『ショベルナイト』開発者、「クラファンのストレッチゴールを盛りすぎて“長年ずっと無料DLC開発”だった」と反省。学びを活かし、新作『Mina the Hollower』では“無料DLCなし”に

Yacht Club GamesのプログラマーであるDavid D'Angelo氏によれば、『Mina the Hollower』において無料ダウンロードコンテンツ(DLC)の配信予定は無いという。

デベロッパーのYacht Club Gamesは、5月29日より発売中の『Mina the Hollower』において無料ダウンロードコンテンツ(DLC)の配信予定は無いと明言した。海外メディアKotakuのインタビューによれば、前作品の『ショベルナイト』のクラウドファンディングで、ストレッチゴールを盛りすぎた反省からだという。

『Mina the Hollower』は、2D見下ろし視点のアクションアドベンチャーゲームだ。スパーク生成装置を発明した技術者で、「ホロワー」と呼ばれる穴掘り師でもあるネズミの「ミナ」が、呪われた「テナブラス島」を救うため、決死のミッションに挑む。5月29日より、PC(Steam/GOG.com)/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|Sで発売中。日本語表示に対応している。

『Mina the Hollower』
『ショベルナイト』

そして『ショベルナイト』は『Mina the Hollower』の前にYacht Club Gamesが制作した横スクロールの2Dアクションゲームである。世界の破滅を目論む「エンチャントレス」と配下の「ボクメツ騎士団」を討伐するため、ショベル型の武器「ショベルブレード」を扱う騎士「ショベルナイト」が立ち上がるというストーリーが展開された。

『ショベルナイト』は2014年6月にPC(Steam)で発売されたのち、Wii U、ニンテンドー3DS、PS3などのプラットフォーム向けにも展開された。日本では2016年に任天堂からWii U、ニンテンドー3DS版(公式サイト)のほか、専用amiiboも発売。その後、2017年以降にPS4Nintendo Switch版も展開されている。

そんな『ショベルナイト』は、クラウドファンディングサイトKickstarterでの資金調達の成功を契機に制作されたゲームでもあった。クラウドファンディングのキャンペーンは2013年3月15日から同年4月14日まで実施され、目標金額は7万5000ドル(約1200万円・以下それぞれ現在のレート)。その初期目標を達成した後の追加の目標となる「ストレッチゴール」も複数設定され、ミュージックプレイヤー機能、ニューゲーム+、ボクメツ騎士団の騎士(ボスキャラクター)たちを操作するモード、性別変更機能、4人対戦モードといった計12の項目が用意された。

『ショベルナイト』

最終的に目標金額の4倍超となる31万1502ドル(約5000万円)の資金が集まったことで、ストレッチゴールはすべて達成。製品版に組み込まれると同時に、ボクメツ騎士団の騎士たちを操作するモードなどの一部は無料DLCとして、発売後のアップデートを通すかたちで提供された。だがYacht Club GamesのプログラマーであるDavid D’Angelo氏によれば、主にボクメツ騎士団の騎士たちを操作するモードは、当初は多少のアレンジを加えたコンパクトなものにする想定だったとのこと。実際に制作を進めていく内に構想が雪だるま式に膨らんでいき、最終的にはほとんど新作も同然な大規模なゲームモードへと発展してしまったという。

一連のDLCを作る関係から、Yacht Club Gamesは『ショベルナイト』に長期間拘束されることにもなり、最後の「キングオブカード」「ショウダウン」のモード追加を図るアップデートが配信されたころには、製品版の発売から5年が経過。その後も不具合修正などに対応しなければならなかったことから、次回作である『Mina the Hollower』の制作着手も大幅に遅れてしまったようだ。

なお『Mina the Hollower』も『ショベルナイト』と同じく、Kickstarterでのクラウドファンディングキャンペーンが2022年2月2日から同年3月3日まで実施され、最終的に123万9584ドル(約2億円)の資金調達に成功している。ストレッチゴールも設定されていたが、『ショベルナイト』のような新たなゲームモードはひとつもなく、小規模な機能などの追加に留められている。D’Angelo氏いわく「中身がはっきりしないような約束はしたくなかった」とのことで、具体的かつ実現可能な要素を設定することを徹底したようだ。

『Mina the Hollower』

ストレッチゴールを必要以上に設定しすぎた結果、開発チームが長期間、追加コンテンツ制作に拘束されてしまうという事例は『ショベルナイト』だけではないだろう。主に小規模なインディースタジオの場合、次回作の制作に着手する時間を大きく後ろ倒ししてしまうリスクがある。今回の『Mina the Hollower』のストレッチゴール設定には、Yacht Club Gamesが身をもって知った学びが活かされているのだろう。

なお、「無料大型DLC」の配信は予定されていないが、D’Angelo氏によれば『Mina the Hollower』に向けては複数回のアップデート予定もあるという。また続編に関しては非常に明確なアイディアを持っているとのこと。『Mina the Hollower』は『ショベルナイト』と同じスタジオの看板タイトルであり、今後も続けていきたいともコメントしていることから、将来的な続編に関しては期待が持てそうだ。

『Mina the Hollower』はPC(Steam/GOG.com)/Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中。

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シェループ
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2D&3Dアクションと手ごわいストラテジーが大好物の人。積みゲーが一向に減っていかない呪いに悩まされています。

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