“翻訳不可能”とされた謎解きローグライク『Blue Prince』、非公式日本語化Modが登場。Mod開発者に「Modを使ってちゃんとクリアできるのか」訊いてみた

ローグライク・パズルゲーム『Blue Prince』について6月6日、有志が作成する非公式の日本語化Modが公開された。

ローグライク・パズルゲーム『Blue Prince』について6月6日、有志が作成する非公式の日本語化Modが公開された。これによりゲーム内のUIやテキストの大部分を日本語として読むことが可能になった。また今回、当該Modを作成したNick氏にインタビューを行っている。

『Blue Prince』は2025年4月10日に発売されたローグライト形式の謎解きパズルゲームだ。プレイヤーは日ごとに屋敷の構造が変わるシンクレア邸に足を踏み入れ、「ルーム46」と呼ばれる部屋の発見を目指す。扉の開く先はランダムに表示される3つの部屋候補から選ぶことができ、こうして部屋を繋げながら屋敷の最深部へと向かっていく。築き上げた間取りは館の設計図(ブループリント) へと反映されるが、探索リソースを使い果たすと日付が変わり、館の構造をすべて失ってしまう。各部屋に隠された“謎”を慎重に解き明かして、探索リソースを確保しながら、館の真相を探求するのだ。

本作は数多くのプレイヤーから支持を集めている。Steamでは1万6000件以上のユーザーレビューと共に「非常に好評」ステータスを獲得、またレビュー集積サイトMetacriticではPC版がメタスコア92点を記録している。さらに「The Game Awards 2025」ではBest Independent Game部門にノミネート、2026年の「Apple Design Awards」ではイノベーション・ゲーム部門を受賞するなど、ユーザー・批評家双方から高い評価を受けている作品だ。

その一方で、本作の対応言語は英語のみとなっており、プレイするハードルの高さが国内では足かせとなっていた。日本人プレイヤーの間では、スクリーンショットを撮影して機械翻訳にかけたり、スマートフォンの画像認識アプリ「Google レンズ」を使ってディスプレイのテキストを直接翻訳するなど、各自それぞれの工夫で本作に挑んでいる様子だ。。

今回、Nick氏が公開した日本語化Modによって、作品内のUIやテキストを直接日本語で確認できるようになった。ただし、『Blue Prince』の謎解きには、英語や英単語を活用して解読するものが少なからず存在している。本作が英語以外の言語にローカライズされていない訳にはこうしたゲームデザインが原因にあると考えられているが、一方で日本語化Modの適用によってそのような謎解きがわからなくなってしまうのではないかという懸念もある。こうした懸念についてNick氏はQ&Aとして回答しており、「英語を読め」とバッサリ。ある意味当然の答えではあるものの、作品の性質上、完璧な日本語対応は不可能だったようだ。

筆者が実際にModを導入して確認してみたところ、ゲーム内で登場するアイテムや、手記・手紙といったテキストがしっかりと日本語で表記されていた。また筆記体や手書き風といったテキストも問題なく日本語に変換されている。テキストが重なり合って読みづらい部分があるなど、まだ調整不足の箇所も見受けられるものの、Nick氏はフィードバックを受け付けていると伝えており、今後の最適化に期待したいところだ。

またゲームのオープニングシーンはテキストではなくムービーファイルとして処理されているためか、未翻訳。あらすじはストアページから確認したほうがよいだろう。ゲーム内を完璧に日本語化できているわけではないものの、基本のゲームプレイや背景ストーリーを理解するのには十分役に立つように感じた。

今回、そんな日本語化Modを作成したNick氏に話を伺うことができた。Modの作成を始めたきっかけや開発環境などを訊いてみた。

――Nickさんは普段からModの制作などをされているのでしょうか。

Nick氏:
普段はModの制作はしていません。10年ほど前に『マインクラフト』のMod作成などをしていたことはありますが。1ヶ月くらい前からいろんなゲームの日本語化Modを作成し始めました。

――今回『Blue Prince』の日本語化に挑んだのはなぜですか。

Nick氏:
『Warsim: The Realm of Aslona』というゲームがありまして、Xでフォローしている方が楽しそうにゲームをプレイしている様子につられて購入したはいいものの、英語オンリーだったのでライブラリで眠らせていました。それをAIを使って日本語化できるのでは?と閃いて日本語化を始めたんです。

半年ほどAIの契約をしていたのですが、たまに質問するくらいで活用していなかったので使い道になるかなと思ったのもあります。その日本語化がうまくいったので、他にもライブラリで眠ってる日本語未対応のゲームの日本語化にもチャレンジするようになりました。『Blue Prince』はそのうちの一つです。一応ルーム46にはたどり着くまでプレイしてますが!

――日本語化Modはどのようにして制作していますか?

Nick氏:
日本語化Modの作成は「Claude Code」(※)に指示して、できた日本語化Modの動作確認をして、修正指示を出す、の繰り返しです。自分では全くコードを書いていません。

とはいえちゃんと指示を出さないと狙った通りの修正をしてくれないのでお任せで何もかも解決というわけにはいきませんでしたが……。

※Anthropicが提供するエージェント型AIツール

――『Blue Prince』を日本語化するにあたって難しかった所があれば教えてください

Nick氏:
プレイしないと日本語化できてるかどうかわからないところですね……。あとは画像の上にテキストを表示している関係上、位置合わせがうまくいかなかったところです。多少調整はしたんですが、日本語にするとテキストの長さも変わるので妥協してます。部屋がランダムなので比較的出やすい前半の部屋しか動作確認できなかったことも……確認できてない部屋のテキストがおかしくなってたらすみません。

――英語じゃないと分からない謎については「英語を読め」とのことですが、翻訳部分の理解だけでクリア(エンディング)まで行くことは可能だと思いますか?

Nick氏:
たぶん!

部屋はある程度ランダムなので、わからない謎があっても飛ばして進められますし。すべての謎を解かなくてもルーム46には到達できると思います。

――ありがとうございました。

今回非公式ながら待望の日本語化が果たされた『Blue Prince』。Nick氏が「英語を読め」と語るように、どうしても英語力が必要な謎解きは一部ある。しかしながら、本作は屋敷に隠された膨大な“謎”をプレイヤーの好きなペースで解いていく体験が魅力とされるゲーム。エンディングは見れたもののまだ解明できていない謎がいっぱいと評するプレイヤーも多い。まずは翻訳部分だけで解読できる謎から手を付けて「ルーム46」を目指してみるのもよいだろう。

『Blue Prince』に日本語化Modをインストールするには、まずModファイルがまとめられたzipファイルをGitHubよりダウンロードする。それを『Blue Prince』の実行ファイル(BLUE PRINCE.exe)があるフォルダへと移動し、展開する。そしてSteamから通常通りゲームを起動することで日本語が適応された状態となる。

なお、原文についてはゲーム内で表記を切り替えることは出来ないが、Mod適用下でゲームを起動すると出現する「BepInExコンソール」から原文の確認が可能だ。または、「BepInExフォルダ」下にあるLogOutput.logを開くことでも直近に見たテキストの原文を読むことができる。

『Blue Prince』はPC(Steam/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中だ。なお、Steamでは6月11日までスペシャルプロモーションセールとして40%オフで発売中だ。

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Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

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