Global Sites
「『メトロイド』の主人公はメトロイドじゃない」がいよいよ通用しなくなると盛り上がる。『ドレッド』を経て、“ちゃんとメトロイドが主人公”の新作
任天堂は9月9日、『メトロイド ラヴェナス』を発表した。作品名でもある敵メトロイドの力を振るうサムスを見て、SNSでは「ちゃんとメトロイドが主人公だ」と話題を呼んでいる。

任天堂は9月9日、Nintendo Switch 2向けタイトル『メトロイド ラヴェナス』を発表した。2027年1月28日の発売を予定している。そんな本作では、主人公のサムス・アランが『メトロイド』シリーズの象徴的な敵キャラクターである人工浮遊生命体「メトロイド」が持つ、獲物のエネルギーを吸収する能力を駆使して戦うことが明らかになった。さっそくSNSでは「『メトロイド』の主人公はメトロイドではない」というツッコミが通用しなくなったと話題を呼んでいる。なお本稿では『メトロイド』シリーズのストーリーに言及しているため、閲覧の際には留意されたい。
『メトロイド ラヴェナス』は探索型アクションゲーム『メトロイド』シリーズの最新作だ。『メトロイド』には1986年発売の初代『メトロイド』から続く伝統的な2Dスタイルのほか、3Dスタイルで1人称視点の『メトロイド プライム』の2つのシリーズがあるが、今回は前者、2Dスタイルの新作で、2021年にNintendo Switch向けに発売された『メトロイド ドレッド』の流れを汲む作品となる。

ストーリーは不時着した衛星で謎の集団「スペースニンジャ」に襲われ、満身創痍のまま地下深層へと落下してしまった主人公サムスが自らの能力を高めながら、生還を目指すというもの。公開された映像では前作『メトロイド ドレッド』のゲームシステムやアクションを引き継ぎつつ、新たにメトロイドのエネルギー吸収能力(捕食能力)を駆使する技が使えることが明らかになっている。また、サムスを襲ったスペースニンジャとの戦闘では視点がサムスの斜め後方に切り替わり、複雑に入り組んだ異空間を駆け巡りながら多彩な武器を操るスペースニンジャとの「喰うか、喰われるか」の一騎打ちに挑むことになるという。
このなかで特筆すべきは、メトロイドの能力を操るサムスだ。本シリーズの主人公はバウンティハンターのサムス・アランという人物で、過去作において「メトロイド」というのは敵の名称。クラゲのような容姿をしていて、捕らえた対象の生体エネルギーを吸収し尽くす能力を持った凶悪な人工浮遊生命体である。
『メトロイド』シリーズでメトロイドは主に終盤エリアの敵として登場しており、作品によっては重要な存在を担っていたが“主人公”ではなかった。そうした背景もあり、『メトロイド』は同じ任天堂の『ドンキーコング』(初代、3、ゲームボーイの3作品)、『ゼルダの伝説』『光神話 パルテナの鏡』『ピクミン』などと並んで、タイトルに冠されたキャラクター名と主人公の名前が一致しない作品のひとつとして扱われていた。


一方、本作ではそんなメトロイドの能力を手にしているばかりでなく、シリーズ過去作において“メトロイドそのものになった”サムスが主人公となる。というのもメトロイドは、『スーパーメトロイド』での戦いをもって絶滅してしまう。同時にサムスによってメトロイドが根絶された惑星SR388では、メトロイドを天敵とする寄生生命体「X(エックス)」が繁殖し、のちにバイオテクノロジー企業「BIOLOGIC宇宙生物研究所」の警護で現地に訪れたサムスが襲われ、中枢神経を冒されて意識不明の重体となってしまう。

その治療の過程で、Xの天敵であるメトロイドの細胞から作り出せる「メトロイドワクチン」が対抗策になると判明し、すぐさま銀河連邦が保管していたベビーメトロイドの細胞組織の一部を用いて開発される。結果、サムスは一命を取り留め、それと同時にメトロイドのDNAが体内に宿り、Xに対して唯一対抗できる存在になった……というのが、2003年にゲームボーイアドバンス向けに発売された『メトロイド フュージョン』のオープニングでの出来事だった。つまり『メトロイド フュージョン』の時点で、サムスはメトロイドのDNAを持つ存在になっていたのだ。

そして『メトロイド フュージョン』の時系列上の続編に当たる『メトロイド ドレッド』では、サムスの体内にあるメトロイドDNAを付け狙う何者かとの死闘が描かれた。この『メトロイド ドレッド』での戦いのなかで、サムスのメトロイドDNAは活性化していき、その終盤では“覚醒”してしまう。詳しい展開は割愛するが、この一連の出来事を経て、サムスは「本当の意味でメトロイドになった」というのが『メトロイド ドレッド』のストーリーだった。端的にまとめれば「サムス=メトロイド」も同然の設定になったのである。
元々『メトロイド ドレッド』のストーリーは、シリーズプロデューサーの坂本賀勇氏が2021年当時、「サムスとメトロイドの奇妙な関係性を綴ったストーリーの一区切りとなるエピソード」とコメントしていた(任天堂)。ゆえに今回の『メトロイド ラヴェナス』は、まさに“メトロイドのサムス”の戦いを本格的に描く作品になると同時に、新たなストーリーの幕開けを意味するものになるようだ。これによって、長年ネタにされてきた「『メトロイド』の主人公はメトロイドではない」というツッコミはほとんど通用しなくなってしまったわけである。

シリーズの歴史を踏まえると、『メトロイド フュージョン』の時点ですでに『メトロイド』の主人公がメトロイドになりつつあったが、『メトロイド ドレッド』がこの設定に大きく踏み込んだ格好になった。そのため、『メトロイド ドレッド』をプレイしたユーザーの間では次回作が「メトロイドのサムス」が活躍する作品になることが予見されていたが、ついにこのたび現実のものとなるようだ。本作はゲームプレイにおいてもまさしく「メトロイドが主人公の『メトロイド』」といえる作品になることだろう。

ちなみに『メトロイド』以外の任天堂作品でも、『ドンキーコング』は1994年発売の『スーパードンキーコング』で(厳密には別キャラクターという設定だが)ドンキーコングが主人公に抜擢。『ゼルダの伝説』も2024年発売の『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』でゼルダ姫が主人公に抜擢されている。
『ピクミン』もゲームではないが「ピクミン ショートムービー」で主人公に抜擢されているほか、『光神話 パルテナの鏡』の女神パルテナも続編『新・光神話 パルテナの鏡』発売時に制作された『ニンテンドービデオ』向け短編3Dアニメで主人公に抜擢されていた(現在は『ニンテンドービデオ』のサービス終了によって視聴不可)。とはいえそれぞれゲームにおいて主人公となったことはないため、いつかピクミンが主人公の『ピクミン』と、パルテナが主人公の『パルテナの鏡』が登場するかどうかも注目されるところである。

なお、サムスがメトロイドの力を宿すまでの詳しい経緯については、前作の『メトロイド ドレッド』のほか、『メトロイド フュージョン』で語られている。今回のサムスに関心を抱いたプレイヤーは、この機会に2作を遊んで確かめてみるといいだろう。『メトロイド ドレッド』はNintendo Switch向けに発売中。Nintendo Switch 2でもプレイ可能だ。また、『メトロイド フュージョン』は『ゲームボーイアドバンス Nintendo Classics』で遊べる。こちらは「Nintendo Switch Online」追加パックへの加入が必要だ。
『メトロイド ラヴェナス』はNintendo Switch 2向けに2027年1月28日発売予定。価格はパッケージ版が税込8980円、ダウンロード版が税込7980円。さまざまな特典が付属したNintendo Store限定の特別セット『メトロイド ラヴェナス スペシャルエディション』はゲームカード版が税込1万2980円、ダウンロード版(パッケージ付)が税込1万1980円、特典のみが税込5000円だ。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


