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『鳴潮』、「ファイルサイズがでかすぎて容量圧迫する問題」にコツコツ取り組んでいる模様。前バージョンと比べて減った?グラフィックは大丈夫?検証する
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弊誌読者の皆さんは、こんな場面に直面したことはないだろうか。「このスマホゲーム面白そうだけど重過ぎてインストールできないよ」と。
昨今のモバイル向けゲームは、グラフィックのクオリティが向上し、「こんなゲームがこんな小さな端末でプレイできていいのか」と思わされることも未だ日常茶飯事だ。まさか3Dゲームが手の平サイズの端末で動作するとは、夢にも思わなかった人も多いだろう。
一方で、スマホゲーマーを悩ませているのがストレージ容量の問題だ。ゲームがハイクオリティになれば、当然ながら必要な容量も大幅に増える。ちょっとしたゲームでも数GB、筆者のスマートフォンにインストールされている大きめの2Dゲームアプリでも10GB、それが3Dともなればサイズはますます膨れ上がり、数十GBが必要なゲームもざらである。
筆者は数年前に機種変更をした際、iPhoneの価格高騰もあって「ゲームはPCで遊ぶからストレージは小さくてもいいだろう」と最小容量の128GBを選択し、現在涙を呑んでいる。ゴロゴロしながら『鳴潮』で遊びたい、日課をこなしたいのに、空き容量がなくてインストールできないのである。読者の中にも同じ悩みを抱えている人は少なくないのではないだろうか。
『鳴潮』は、そんなユーザーのストレージ容量の悩みに対して幾度も解決に取り組んでいるゲームのようである。特にVer2.8からVer3.Xの期間中、本作はリソースに関する改善アップデートを多数実施。Ver3.3では不要なリソースを削除する「クリーンアップ」機能の実装により、Android版ではVer3.1と比較して約8~15GBものストレージ使用量削減を実現。Ver3.5では新たなリソース圧縮技術の導入により、さらなる削減も果たしている。そして、9月30日に配信となった最新大型アップデートVer3.7「鏡に鎖す妄世、心で照らす紅塵」では、リソース問題の解決にさらに一歩近づく機能がテスト実装された。
Ver3.7にあわせてテスト導入されたのは、「画質別リソースダウンロード」機能だ。これは、使用する画質のリソースデータのみをダウンロードすることで、ストレージの占有量を削減する機能である。PC版には最高画質・高画質・標準画質、iOS/Android版には高画質・標準画質が用意されており、自身のプレイ環境やストレージ容量に応じて必要な画質のリソースを選択できる。つまり、従来はひとつにまとめられていたリソースパッケージを、Ver3.7以降は画質ごとに分け、必要な品質のリソースを選んでダウンロードできるようになったというわけである。
本機能はWindows PC向けの公式ランチャー版では一部のユーザーから段階的に、iOS/Android版では全ユーザーに実装されている。また、Steam版でも本機能を利用できるよう、将来的に公式ランチャーが提供される予定だという。Mac/PS5/Xbox Series X|S版については、現在この画質別リソースダウンロード機能には対応せず、高画質(HD)リソースパッケージが使用される。
では、実際に本機能によって『鳴潮』はどれくらいリソース容量が減ったのか。また、各画質で見た目やプレイ感にどのような違いがあるのか。これらを、アップデート後の公式ランチャー版クライアントを用いて検証した。なお、本稿はあくまで筆者の環境での検証結果のため、読者各位の環境では結果が異なる可能性がある点はご了承いただきたい。
まずはPC版検証
まず、PC版の容量を見ていきたい。Ver3.6環境の最終日である9月29日に確認したところ、フォルダのプロパティ上のデータサイズは「105GB」だった。
この105GBを基準に、Ver3.7以降で各画質のリソースのみをダウンロードした際の容量を確認しよう。公式ランチャーによると、最高画質では「98.92GB」、高画質では「79.98GB」、標準画質では「57.87GB」が表記上のデータサイズだ。最高画質と高画質の差は「18.94GB」、高画質と標準画質の差は「22.11GB」。それぞれ約20GBの差があり、最高画質と標準画質を比べると、その差は「41.05GB」にも及ぶ。リソース容量にはかなり大きな差がある。

一方、実際にリソースをダウンロードしてVer3.7へのアップデートまで完了させた後、Windows上でフォルダのプロパティを確認すると、最高画質は「133GB」、高画質は「101GB」、標準画質は「74.3GB」となった。すぐにゲームを遊べる状態で比べると、最高画質と標準画質の差は「58.7GB」だ。モバイルに比べて大容量のストレージを用意しやすいPCでも、無視できない差と言えるだろう。

次に検証したいのは、各画質でグラフィックにどれほど差があるのかだ。ここでは、Windows 11/Core i7-13700F/GeForce RTX 4070 Ti/メモリ64GB/SSDの環境で、3840×2160の4K解像度にて各画質をチェックしていく。
それではVer3.7以降の各画質の違いを見ていこう。以下のスクリーンショットは、上から最高画質・高画質・標準画質の順に並べている。ゲーム内設定は、各リソース品質で設定可能な項目をそれぞれ最高設定にし、レイトレーシングはオフで統一した。撮影箇所や構図は可能な限り揃えているが、時間帯や環境エフェクトの変化により、完全に同じ状態ではない点はご了承いただきたい。なお、比較用のスクリーンショットは、いずれもゲーム序盤で撮影している。



まず分かりやすいのは、巨大な龍のオブジェクトや周囲の岩肌といった、近景のディテールだ。最高画質では龍の顔まわりの彫り込みやひげ、岩肌の細かな凹凸が比較的はっきり出ている。高画質もかなり近い水準で、並べて見比べてようやく差が分かる程度。一方で標準画質になると、岩の細かな情報や右手前の黒い枝状オブジェクトの輪郭がやや甘くなり、全体の細かな情報量がやや減ったように見える。



ただし、ムービーシーンでは少し事情が異なる。発光表現や被写界深度のかかった場面では、そもそもの演出が強いため、最高画質と高画質の差はかなり掴みにくい。標準画質でも大崩れしている印象はなく、静止画ベースでは“差が出にくい場面”のひとつと言えそうだ。



一方で、遠景では差が比較的分かりやすい。最高画質では、遠くの山や建物、崖の輪郭といった情報がまだ残っており、霧の向こう側にある地形も比較的追いやすい。高画質もかなり近い見え方ではあるものの、遠景の情報量はわずかに減る印象だ。標準画質では、霧と背景がよりなじみやすくなり、奥行きや細かな地形の情報が省略されたように見える。



エフェクトの強い場面も補足として見ておこう。光の粒や水面のような天井表現、巨大な翼をもつシルエット周辺の見え方は、最高画質のほうがわずかに安定しているように感じられる。ただ、ここもムービーシーン同様、演出そのものが主役のため、静止画だけで劇的な差が出る場面ではない。



そして、キャラクターモデルの比較では4人の会話カットが分かりやすい。最高画質では、前面にいるキャラクターの髪の束感や目元、衣装の細い線が比較的くっきりと描かれている。高画質も十分きれいだが、髪の細部やアクセサリーの境界はごくわずかに甘く見える。標準画質でもキャラクター全体の印象が大きく変わるほどではないものの、髪や背景の花木など、細かな部分はやや丸く見える。



最後に、明るい草地のシーンも見ておこう。空や雲、遠景の建物、草木、キャラクターの衣装までが一度に映り込んでおり、各画質の傾向がまとまって見える。最高画質では雲の境界や遠景の分離が比較的明瞭で、草地や岩肌の情報量も多い。高画質はかなり近い印象を保っている一方、標準画質では空と遠景の境界、草木の細部などがやや簡略化されて見える。

今回のPC環境で比較した限りでは、最高画質と高画質の差は“見比べれば分かるが、劇的ではない”という印象だった。しかしながら、近景のディテールや遠景の情報量、キャラクターの髪や衣装などの細かな部分を見ていくと、最高画質のほうが一段と精細に描かれている。高画質もかなり近い見た目ではあるものの、4K環境で細かなグラフィック表現までしっかり味わいたいのであれば、最高画質を選ぶ価値は十分にあるだろう。
一方で、標準画質では遠景や草木、細かな輪郭表現の省略が比較的分かりやすく、容量を抑えたぶん、細かな描写が少し簡略化されているように見える。とはいえ、標準画質でもプレイ体験そのものが大きく損なわれる印象は薄い。容量を優先するなら標準画質、容量と画質のバランスを取りたいなら高画質、ストレージ容量に余裕があり、細部まで『鳴潮』のグラフィックを楽しみたいなら最高画質、といった具合に、自分の環境や好みに合わせて選べそうだ。今回の画質別リソースダウンロード機能によって、容量をどこまで抑えるか、画質をどこまで優先するかを、ユーザー側で選びやすくなったと言えるだろう。

モバイル版でも検証してみる
さて、ここまではPCでの比較をおこなってきたが、ここからはモバイル版での比較をしたい。なお、本検証にはiPhone 17を比較用のデバイスとして使用している。Ver3.6時点では、なにもゲームファイルを入れていない場合、すべてのリソースを一括ダウンロードする形式で「50.99GB」、必要リソースのみのダウンロードで「29.34GB」が必要だった。
Ver3.7以降、iOS/Android版では高画質・標準画質の2種類のリソースがダウンロード可能となっている。また、Ver3.3で実装された、全リソースを一括でダウンロードするか必要リソースのみをダウンロードするかを選べる「分割ダウンロード」機能も、もちろんVer3.7で引き続き利用できる。
高画質では、全リソースを一括ダウンロードすると「51.57GB」、必要リソースのみをダウンロードすると「28.97GB」のストレージ容量を使用する模様だ。一方、標準画質では、全リソースを一括ダウンロードすると「41.55GB」、必要リソースのみをダウンロードすると「24.53GB」のストレージ容量を使用する模様だ。
つまり、必要リソースのみダウンロードする場合は、前バージョンよりも5GB容量が少なくて済む。

PCと比べると差は小さいものの、ストレージ容量が限られがちなモバイルでは大きな差となるだろう。
では、各画質を選んだ際のグラフィックの違いを見ていこう。


正直なところ、静止画ベースでいえば高画質版と標準画質版はあまり変わらない。重要なのはライティングで、ライティングがちょうどよい下の画像のほうがキレイに見えるかもしれない。ただ標準画質ではモデルのテクスチャ解像度などは落ちがちで、遠くにある敵などはある程度ぼやけており近づくとくっきりするといった次第だ。
そして、モバイル版でのキャラクターの違いも見ていこう。


高画質は少し背景のオブジェクトのテクスチャが細かい程度で、標準でも差し支えない画質である。
モバイル版を各画質で実際にプレイした印象としては、繰り返しになるが標準でも遜色ないクオリティである。背景などは少し粗さは出るものの、軸であるキャラクター表現はしっかり表現されている。
Ver3.7で実装された画質別リソースダウンロード機能によって、ユーザーが自分の環境やプレイスタイル、ストレージ容量などに応じて、どのリソースをインストールするのか、自ら選択できるようになったことは大きな利点だ。特にiOS/Androidでプレイしたいという人にとって、ストレージ容量のハードルは下がったことだろう。また、普段はPCでプレイしているという人も、iOS/Android版で日課を手軽に消化するなど、さまざまな使い方ができるので、ぜひインストールしてみてほしい。
加えて、Ver3.3で実装された分割ダウンロード機能を併用すれば、ストレージ使用量をさらに削減できる。ストレージ容量を理由にプレイできなかったという人は、改めて自分のデバイスにインストールできるか、チェックしてみるといいだろう。
Ver3.7では「玄方最終章」として、またひとつの物語がクライマックスを迎える。まだ本作をプレイしていないユーザーにとって、今後もサービスが続く『鳴潮』の物語を一気に楽しむのに絶好のタイミングだ。ぜひ一度本作に触れて、どんな作品なのか確かめてほしい。
『鳴潮』はiOS/Android/PS5/Xbox Series X|S/PC(Windows/Steam/Epic Gamesストア/Mac App Store)向けに基本プレイ無料で配信中。
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