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『ゼルダの伝説 時のオカリナ』有志による“10年開発”非公式リメイクプロジェクトが中止に。公式リメイクが出るので自ら中止
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の公式フルリメイクの発表を受けて、10年以上にわたって非公式リメイクの開発を続けていた開発者はプロジェクトの中止を決めた。

任天堂は6月9日、Nintendo Switch 2向けに『ゼルダの伝説 時のオカリナ』を発表した。同名タイトルが公式によってフルリメイクされることを受けて、10年以上にわたって非公式リメイクの開発を続けていた開発者は、プロジェクトの中止を決めたようだ。米IGNなどが報じている。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は1998年にNINTENDO 64向けに発売された同名タイトルのフルリメイク作だ。対応プラットフォームはNintendo Switch 2で、2026年に発売予定。オリジナル版となる『ゼルダの伝説 時のオカリナ』は、シリーズで初めて3Dグラフィックを採用。フリーロームや敵などに視点ロックする「Z注視システム」といった当時において革新的な要素を実装し、ユーザーや業界から絶大な評価を獲得。3Dで描かれる『ゼルダの伝説』シリーズの礎となった。リリース後には、ゲームキューブやニンテンドー3DS向けにも移植/リメイクされている。

CryZENx氏は、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の非公式リメイクを制作していた開発者の一人だ。現在は著作権上の問題によりYouTube上での視聴がブロックされているものの、同氏はカカリコ村をUnreal Engine 4で再現した動画を2015年ごろに公開。その後はUnreal Engine 5へと開発環境を移し、時の神殿、デスマウンテン登山道、ゴロンシティなど各地のマップを制作。進捗に応じてビルドの配布をおこなっていた。オカリナ演奏や戦闘、NPCとの会話などの要素も実装していたとされる。

しかし前述したように、任天堂が公式フルリメイクを2026年に発売すると発表。CryZENx氏はこの発表を歓喜し、「i dont really want to step nintendo on their way(任天堂の邪魔をしたいわけではない)」として、任天堂関連の別の作品のリメイクに着手する方針をPatreonにて示していた。そして6月13日には『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のリメイクプロジェクトが正式に中止となったことを発表。同氏は支援者からのコメントに対して、期待に沿えなかったことを謝罪しつつ、プロジェクトを中止しなければいずれ任天堂から差し止め要請が来ていただろうといった見立てを述べている。
公式フルリメイクの発表を受けて、ファンメイドのリメイクプロジェクトが中止される事例はこれまでにも存在。たとえば『バイオハザード2』の非公式リメイクを手がけていたチームは、公式リメイクである『バイオハザード RE:2』の発表を受けてプロジェクトを断念。心機一転してInvader Studiosを設立し、オリジナルの新作サバイバルホラーゲーム『デイメア:1998』を手がけていた(関連記事)。
なお今回のCryZENx氏については、無料で公開している映像やビルドに加えて、Patreonのメンバーシップ限定で閲覧可能なコンテンツなども投稿している。コンテンツにアクセス可能となるメンバーシッププランは月額4ドル(約600円)から。任天堂は同社の著作物の利用についてガイドラインを定めており、YouTubeパートナープログラムといった指定のシステム以外での収益化を認めていない。同氏のPatreonでの活動はそもそも『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の公式フルリメイクの存在に関わらず、そうしたガイドラインに反する行為とみなされうる。

二次創作コンテンツによる無断収益化については、権利保有者によって厳しい対応がとられる例も存在。今年4月にはYouTubeチャンネル「PokéNational」がNintendo of Americaからの申し立てを受けて削除に至っていた。同チャンネルのクリエイターは、制作の舞台裏などをPatreonの有料メンバーシップ限定で提供していたとされている(関連記事)。また今年1月には『サイバーパンク2077』の非公式VR ModがCD ProjektのDMCA申請により削除。開発者は制作したModをPatreonにおけるメンバーシップ限定で配布していた(関連記事)。いずれの事例においても、許諾なく著作物を用いて収益を得ていたことが削除の決め手になった可能性もうかがえる。
なお、CryZENx氏は別の作品の非公式リメイクに取り組む姿勢を見せている。支援者に対しては、次にどの作品のリメイクを開発するべきかアンケートをとっていた。今回は自主的にプロジェクトの中止が決断されたものの、ファンプロジェクトが許可なくして収益を得ているという状況を考えると、題材が『ゼルダの伝説 時のオカリナ』かどうかにかかわらず、今後Patreonでの同氏の活動に対して差し止め要請がおこなわれる可能性はありそうだ。
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