Opera Softwareは12月13日、Webブラウザ「Opera GX」に表示サイトを即座に切り替える「Panic Button」を実装したことを発表した。Opera公式サイトNewsページにて、同機能実装を告知するブログ記事が公開されている。
「Opera GX」は、Opera Softwareの提供するゲーミングWebブラウザだ。本ブラウザは“ゲーマー向け”と標榜されており、TwitchやDiscordと言ったPCゲーミングと関わりの深いWebアプリとの連携を標準搭載している。また、ブラウザ起動中のCPU/RAM使用量を任意の値へ簡単に変更可能な機能など、ゲームプレイ時に併用されることを想定した機能が数多く実装されているのが特徴だ。
そんな本ブラウザに12月13日、新たな標準機能として「Panic Button(緊急ボタン)」が実装されたことが発表された。本機能では、Webサイト閲覧中にF12キーを押下することで、即座に当たり障りのないWebサイトを表示可能。主に、ほかの人に不意に閲覧中のWebサイトを目撃されてしまう事態を防ぐことが想定された機能だ。公式ブログ記事では使い方の一例として、仕事中にゲーム配信を見ていてもF12キーを素早く押せば秘密が守られるだろうと紹介されている。デフォルトの設定では、GmailやGoogleドキュメント、GoogleニュースやWikipediaといったWebページが表示される。
本機能の実装を告知する公式ブログ記事では、OperaGXの英米ユーザー2200人に対しておこなわれた独自の聞き取り調査結果も報告されている。同ページ内の記述によれば、回答者のうち36%が学校や職場で不適切なコンテンツにアクセスしていることを認めたそうだ。回答者が閲覧していたコンテンツの一例としては、ソーシャルメディアサイトや露骨なアダルトコンテンツ、ゲームやデートマッチングサイトがあげられている。
また、こうしたコンテンツを閲覧していた回答者のうち、30%が教師や上司に目撃されたことがあるという。このうち63%は警告を受けるに留まったものの、22%は出勤停止や解雇といった懲戒処分を受けたとの回答結果が報告されている。このほか、家庭内で“秘密”が発覚したとするユーザーは回答者のうち45%。話し合いで解決できた場合もあったそうだが、13%が離婚という結末に至ったとのこと。秘密を隠し通せなかったことにより一定数のユーザーが深刻な事態に陥っているようだ。さらに詳細な集計データが気になった方は、前述の公式ブログ記事を参照されたい。
なおOpera GXには「Panic Button」以外にも“ユニーク”な機能が標準搭載されている。その機能とは、ユーザーの死後にブラウザの閲覧履歴が第三者の目に晒される可能性を想定した「Fake My History」だ。本機能は、OperaGXの利用が14日間連続で停止した場合、ユーザーが死亡している(あるいは別のブラウザを使っている)ものと見做し、自動的にブラウザの閲覧履歴を偽装してくれる。
ちなみにOpera GXブラウザにおける本機能の設定画面を開くボタンには「私の魂を救済する」と記載。即有効化/テスト用のチェックボックスには「すでに死んでいるふりをする」、テスト実行前の確認ボタンには「地獄だ、やったぜ!」と記載されている。コミカルな表現が目白押しの半ばジョーク的なインターフェースとなっているが、不測の事態に備えたいユーザーにとっては有用な機能といえるだろう。
そのほかOpera GXには前述したCPU/メモリ使用量の簡易調整、各種Webアプリとの連携など、快適なPCゲーミングを実現する機能が豊富に取り揃えられている。本ブラウザが気になった方は、一度OperaGX公式ページを確認してみるとよいだろう。