Global Sites
『怪獣8号 THE GAME』は、「怪獣8号」の世界を拡張していて面白い。独自ストーリーと“ライブ感”で描き出す物語
『怪獣8号 THE GAME』の良さを、本稿では主にキャラクターとストーリー面について言葉にしてお伝えしたい。

漫画やアニメなどで大ヒットした「怪獣8号」を基本プレイ無料のターン制コマンドバトルのRPGにした『怪獣8号 THE GAME』は、原作へのリスペクトにあふれた作品だ。プロデューサーである藤田真也氏が以前のインタビューで語っていたように「漫画、アニメ、ゲームが横並び」というコンセプトは首尾一環している。統一された「怪獣8号」の世界観はゲームでも徹底されており、原作へのリスペクトを節々から感じるほどだ。ゲームオリジナルのメインストーリーやオリジナルキャラクターたちも「怪獣8号」の世界観に合致しており、継続的なアップデートでその世界が広がっていくのは感慨深いものだ。
もともと「怪獣8号」が好きなプレイヤーと本作から「怪獣8号」に入るプレイヤーの両方が満足できる稀有なタイトルとして、存在感を放つ。実際のところ2025年8月から配信中の『怪獣8号 THE GAME』は好評を博しており、2026年2月にハーフアニバーサリーを記念したさまざまなゲーム内イベントが実施された。ハーフアニバーサリーのタイミングで新たな怪獣8号の姿もお披露目されており、最新の「怪獣8号」の情報に触れたいというユーザーの要望に応え続けている。そうした『怪獣8号 THE GAME』の良さを、本稿では主にキャラクターとストーリー面について言葉にしてお伝えしたい。

原作キャラと独自キャラの交流で琴線に触れるストーリー
正直に言って、私は「漫画、アニメ、ゲームが横並び」で「怪獣8号」の世界を表現することは難しいと考えていた。とりわけゲームオリジナルのキャラクターが登場し、彼らにスポットが置かれたオリジナルストーリーが展開されていくことに不安を覚えた。本編主人公の日比野カフカたちが蔑ろにされるかもしれないという不安があり、プレイするまでは「怪獣8号」のファンが納得できるようなストーリーにならないかもしれないおそれがあったからだ。しかし、それは杞憂だった。オリジナルキャラクターたちもまた己の抱える苦しみに葛藤しており、それを乗り越えていく成長劇が展開されていく。
原作キャラクターとゲームオリジナルのキャラクターが交流を経て成長していくのは、『怪獣8号』のキャラクターを題材にした群像劇として大きな見どころとなっている。怪獣から人々を守りたいという点で研鑽するオリジナルキャラクターは「怪獣8号」のキャラクターとして違和感なく、原作キャラクターとの交流によって共に教え導かれているように感じられるところがプレイヤーの琴線に触れる。お互いが影響し合って成長してより強くなっていくという展開は王道ながらも、プレイヤーに希望を与えてくれる。
ネタバレを避けつつ具体例を挙げるとすれば、亜白ミナと四ノ宮サガンの2人を軸に展開される隊長としての信条や生き様などが描写されるメインストーリー第33章が秀逸な出来栄えだった。これまでの四ノ宮サガンは優秀であるがゆえに自分ですべてを解決するような猪突猛進な戦い方をしていた。しかし、日本での訓練を経て仲間を頼ることの大切さに気づくことができたのである。それは冷静沈着な亜白ミナの影響が大きく感じられ、原作キャラクターからオリジナルキャラクターへの強さの継承がきちんと表現されていた。


ゲーム初のオリジナルキャラクターとして登場した四ノ宮サガンには、第44章以降もメインストーリーでも丁寧な描写が積み重ねられてきた。ロンドンが舞台となった第5章では四ノ宮サガンにとって仇敵ともいえる相手が登場し、一時は日本で学んだ冷静さを忘れそうになってしまう四ノ宮サガンの姿も描写される。その姿はまるで自分を犠牲に人々を守ろうかとしているようでもあり、イベントシーンを見ていて切なくなるものだった。
しかし、そうした安易な自己犠牲を「怪獣8号」のキャラクターたちは決して許さない。日本で一緒に訓練した四ノ宮サガンはもはや仲間であり、その優秀な能力と怪獣討伐への想いもほかのキャラクターたちは知っている。当初は日本で別動隊として活動していた亜白ミナもロンドンに参戦し、暴走しがちだった四ノ宮サガンを諌める。このように既存キャラクターとゲームオリジナルキャラクターの交流が丁寧であり、怪獣討伐という目的に向かって切磋琢磨して成長していく姿はプレイヤーの琴線に触れる。既存キャラクターがオリジナルキャラクターに寄り添うことで、オリジナルキャラクターも「怪獣8号」の世界に存在するのにふさわしいように感じられるのだ。


継続型ゲームならではのライブ感で描くキャラの精神的成長
四ノ宮サガンの例を挙げたが、メインストーリーの複数の章にわたって描写されていくキャラクターたちはプレイすればするほど愛着を持てるようになっている。四ノ宮サガンは周囲の助けによって少しずつ成長していくが、彼女の抱える葛藤はすぐに乗り越えられるものではない。だからこそ、長期間にわたってキャラクターが葛藤を乗り越えていく様子には、継続型ゲームならではのライブ感に満ちている。複数回のアップデートを経て配信されるメインストーリーのいくつもの章をプレイすることで、まるで現実のように着実にキャラクターが成長していく様子が感じられるのだ。
ライブ感といえば、ちょうどクリスマスの時期にクリスマスをテーマにしたメインストーリーを含むアップデートが配信されたのには度肝を抜かれた。メインストーリー第6章を丸々使ってクリスマスがみっちりと描かれた一方で、「日本最強のサンタ」を自称する鳴海弦が新性能でガチャに登場するなどインパクトは絶大だった。季節に応じたストーリーが展開されることで、『怪獣8号 THE GAME』と現実がつながっているかのような気持ちにさせてくれた。たとえ漫画が完結し、アニメが放映されない時期であっても、『怪獣8号 THE GAME』によって「怪獣8号」は続いているのだ。メインストーリーはフルボイスであるため、まるでアニメを観ているかのような感覚でゲームのイベントシーンを進められるのもありがたい。

怪獣から人々を守る組織に所属するキャラクターたちの信条だけでなく、さまざまな隊員同士と共闘可能な組織であることの強みも本作のストーリーでより鮮明になった。主人公の日比野カフカの所属する第33部隊はもちろん中心となるが、ゲームオリジナルキャラクターたちが所属する部隊「CLOZER」との連携して戦うシーンも数多く存在する。日本防衛隊と特殊部隊のCLOZERが連携することで、ロンドンやドバイといった世界の至るところで作戦が展開されるのが目新しい。新鮮さだけでなく、キャラクター同士や組織間の連携を含めてゲームで描かれる「怪獣8号」の規模が大きくなっていると感じる。
メインストーリーでは日本防衛隊のなかでも部隊同士が合同で何かをやるシーンも多いし、その後はチャットアプリのようなメッセージ機能によってキャラクター同士の他愛もない会話を読むことができる。怪獣から人々を守るために戦い続けるのが防衛隊員の宿命ではあるが、隊員同士がメッセージ同士で和気あいあいとしているのを読むのも新鮮だ。戦いの場を離れて日常生活を見せてくれることはファンが待ち望んでいたことでもあり、一種の清涼剤としてホッとできる部分となっている。
メッセージ機能は漫画やアニメでスポットの当たりにくかったキャラクターのことを、より深く知る絶好の材料となっている。たとえば、ゲームを進めると第2部隊と第3部隊の共同チャットグループが作成され、部隊の垣根を超えたキャラクターたちのメッセージのやり取りが見られる。こちらのチャットグループでは第22部隊の隊長である五十嵐ジュラがチャットグループにいる全員に訓練を命じたところ、第33部隊の隊長である亜白ミナが自分も訓練に参加させられることに驚いていたのが印象的だった。


原作振り返り機能や爆速デイリー消化でサブゲーム適性良き
アニメの第18話とリンクする形でゲームのオリジナルストーリーが始まり、本作ならではのメインストーリーが展開されている。メインストーリーの今後の展開が気になることはもちろんだが、ゲームのオリジナルストーリーに入る前の原作でお馴染みの展開も、「追憶ストーリー」として収録されているのが秀逸だ。また、特定のキャラクターにフォーカスしたキャラクターストーリーも収録されており、各人が戦いに臨む信条などを知ることが可能となっている。
バトルは『崩壊:スターレイル』と似たターン制コマンドバトルで直感的にプレイしやすいのも大きな特徴。一度クリアしたステージはスキップ可能で周回プレイが楽々でキャラクターが育成しやすく、いわゆる「日課」と呼ばれるようなデイリークエストは数分で完了する。忙しい平日はササッと日課を済ませて、休日にはガッツリとストーリーをクリアするといったプレイスタイルを採用することも可能だ。可処分時間の限られた現代人にとって、『怪獣8号 THE GAME』は、サブゲーム適性が極めて高いタイトルとなっている。


グラフィックがすばらしいのも本作の優れたところだ。本作のプロデューサーである藤田真也氏が以前のインタビューで明らかにしていたところによると、アニメ化より先にゲームの企画段階でグラフィックの3D化を行ったそうだ。そうした開発陣の熱意が込められたバトルシーンは質の高いグラフィックになっているし、漫画やアニメのようにキャラクターの動きにはメリハリが利いている。
原作ファンによる『怪獣8号 THE GAME』で新たなストーリーを知りたいという欲求に応えると同時に、これから詳しく「怪獣8号」を知りたいという人の欲求にも応えられるように作られた稀有な作品といえよう。プレイしていて感じるのは開発陣による原作へのリスペクトと、より「怪獣8号」のキャラクターや世界観を充実させようとする意欲。それは情熱的であり、ファンにとっては漫画、アニメ、ゲームの3つのメディアで「怪獣8号」を体験できるのは幸せといえるだろう。それは奇跡的なことといえるものであり、「怪獣8号」のそして『怪獣8号 THE GAME』のファンとして今後の展開にも期待したい。
『怪獣8号 THE GAME』は基本プレイ無料タイトルとして、PC(Steam)/iOS/Android向けに配信中。
Ⓒ防衛隊第3部隊 Ⓒ松本直也/集英社
ⒸAkatsuki Games Inc./TOHO CO., LTD./Production I.G
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


