大ヒット3Dアニメ会社が本気で作る初ゲーム『BRINGER』は清々しいほど“映像特化”。AAA級に輝く剥き出しの原石を、ひと足早くプレイした

大ヒットSF3Dアニメを手がけた企業による初のゲーム『BRINGER(凡应)』を試遊してきた。

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BRINGER(凡应)』は、中国の「芸画開天」が開発を手がけるアクションRPGだ。PC/コンソール/スマートフォン向けにリリースが予定されている。先日開催された「Bilibili World 2026」にて本作が出展され、会場で試遊台が設けられていたため、筆者も実際にプレイする機会に恵まれた。

芸画開天という会社名を聞いても、ピンとこないゲーマーは少なくないだろう。しかし、SF3Dアニメ「霊籠(リンロン)」を見たことがある人はいるかもしれない。同作は累計再生回数10億回を突破し、数々の賞を受賞した、近年の中国アニメを代表する傑作である。芸画開天は、そんな大ヒットアニメの生みの親だ。

『BRINGER』は、芸画開天がゲーム業界に進出する初タイトルとなる。ゲーム自体はかなり以前に発表されていたが、その後プロジェクトのリブートを経て、昨年末には小規模なクローズドベータテストも実施されていた。一方、今回のイベントで提供された試遊版には、とあるボス戦とそれに伴う前・中・後のストーリー演出が含まれており、すべてのコンテンツをプレイするのに数十分を要する。イベント用の体験版としては、かなりのボリュームと言えるだろう。

『BRINGER』をプレイしてまず印象に残ったのは、そのキャラクターデザインである。現在主流となっている二次元系ゲームのアートスタイルは、日本のアニメに寄せたトゥーンスタイルが多く、本作の2Dイラストもそうしたテイストに近い。しかし3Dモデルに関しては比較的リアル調。韓国ゲームでよく見られるアートスタイルに似ているが、それらと比べるともう少しアニメ寄りの造形となっている。というのも、『BRINGER』の世界観は全体的にSFをテーマにしており、現状確認できる範囲でもストーリーは非常に深みがある。またゲーム全体の表現基準が想定する年齢層もやや高めであることがはっきりと感じられ、公式も「16歳以上推奨」と位置付けているようだ。そのため、こうしたややリアル寄りの画風とはかなり相性が良い。

本作において、芸画開天はアニメ制作会社としての底力を見せつけている。試遊を通して『BRINGER』のもっとも目を引く部分は、ストーリーのカットシーンであった。演出、カメラワーク、エフェクトのどれをとっても、映画級の大作感が漂っており、リッチな仕上がりだ。また、コミック風の演出部分にもカメラワークやアニメーション効果が取り入れられており、画面が静止して単調になるのを防いでいる。特筆すべきは、ストーリー演出の占める割合がかなり大きいことだ。今回の試遊版では全体の半分程度を占めており、まるでアニメーション映画を見ているかのような感覚に陥る。ただ、一部のカットシーンにはQTEが用意されており、発生前の予兆に乏しいため、夢中で見入っていると咄嗟に反応できないことがあった。幸い、入力を間違えても結果には影響しないようであった。

演出以外に印象的だったのが劇伴BGMである。優れたBGMがなければ、どれほど映像が良くても味気ないものになってしまう、と筆者は常々考えている。『BRINGER』の試遊では2つのストーリーのクライマックスにおいて、非常に良いタイミングでボーカル入りの楽曲が挿入されており、曲そのものも美しかった。このコンビネーションを目の当たりにすれば、本作のストーリー演出にも期待が高まる。

とはいえ、「ゲーム」としてストーリー演出だけを極めれば十分というわけでは決してないだろう。特に『BRINGER』はライブサービス型のタイトルであるため、定期的なバージョンアップに伴うストーリーの“ぶつ切り感”など、多くの課題に直面する可能性がある。そしてプレイヤーが長期的に遊び続けたくなるような優れたゲームプレイ・コンテンツも必要になる。ここが、ゲームがアニメや映画と決定的に異なる部分でもある。

『BRINGER』の詳細なゲームモードについては、今回の体験版ではあまり多くは提示されていなかった。しかし、実際にプレイできた「戦闘」部分に関しては、まだブラッシュアップの余地があると言わざるを得ない。

本作は現在非常に主流となっているアクションシステムを採用しており、プレイヤーは戦闘中、いつでもキャラクターを切り替えて操作できる。各キャラクターは通常攻撃のコンボ、通常スキル、必殺技を備えており、回避などのアクションも可能だ。全体的にハイスピードで爽快感のあるバトルに寄っている。また通常スキルはキャラクターの特性を区別するとなっており、各人物に異なるギミックが設計されているのがわかる。

限られた試遊時間の中で、筆者は2人のキャラクターの特徴を大まかに把握できた。1人は主人公の「海履者」だ。彼は3つの「ポイント」を持っており、通常攻撃を当てることで増加し、通常スキルを1回発動するごとに1ポイント消費する。3ポイント所持していれば、3連撃を放って大ダメージを与えられるが、ポイントが足りずに1、2段しか出せないとダメージに大きな差が出る。もう1人は「艾露(エイル)」で、彼女は巨大なハンマーを武器として扱う。そのギミックはパリィからのカウンターであり、スキルボタンを押すとパリィの構えをとり、このタイミングで敵の攻撃をジャストで受け止めれば、そのまま一連の反撃を叩き込める。全体的に見て、キャラクター間の差別化は図られていると言える。

ブラッシュアップが必要な点として、こうした戦闘システムがすでにありふれたものになっており、試遊する限りは新しい要素が見受けられなかったことだ。これは開発チームにとって今後の重要な課題となるかもしれない。また、ゲームバランスも荒削りに感じられた。ボスの第1フェーズは非常に硬く、倒すのにかなりの時間を要し、その間に各キャラクターの必殺技演出を20回以上も見ることになった。第2、第3フェーズに入るとかなりマシになる。これがイベント用の特別な調整(キャラクターを長く操作できるようにするため)なのかどうかは不明だが、もしそうでなければ、プレイ時間の大半をカットシーンの鑑賞に費やすことになってしまうだろう。

結論として、今回のイベント体験版で本作をプレイして深く印象に残ったのは、AAAタイトルに引けを取らないストーリーのカットシーン演出、そして独特の世界観の雰囲気とキャラクターデザインであった。もしこれが、比較的短い時間で密度の高い映画的体験を味わえる買い切りゲームであれば、筆者は惜しみない賛辞を送るだろう。しかし長期運営型のゲームとして見ると、現段階では不確定な要素が多く、今後は開発チームの手腕にかかっていると言える。「芸画開天」が初のゲーム作品で、こうした課題をどのように解消していくのか。すでにクローズドベータテストが実施されている点も見るに、そうした課題の洗い出しや解消にも動いているのだろう。

現在『BRINGER』は開発中であり、PC、コンソール、およびスマートフォン向けにリリースされる予定だ。今年下半期には大規模なテストも予定されているとのことなので、興味を持った方はぜひ注目してみてほしい。また、現場スタッフによると、本作の海外向けローカライズもすでに進められており、将来的にはグローバル市場への進出も予定しているそうだ。

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Nep333
Nep333

AUTOMATON中国語版編集長。

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