人気低迷中の『Party Animals』公式、突如「生成AI動画コンテスト」を開催すると発表し困惑広がる。“レビュー爆撃”など猛反発に発展

Recreate Gamesは『Party Animals』に向け、同作をテーマにした「Golden Paw Awards」を開催すると発表した。本コンテストについては、生成AI作品を募集していることもあり、非難の声なども寄せられている。

デベロッパーのRecreate Gamesは『Party Animals』に向け、同作をテーマにした「Golden Paw Awards」を開催すると発表した。同コンテストはユーザー制作の動画を募集するコンテストだが、その募集対象が生成AIを用いて制作された動画コンテンツとなっているため、海外ユーザーを中心として猛烈な反発を招いている。

『Party Animals』は、二足歩行の動物となってプレイする乱闘マルチプレイゲームだ。本作には物理演算が採用されており、歩いたり戦ったりする際の、ふにゃふにゃした挙動が特徴。気絶や体力が尽きるなどするとその場に脱力して倒れ込む点もシュールで、ぐだぐだな乱戦が展開される、笑えるパーティーゲームとなっている。

本作ではプレイアブルキャラクターとして犬や猫、鳩、サメ、龍やコラボキャラクターなど数十種類の動物から選ぶことができ、それぞれに異なる衣装も用意されている。さまざまなフィールドを舞台に、最大8人が参加してバトルロイヤルやチーム戦を繰り広げる。フィールドには武器やアイテムが落ちており、さまざまな戦略で戦えるほか、ステージに設置されたギミックを活用して生き残りを図ったりしていくことになる。

そんな本作に向け5月13日、Recreate Gamesは「Golden Paw Awards」としてコミュニティコンテンツを募るコンテストを開催すると発表した。期間は日本時間5月15日午前1時から9月1日午前0時59分までとしている。同コンテストでは『Party Animals』のIPを活用したAI生成動画を募集している。

動画の形式は限定されておらず、短編映画、ドラマシリーズ、アニメーション、ミュージックビデオなどの形式も受け付けているようだ。動画を投稿するプラットフォームもYouTubeやX、bilibiliといった複数プラットフォームに対応。個人/チームでの参加といった規模についても特に制限を設けていない。そうして集まった作品のうち、各部門で優秀賞を決定。入賞者にはトロフィーや賞金が授与される見込みだ。

この「Golden Paw Awards」に対し、海外コミュニティを中心として大きな非難が寄せられている。生成AIについては、業務の効率化などで活用される一方で、生成AIによるコンテンツでは、学習データの権利やクオリティの問題で議論を呼んでいる。さらに一部では、クリエイターの雇用を奪い、ゲーム業界を衰退させるという意見も存在。近年では生成AIに起因した大量の電力消費やDRAM不足なども話題となっており、そうした背景から海外ゲームコミュニティを中心に、ゲーム内に生成AIコンテンツを導入することへの根強い反対意見も存在している。

今回の「Golden Paw Awards」は、あくまでIPを利用したファン作品という位置づけだ。そのため直接ゲーム内にユーザー制作による生成AIコンテンツが実装されるわけではない。とはいえ、同コンテストは単なる動画コンテンツ制作ではなく、「生成AI製」に応募対象を絞っている。さらにエンゲージメントで順位付けをし、上位入賞者に賞金が授与される点が、「クリエイター支援ではなく生成AIに金銭を費やしている」として反感を買っているようだ。

ユーザーによる非難の声はSteamユーザーレビューにまで及び、“レビュー爆撃”のような状況となっている。Recreate Gamesが「Golden Paw Awards」の開催をSNS上で発表した5月13日には、先述の理由などから500件を超える不評レビューが殺到。レビューでは開発元に対する非難だけでなく、今後一切本作を遊ばないとする声や、SNSでの呼びかけとともに、本作をアンインストールしたとする“アンインストール運動”にまで発展している様子だ。本作はSteamにおける全ユーザーレビューにて、約5万5000件中80%が好評とする「非常に好評」ステータスとなっているものの、ここ1か月のレビューでは、約1000件中34%の好評率となり、「やや不評」ステータスまで落ち込んでいる。

ちなみに、『Party Animals』については、リリース当初から比較しユーザーベースが落ち込んでいる様子がうかがえる。SteamDBでは、かつてピーク時には10万人超えの同時接続プレイヤー数を誇っていたことが確認できるが、近頃はピーク時でもプレイヤー数1万人を割る日も珍しくなくなっていた。

突如発表された動画コンテストについては、そんな減少したユーザーベースを取り戻す、という意味合いもあったのだろう。しかし昨今議論を呼ぶ生成AIをメインとしたためにコミュニティから批判の声が多数寄せられているかたち。なおこうしたコミュニティの動きに対し、現時点では『Party Animals』公式、およびRecreate Gamesからの声明は発表されていない。批判渦巻く中で「Golden Paw Awards」のレギュレーションに変更が加えられたり開催そのものが無くなったりするのかは不透明な状況だ。

先述のとおり『Party Animals』自体は「非常に好評」を得て多くのプレイヤーを獲得した人気作だ。リリースから2年以上経った現在でも毎日数千人の同時接続プレイヤーを集めるなど、一定の人気は保っている。ゲーム内容自体には定評があるだけに、ゲーム外のイベントをめぐる今回の騒動についてのRecreate Gamesの対応には注目が寄せられるところだ。

『Party Animals』は、PC(Steam)/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中だ。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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