KRAFTON、「社内出生数」がなんと前年比2倍になったと発表。“1000万円超え支援金”のほか、たっぷり充実制度でスタッフも“働きつつの出産”に前向き傾向

KRAFTONは5月14日、2026年の1月から4月にかけて従業員に生まれた子どもが46人となり、前年同期比で約2倍になったと発表。同社が打ち出している出産・育児支援が功を奏しているようだ。

パブリッシャーのKRAFTONは5月14日、2026年の1月から4月にかけて従業員に生まれた子どもが46人となり、前年同期比で約2倍になったと発表した。

KRAFTONは、韓国に本社を置くゲームパブリッシャーである。アメリカ、中国、ヨーロッパ、インド、日本にも拠点を置き、多くのゲーム開発スタジオを傘下に持つ。『PUBG: BATTLEGROUNDS』で知られるPUBG STUDIOSや、発売直後から目覚ましいヒットを記録した『Subnautica 2』などを手がけるUnknown Worlds Entertainment、AIがプレイヤーに成り代わる協力型サバイバルホラー『ミメシス(Mimesis)』を手がけたReLU Gamesなどを擁する、世界的なパブリッシャーだ。

『PUBG: BATTLEGROUNDS』

そんなKRAFTONは5月14日、2025年2月に導入した出産・子育て支援制度の1年間の成果を発表した。支援制度の内容としては、従業員に新たな子どもが生まれた際1人につき最大1億ウォン(約1060万円、レートは記事執筆時点)の支給、育児休業期間を最大2年まで延長、その間の代替人材採用の自動化など、仕事と家庭を両立するために必要な金銭的・非金銭的な支援が幅広くおこなわれるとされる。制度の導入後、KRAFTON社内の出生数は顕著に増加したという。1月から4月にかけての出生数は、2024年で21人、2025年は23人であるのに対し、2026年では46人と大幅に増加。過去2年と比較して約2倍ほどの水準となっている。

こうした制度の導入と並行してKRAFTONは、ソウル大学人口政策研究センターと協力して、制度がどのように効果をもたらしたのか分析する研究もおこなっている。アンケート調査に基づく分析によれば、金銭的な支援は出産を後押しするよりも、少子高齢化という社会問題に対して企業が真摯に取り組んでいるというイメージを強める効果があったという。

出産に直接影響を与えたのは、むしろ非金銭的支援だったようだ。内容としては、子どもの世話をできるかたちでの在宅勤務、育児休業期間の延長、配偶者の妊娠期の産前検査休暇制度、代替人材の採用、復職者の心理相談支援などが挙げられる。こうした手厚い制度のもとで、出産そのものに対するイメージも肯定的なものに変わっていったとのこと。

『inZOI』

なお、こうした出産・子育て支援制度を設ける企業は韓国国内で相次いでいる。まず2021年に、大手住宅建設会社のブヨン(富栄)グループが他の企業に先駆けて、1億ウォンの子育て支援金支給をおこなうと発表。実際に小幅ながら出生率が上昇したとして話題となった(Bloomberg)。その後、2024年にこうした支援金に対する税制が見直され、出産から2年以内に支給された子育て支援金は非課税となった(韓国財政経済部)。その結果、大企業を中心に多くの企業が後を追うように手厚い出産・子育て支援制度を設ける流れが生まれている。KRAFTONもそのうちの1社というわけだ。

実は、国家データ処によると韓国の2025年の合計特殊出生率は0.8とのこと。同年で1.13前後と試算されている日本や、約1.62とされるアメリカなど、少子化に悩んでいる国の中でも特に深刻な状況にある。とはいえ、韓国国内の2023年の合計特殊出生率は0.72、2024年には0.75だったことを踏まえれば増加傾向に転じており、先述のような企業の取り組みや税制見直しが着実に成果を上げているものと思われる。

少子高齢化は「先進国病」とも称される、世界各国で進んでいる社会問題のひとつである。なんとかそれに歯止めをかけようと各国でさまざまな取り組みがなされているが、1億ウォンもの多額の子育て支援金を含む手厚い制度を、ゲームパブリッシャーがおこない、かつそれが一定の成果を収めている点は興味深い。こうした取り組みが国境を越え、今後世界のゲーム業界にまで広まっていくかどうかにも注目したい。

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Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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