域を奪還し、武陵の人々が長年抱えてきた悲願を達成する。さらにオクギもまた、かつて北部封鎖区域で起きた出来事と向き合い、その心の傷を克服した。これまで描かれてきた武陵の物語にはひとつの大きな決着がついたといえる。

一方、管理人の過去や「礎石」とテラ文明との関係など『エンドフィールド』という作品そのものに関わる新たな謎も一気に提示された。今回明かされた情報だけではまだ答えを出せないものの、『エンドフィールド』がこれから描こうとしている物語の輪郭は、少しずつ見えてきたように思う。武陵の物語がひとつの決着を迎えた一方で、管理人をめぐる物語はむしろここからが本番なのかもしれない。今回残された謎が今後どのように明かされ、『アークナイツ』と『エンドフィールド』をつないでいくのか、引き続き注目していきたい。

アークナイツ:エンドフィールド』はPC(公式サイト/Epic Gamesストア)/PS5/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中だ。 

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怪しい隣人
怪しい隣人

主にスマホゲームを中心に、サービス終了したゲームの情報を収集したり、開始早々ダメなことになっているゲームの情報を紹介するのが趣味です。サービス終了ゲーム死亡リストは1500件を超えました。年々ゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。

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