ゲームエンジン「GameMaker」利用料金プラン改定。無料プランは非商用ながら利用可能範囲拡大。買い切りプランも導入

 

YoYo Gamesは11月21日、ゲームエンジン「GameMaker」の利用料金プランを改定。従来のサブスクリプション型プランを刷新し、また無料プランについては非商用利用を条件に利用可能範囲を拡大した。


GameMakerは、特に2Dゲーム開発向けに人気のゲームエンジンだ。アクションブロックを使って視覚的・直感的にゲームロジックを構築できる、ビジュアルスクリプティングツールGMLビジュアルを用意し、プログラミングに不慣れなユーザーでもゲームを制作可能。採用タイトルとしては『UNDERTALE』や『Hotline Miami』『Katana ZERO』『VA-11 Hall-A ヴァルハラ』などが挙げられ、インディーゲーム開発者に幅広く利用されている。

GameMakerの利用に関して、従来はFREE・CREATOR・INDIE・ENTERPRISEの4プランが用意され、対応するゲームプラットフォームごとに分けられていた。無料のFREEプランは、Webブラウザ「Opera」の開発元(YoYo Gamesの親会社)が運営するブラウザベースのGX.gamesのみ。コンソール向けにリリースするには、ENTERPRISEプランに加入する必要があった。またCREATOR・INDIE・ENTERPRISEプランでは、月額・年額のサブスクリプション型プランが採用されていた。

そして今回の利用料金プラン改定では、FREE・PROFESSIONAL・ENTERPRISEの3プランにシンプル化された。また、PCやモバイル向けに開発できるPROFESSIONALプランは99.99ドル(約1万5000円)の買い切りに。ENTERPRISEプランに関しては内容は変わらず、料金も月額79.99ドル(約1万2000円)年額799.99ドル(約12万円)のままだ。


そして無料のFREEプランについては、利用可能範囲が大幅に拡張された。GX.gamesだけでなく、PCやモバイル、Web(HTML5)向けにも開発可能に。ただし商用利用はできない。開発したゲームを販売したいならPROFESSIONALプランを購入する必要があり、コンソール向けにもリリースするならENTERPRISEプランへの加入が求められる。

このほか、GameMaker向けアセットバンドルの無料化も実施された。GameMaker公式サイトでは、さまざまなテーマのスプライトやエフェクト、サウンドなどのアセットバンドルが配布されており、定期的に追加されている。

なお、従来のCREATOR・INDIEプランの加入者は、利用期限を迎えるまではそのまま使用可能。そして更新時に新たなプランに移行するかたちとなる。その際には、従来プランの利用期間によって割引価格が適用される。INDIEプランに1年以上加入していた場合は、PROFESSIONALプランが無料で提供されるとのこと。詳細は公式FAQを確認してほしい。


GameMakerの開発トップを務めるRussell Kay氏によると、開発元YoYo Gamesが2021年にOperaの傘下に入って以降、GameMakerのアクティブユーザーは3倍に増加しているという。今回の利用料金プラン改定は、ゲーム開発をより身近かつ柔軟なものにすることが目的であり、ユーザーへの感謝の気持ちを伝えるものでもあるとした。

またKay氏は、“ほかのプラットフォーム”において、その利用料金プランや規約に関して妙な動きがみられたともコメント。おそらくUnityのことを指しているのだろう。同氏はGameMakerではその逆、つまり開発者にとって良いことをして、ゲームを作る人が増えることが成功に繋がるとした。ちなみにGameMakerの各利用料金プランの詳細ページでは、開発した作品のインストール数ごとに新たなコストが発生することはないとも案内されている。

GameMakerの新たな利用料金プランや製品の詳細については、公式サイトを確認してほしい。