反発寄せられた『Party Animals』の“生成AI製動画コンテスト”、一転して開催中止に。「参加ハードルを下げる」つもりだったけど、性急すぎた

Recreate Gamesは『Party Animals』における、ユーザー作成のAI動画コンテスト「Golden Paw Awards」を中止すると発表。コミュニティより相次ぐ批判を受けての対応となる。

デベロッパーのRecreate Gamesは『Party Animals』に関して開催していたユーザー作成のAI動画コンテスト「Golden Paw Awards」を正式に中止すると発表した。Xでは本作公式アカウントから謝罪の投稿がおこなわれている。

『Party Animals』は、二足歩行の動物となってプレイする乱闘マルチプレイゲームだ。本作には物理演算が採用されており、行動するたびに動物たちがふにゃふにゃと動くのが特徴。ぐだぐだな乱戦が展開される中では、気絶、あるいは体力が尽きるとその場に脱力して倒れ込む点なども笑いを誘う、愉快なパーティーゲームとなっている。

本作ではプレイアブルキャラクターとして犬や猫だけでなく、龍やコラボキャラクターなど数十種類の動物から選択可能。スキンとしてそれぞれに異なる衣装も用意されている。ゲームの流れとしては、さまざまなフィールドを舞台に、最大8人が参加してバトルロイヤルやチーム戦を繰り広げる。フィールドには武器やアイテムが落ちており、さまざまな戦略で戦えるほか、ステージに設置されたギミックを活用して生き残りを図ったりしていくことになる。

本作については5月13日、開発元のRecreate Gamesが「Golden Paw Awards」としてコミュニティコンテンツを募るコンテストを開催すると発表(関連記事)。同コンテストでは『Party Animals』のIPを活かしたAI生成した動画を募集の対象としており、入賞者にはトロフィーや賞金が授与されると伝えられていた。

しかし同コンテストにて「生成AI製」に応募対象を絞ったこと、またエンゲージメント上位の作品の投稿者に賞金が授与される点などが、「クリエイター支援ではなく生成AIに金銭を費やしている」として一部ユーザーの反感を買っていた。生成AI製コンテンツは、学習データの権利やクオリティの問題で議論を呼んでいるうえ、クリエイターの雇用を奪い、ゲーム業界を衰退させるという意見も存在。近年では生成AIに起因した大量の電力消費やDRAM不足なども問題視されている背景があり、「Golden Paw Awards」も“生成AIを支援している”として批判を浴びていたわけだ。

そんな中、Recreate Gamesは5月19日、「Golden Paw Awards」の開催中止を発表した。同コンテストについては批判が大量に寄せられた後、X上にてユーザーに開催の是非を問うアンケートを実施しており、結果はコンテスト中止が過半数を突破していた。ユーザーの声を受けて、開催中止に踏み切ったのだろう。

声明では、当初は多様なクリエイティブ表現を奨励し、参加ハードルを下げることを意図して、「AI使用」を条件に含めたのだという。その結果として、現在生成AIに関しておこなわれている議論や、プレイヤー/クリエイターのコミュニティに与える、潜在的な不快感や害を見落としていたとのこと。また今後コミュニティ向けイベントを実施する際には、フィードバックに耳を傾け、合意形成されたことを確認してから実施の可否を決定するとの方針も示した。

本作は賑やかに遊べるパーティーゲームとして、連日4000~5000人ほどのプレイヤーが集う人気タイトルだ。しかしプレイヤーベースとしては、最盛期の1割程度の水準となっており、リリース初期ほどの勢いは見られなくなっている(SteamDB)。そうした状況下では、コミュニティにさらなる活気を取り戻す意味合いもあったものと思われる。一方で生成AI製のコンテンツを取り扱うことについてはさまざまな観点より批判を受け、このたびついに中止が決定されたかたち。今後Recreate Gamesによるコミュニティイベントが開催されていくのかといった動向については、引き続き注目されるところだ。

『Party Animals』は、PC(Steam)/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中だ。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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