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ゲーム業界では「高齢ゲーマーが増えてるのに誰も狙っていない」とのアナリスト分析。高齢化進む中、開拓の余地ありな“新ターゲット層”
ゲーム業界では高齢者層をターゲットとして重視するべきとの考えが議論を呼んでいる。

日本など先進国を中心に、多くの国で高齢化が進んでいる現代において、高齢ゲーマーが増加していくとの予測が存在する。そうした情勢の中では、高齢者層をターゲットとして重視するべきとの考えが議論を呼んでいる。GamesIndustry.bizが業界人への取材をもとに伝えている。
北欧最大のゲーム業界カンファレンス「Nordic Game 2026」にて、市場分析会社Newzooの市場情報ディレクターであるEmmanuel Rosier氏が登壇。同氏は、退職者がより多くのお金を持っている一方で、どこも退職者に向けたゲームを作ってはいないとの見解を示した。
高齢化は日本でも深刻な問題となっており、総務省が発表したデータによると、2025年には65歳以上の人口は3619万人で、総人口に占める割合は29.4%となっている。2005年の調査では65歳以上の人口が2576万人で、総人口に占める割合は20.2%であったことを踏まえると、高齢化が急激に加速していることが分かる。

なおこうした傾向の中では、高齢ゲーマーも増加していると考えられている。市場分析会社Ampere AnalysisがGamesIndustry.bizに提供したデータによると、2024年には英国にて55歳以上のゲーマーが約653万人いるといい、この値は2031年までに732万人にまで増加すると見積もられているとのこと。国家統計局の最新の調査に基づく2024年のデータでは、55歳以上の人口はおよそ2200万人。すなわち英国における高齢者層でもおよそ3人に1人程度の割合でゲームを遊んでいるということになる。
こうした状況に対して、市場分析会社AldoraのCEOを務めるJoost van Dreunen氏は、ゲーム業界では高齢者層に焦点をあてなければならないと警鐘を鳴らしている。高齢ゲーマーをないがしろにするのは、かつて女性ゲーマーの存在を認知するまでに数十年を要したのと同様の状況だと説明。Dreunen氏は、ゲーム業界が40年間にわたって同じ狭い範囲の顧客層だけをターゲットにする“安全な賭け(safest bet)”をおこなってきたと表現した。また同氏は例として米国の40歳以上の層を挙げており、そこに属する人々は可処分所得がもっとも高く、ゲームに関する知識も豊富、そしてブランドへの忠誠心も高いとして、業界にとってのチャンスが眠っているとの考えを示した。

一方で、高齢者層をターゲットにする上で、考慮すべき点は多数あるようだ。Nightdive Studiosの元事業開発バイスプレジデントLarry Kuperman氏は、高齢ゲーマーがハイスペックなPCや次世代ゲーム機でプレイする可能性は低い一方で、広範な機器向けに展開されている『Roblox』のようなプラットフォームが浸透するとは思えないと述べ、コージーゲームやカジュアルゲーム、レトロゲームといったカテゴリーに行き着くのではないかとの考えを示した。また高齢者層がよく知るブランドやIPを再興するチャンスもあると述べている。
ほかにも、Cryptic StudiosのCEOであるJack Emmert氏は、ゲームを高齢者の能力や好みにあわせてデザインする必要があると語る。同氏は、反射神経が要求されるゲームを長時間遊ぶことが難しいといった、高齢者がもつニーズを踏まえた設計が求められるとしている。そして、現代のゲーム開発者が若年層を中心に構成されていることもあり、50歳以上のゲームデザイナーが少ないことも、高齢者をターゲットとした業界の発展が阻害されている原因であると分析している。
今日では活発にゲームをプレイする高齢ゲーマーの存在がたびたび話題となっており、直近では『バイオハザード レクイエム』を冷静沈着にプレイする91歳の杨炳林氏や、『マインクラフト』の実況プレイが注目を集めたGrammaCrackersことMamie氏らも記憶に新しい(関連記事1、関連記事2)。前述したKuperman氏の分析とは対照的に、話題作をプレイするような高齢者もいるわけだ。デジタルネイティブな現代の若年層が年齢を重ねる頃にはそうした傾向はさらに強まるとみられ、高齢ゲーマーを重視したゲームづくりの意味も変化していく可能性はあるだろう。

ところで、ゲーム市場の傾向としては、2025年は予想を上回る成長を遂げたとの見方が強く、Newzooの調べでは同年の市場規模は1970億ドル(約31兆円)で前年比7.5%の増加という結果となっていた(関連記事)。特に英国では、パンデミック下にあった2020年以来の成長率となったことも伝えられている(ERA)。一方で、ゲーム会社でのレイオフが相次いで報じられるなど、決して未来が明るいとは言いきれないのが現実。今後の成長の鍵となるのは、高齢者層をはじめとする新たなゲーマー層の開拓なのかもしれない。
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