めちゃくちゃ好評な『レゴバットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』は、“バットマン研究”の結晶。レゴのゲーム化名手スタジオが挑戦した「変化」を訊いた

「圧倒的に好評」を得ているオープンワールドアクションADV『レゴバットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』の開発者に、本作のこだわりを訊いた。

WB Gamesは5月22日、『レゴバットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』をリリースした。本作はSteamですぐさま「圧倒的に好評」ステータスを得るなど、絶好調の滑り出しを見せている。本稿では本作を手がけたTT Gamesの開発者に向けて実施したインタビューの内容をお届けする。

『レゴ バットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』は、「バットマン」を題材とするレゴ ゲーム『レゴ バットマン』シリーズの最新作だ。お馴染みのゴッサム・シティを舞台にしたオープンワールドアクションアドベンチャーゲームとなっている。レゴならではのユーモアなどシリーズの持ち味も健在。シングルプレイのほか、ローカルでの2人プレイにも対応している。

本作は発売後すぐさま高い評価を得ており、Steamでは本稿執筆時点で約6100件中96%が好評とする「圧倒的に好評」ステータスを獲得。PS Storeでも約8300件中94%が星5評価を投じる、星4.89のステータスを得ている。レゴブロックで構築されたゴッサム・シティの作り込みや、アクションゲームとしての手触りのよさなどが好評を博してきた。

今回はそんな本作の開発を手がけるTT Gamesのアシスタント・デザインディレクターであるジミー・セドータ(Jimmy Sedota)氏にメールインタビューを実施。開発者目線での本作の持ち味をうかがった。

ジミー・セドータ氏

──自己紹介をお願いします。

ジミー・セドータ氏(以下、ジミー氏):

TT Gamesでアシスタント・デザインディレクターをしているジミー・セドータです。プレイヤーにとって楽しく、魅力的で、親しみやすい体験を提供するためのデザインディレクションを担当しています。これまでに複数のAAAタイトルでアニメーターやコンバットデザイナーとして開発に携わったのち、ディレクター職へと就任しました。

現在はゲームディレクターおよびプロジェクトのリーダー陣とともにクリエイティブビジョンの策定と推進を担い、ゲームメカニクス、ワールド構築、物語表現が一体となった体験を実現することで、レゴファンやバットマンファン、そしてゲームファンにとって記憶に残る作品づくりに貢献しています。

──今回の『レゴ バットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』は、『LEGO バットマン3 ザ・ゲーム ゴッサムから宇宙へ』から数えて10年以上ぶりの新作です。なぜこのタイミングで新作を作ることになったのでしょうか?

ジミー氏:

バットマンは伝説的な人気キャラクターですし、もう一度ゲームの題材として取り上げるべきだと考えたのがきっかけです。バットファミリーやDCスーパーヴィランなどのお馴染みのキャラクターたちや、象徴的で面白い場所が多いゴッサム・シティを再びゲーム化できるということで、開発チームもワクワクしながら作りました。

──TT Gamesはこれまで数多くのレゴ ゲームを手がけてきましたが、本作にどのようにノウハウが受け継がれているのでしょうか?

ジミー氏:

私たちの作品の土台となるのは、ユーモアあふれるストーリーや文章、面白いキャラクターとロケーション、戦闘、収集、レゴブロックの組み立てです。それらの重要な要素は維持しつつ、変えられる余地のある部分にも目を向けました。ゲームプレイシステムにさらなる奥深さや多様性、成長、プレイスタイルの自由度を持たせたかったのです。

──なるほど。具体的にはどんな部分にこだわりが反映されていますか?

ジミー氏:

まずはストーリー面ですね。数十年分のバットマン映画、コミック、アニメ、テレビ、ゲームを見直したことで、熱狂的なファンには受け入れられやすく、かつ新規やカジュアルなファンには理解しやすい優れたストーリーに仕上がった自信があります。物語作りは私たちの強みでもありますが、そこにユーモアを混ぜ込むことで、ダークナイトの伝説を描いた一貫性のある楽しいストーリーを生み出すことができました。ブルース・ウェインがダークナイトになるまでの道のりを描きつつ、プレイヤーに面白いステージや活気ある広大なオープンワールドを体験させる構造を作ることで、過去作との差別化を図っています。

戦闘システムの開発に際しても、さまざまな資料を確認しました。もちろん、『バットマン:アーカム』シリーズの戦闘もそのうちの一つであり、インスピレーションを受けています。私たちが目指したのは戦闘システムの進化と、過去のレゴ ゲームや『レゴ バットマン』作品とは違う体験を提供することでした。これを私たち独自のやり方で実現するため、アクセシビリティ、ユーモア、楽しいゲームプレイを念頭に置きつつ、ガジェット、コンボ、協力プレイ要素を組み込みました。

──過去のレゴ ゲームから変わった部分といえば、従来は100名以上のプレイアブルキャラクターが登場することも特徴でしたが、本作でプレイアブルなのはメインキャラクターに絞り込まれています。どんな狙いがあるのでしょう?

ジミー氏:

各キャラクターの個性を際立たせるため、今回は違うアプローチを採りました。全員に固有の戦闘スキル、コンボ、特定の装備を用意することで、差別化を図っています。これによってゲームプレイ体験がより一層奥深いものとなりました。

一方でバットスーツや相棒の衣装は合計100種類登場するので、いつでも新鮮なキャラの見た目で遊べますよ。どれもあらゆるメディアで展開されてきたバットマンの歴史に着想を得ています。

──バットマンのヘビーファンにとっても楽しい作品になってそうです。

ジミー氏:

熱狂的なバットマンファンのために、本作ではスーツのほかにも、乗り物、無数のDCネタや隠し要素を用意しました。バットマンの歴史に関わる小ネタが古いものから新しいものまで数多く登場し、その歴史をさまざまな形でできる限り詰め込みました。

新規やカジュアルなファンには、ストーリー全体を通じて家族の大切さ、自分を支えてくれる人々の大切さを伝えたいと思っています。バットマンは自分一人では力不足なことに気づき、アルフレッド・ペニーワースやジム・ゴードン、ルーシャス・フォックス、バットファミリーのメンバーたちの支えを得たことで、ゴッサム・シティを守ることに成功したのです。相棒たちの存在、多くのガジェット、乗り物、ゴッサムという街への愛、そして数々のDCスーパーヴィランとの戦いにバットマンが愛されてきた理由はあります。本作ではそれらすべてをあらゆるファンが楽しめる形で凝縮しています。

──最後に、日本の読者に向けてメッセージをお願いします。

ジミー氏:

この愛の結晶をファンの皆さんと分かち合えることに誇りを感じます。私たちは究極のバットマン体験を提供し、この素晴らしいシリーズを称え、プレイした皆さんに喜びをお届けすることを目指しました。この目標が実現できていることを祈ります。ありがとうございました。

──ありがとうございました。

レゴバットマン:レガシー・オブ・ザ・ダークナイト』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに販売中。Nintendo Switch 2向けには9月18日にリリース予定だ。

[聞き手:Ryuichi Kataoka]
[執筆:Hideaki Fujiwara]
[編集:Shion Kaneko]

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