ウォーゲーミングは5月26日、戦車系ヒーローシューター『World of Tanks: HEAT』の配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam/Wargaming Game Center)/PS5/Xbox Series X|Sで、基本プレイ無料(一部有料アイテムあり)にて提供されている。

本作は、同社が提供する『World of Tanks』の戦車戦に、ヒーローシューター的なスキルの要素を融合したサードパーソンシューターだ。ハードポイント、コンクエストなど4種類のルールで、最大10対10の対戦が楽しめる。

基本無料、有料問わず様々なTPSがサービス中の現在において、それを戦車でやるおもしろさはどこにあるのか。本稿では、プレイを重ねるうちに見えてきた『World of Tanks: HEAT』の内容についてお届けする。

砲弾!ドローン!ナパーム!アビリティー飛び交う白熱の戦場

まずは本作の基本ルールについて説明しよう。現在実装されているゲームモードは陣地を確保してそのポイントを競い合う形式の「ハードポイント」「コントロール」「コンクエスト」の3種類と、敵を撃破した際に落ちるトークンを集め合う「キル・コンファーム」を合わせた計4種類。キル/デスが直接的に勝敗に絡まないオブジェクトルールが中心となっている。

プレイヤーは8人いる「エージェント」の中からひとりを選びプレイする。各エージェントには搭乗できる戦車が1~2種類用意されており、エージェントの持つ特性と、アルティメットスキルに相当する「究極アビリティー」に、戦車が持つアビリティーを組み合わせて戦う。

エージェントと戦車は「アタッカー」「ディフェンダー」「スナイパー」の3つのロールに分類されており、役割に応じて前線に出るか、遠距離からダメージを出すかを判断しながら戦うことが求められる。戦闘中のエージェント変更はできないため、自分の好みのプレイスタイルで出撃するといいだろう。

ちなみに筆者のおすすめはエージェント「チョッパー」と「M1E1」戦車の組み合わせだ。この組み合わせはディフェンダーロールに分類されていて、スキル「アクティブ防護システム」によりゲーム内でも最高クラスの生存能力を誇る。本作のゲームモードでは4種類中3種類がポイントに進入して占領することを勝利条件としているため、生存能力を活かして多少無理やりにでもポイントに干渉できるのは大きな強みだ。

World of Tanks: HEAT_20260528180349

本作の戦車はディフェンダーロールでなくとも、どれもデカイ、硬い、動きが遅い、の3拍子揃った(?)性能だ。本作をプレイしてみれば、戦車がゲーム用語としての「Tank」の由来となっている理由をまざまざと感じられるだろう。ただでさえ体力が高いうえに、砲弾は基本的に1発ずつ撃って毎回装填する必要があるため、必然的にキルタイムが非常に長いゲームバランスとなっている。正面から1vs1で撃ち合った場合、敵を倒すまで数十秒かかることもざらだ。

そのため重要となってくるのが仲間との連携だ。現実の戦車もそうだが、もっとも被弾しやすい正面装甲は厚く、次いで側面、上部や背面、底面の順に装甲は薄くなっていく。当然ながら正面切って撃ち合うよりも、側面から援護射撃を入れた方が勝ちやすい。敵味方の位置関係を常に頭に入れて、側面を突ける位置取りをキ-プすることが重要で、エイム力以上に立ち回りの理解度が重要なゲームだと感じた。

とはいえエイム力がいらないゲームではない。各車両にはそれぞれ燃料タンクやエンジンなど弱点となる機関が設定されており、ここに命中させることで大ダメージを与えることができるのだ。弱点機関は車体の向きや角度によって撃たなければいけない位置が毎回微妙に異なるため、どう撃つかを考えながら狙う必要がある。マトがでかいので当てるだけなら簡単だが、“効かせる”射撃をしたいなら正確なエイムが必要なのは、本作ならではのおもしろさだ。

奥深くもわかりやすいシステムで、誰でも気軽に戦車戦

本作は戦車による重厚な地上戦をメインとしながら、遊びやすくカジュアルにチューニングされている点が特徴だ。本家『World of Tanks』では技術ツリーでの戦車開発や資金繰りなど、成長と経済の要素が盛り込まれていたが、本作にはそれはなく、シンプルなシューティングとして気楽に遊ぶことができる。

ゲームルールのほとんどで、キル/デスが直接的に勝敗に関わらない点もプレイヤーとしては気が楽だ。また「ヒーラー」が存在せず、ダメージは各自「修理キット」などの装備品で回復するシステムなのも、ヒーローシューターとしては特殊な方だろう。戦車ごとにロールは設定されているものの、役割が厳密化されているわけではないので、いい意味で個人の責任が薄く、遊びやすく感じた。

戦車同士の戦いをわかりやすくする工夫もされている。戦車は外部の装甲に傷をつけただけでは有効打にならず、装甲を貫通させて内部機関を破壊しなければいけないわけだが、装甲を貫通できるかはこちらの砲弾の貫通力と、相手車両の装甲、さらには弾丸の入射角度や速度なども関係し、素人では到底なにが有効打となるかを判別することはできない。

本作ではこのむずかしさを簡略化するため、敵に照準サークル(レティクル)を合わせた際の色で、砲弾が貫通できるかどうかが分かるようになっている。緑色は貫通可能、黄色は貫通の可能性があるがダメージは減少、赤色は貫通不可を意味していて、慣れれば非常にわかりやすい。このガイドに頼ることで、戦車知識がなくとも活躍することが可能だ。

レベルアップで戦車をカスタマイズ。自分だけの相棒を組み上げろ

本作では複雑な要素を簡略化してカジュアルに遊べるようにする一方で、やりこめる要素もしっかりと用意されている。そのひとつがエージェントと戦車のアンロック要素だ。エージェントと戦車にはそれぞれレベルがあり、バトルで活躍してExpを得ることでレベルアップしていく。

エージェントは特定のレベルに到達すると、スキル・ポイントを獲得し、エージェント・スキルをアンロックすることができる。エージェント・スキルは試合前にセットしておいて、試合中に一定値までスコアを貯めると発動する、いわゆるキルストリークのような要素だ。ダメージを上昇させる、砲塔の旋回速度を上げるなどの強化を得られるが、撃破されるとスコアは減少してしまうため、なるべくやられないような立ち回りが求められる。

戦車はレベルアップすると車両の改造パーツが解放される。レベルに応じてパーツを装備できる箇所やパーツの種類が増えていくため、エージェント・スキルと合わせて、ある程度のビルド構築のような面白さも味わえる。また数百円程度相当の有償通貨が必要となるが、戦車から戦車へEXPを移行させる機能もあるため、アンロック作業のために慣れない戦車を使い続ける必要がない点は、ユーザーフレンドリーで好印象だ。お気に入りの戦車を使い倒して、自分だけのカスタマイズを見つけるのも面白いだろう。

機能面だけでなく、コスメティック要素も豊富で、多種多様なスキンとチャームが用意されているのはうれしいところだ。戦車だけあって迷彩柄が多めだが、敵に隠れて襲撃するようなゲーム性でもないので、いっそのことド派手な塗装で存在感をアピールするのもいいかもしれない。

以上、『World of Tanks: HEAT』の魅力をお届けした。戦車戦のおもしろさや駆け引きはそのままに、だれでも気軽に始められるカジュアルさを兼ね備えた作品となっている。

現在はバトルパスの「シーズン0」が開催中。ゲームをプレイするだけで5輌の戦車が無料でアンロックできるほか、スキンやEXPブースターなど豪華な報酬が手に入るため、気になった方はぜひこの機会に初めてみてほしい。

World of Tanks: HEAT』は、PC(Steam/Wargaming Game Center)/PS5/Xbox Series X|S向けに基本プレイ無料(一部有料アイテムあり)にて配信中だ。

この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。

Junichi Matsuiのアバター