「ブロックが三角柱の『マインクラフト』」を作った人あらわる。置く向きから当たり判定まで、“脱四角”による難題次々

『マインクラフト』の世界が立方体のブロックで構成されているのに対して、本作では三角柱のプリズム(ブロック)が採用されているのが特徴。

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開発者のLAirHisson氏は9月2日、『PrismCraft』を無料公開した。ブロックが三角形の『マインクラフト』風のゲームを自作したという。対応プラットフォームはPC(itch.io)。

『PrismCraft』は、『マインクラフト』に影響を受けたクラフトゲームだ。『マインクラフト』の世界が立方体のブロックで構成されているのに対して、本作では三角柱のプリズム(ブロック)が採用されているのが特徴。なお、公開されたバージョンでは『マイクラフト』のテクスチャは一切使用されていない。

本作にてプレイヤーは、底面が三角形のブロックを基本単位としたボクセルワールドにて、移動やブロックの破壊と設置など『マインクラフト』の基本的なゲームプレイを体験できる。三角形のブロックをグリッド状に綺麗に配置できることが特徴となっている。UIも三角形で表現されており、Eキーで開くインベントリでは、木から板や砂からガラスを作り出すといったことも可能。F5キーで三人称視点に切り替えると、キャラクターも三角形で再現されていることが確認できる。Tabキーではサバイバルモードとクラフトモードを切り替えることができ、三角形の世界で思う存分に建築を楽しめる。

本作を手がけるLAirHisson氏は、フランスを拠点とするYouTuber兼開発者だ。主に『マインクラフト』などのボクセルゲーム向けのModを制作し、動画として紹介している。同氏は10年以上『マインクラフト』をプレイしてきて、世界やキャラクターが立方体のブロックで構成されていることに疑問を抱いたという。そこで三角形の『マインクラフト』を自作することに挑戦したそうだ。

三角柱(プリズム)の採用

同氏はWeb開発で慣れていたJavaScriptにて開発に着手。まずは技術デモとして3D空間に立方体のブロックを一つ配置。そこに一人称視点のカメラ制御と移動制御を組み込み、基本的な操作性を再現した。

そして重要となるのが三角形の「形」だ。3Dブロックとしての三角形には、正三角形4面の正四面体や、立方体を真上から斜めに切断する直角三角柱などさまざまな形が存在する。LAirHisson氏は、底面が正三角形で側面が正方形となる三角柱「プリズム」を採用。『マインクラフト』における「ブロックの積み上げ」を実現しつつ、三角形の世界を構築するには、プリズム形状が最適と判断したという。

この段階では、空間のどこにでもプリズムを配置できるため、配置をグリッド状にスナップするよう「三角グリッド」の構築に移行。しかし、ここで大きな問題が発生する。『マインクラフト』のグリッドは正方形のため、ブロックをグリッドにスナップすればどこまでも綺麗に並べることができる。しかし、三角グリッドには「向き」が存在。単純にグリッドにスナップするようコーディングしただけでは、プリズムが毎回同じ向きに配置され隙間なく埋めることができない。LAirHisson氏は、上向きと下向きを交互に並べる処理に悩まされ、プロジェクトを作り直す決断を下すこととなる。

「向き」が存在する三角グリッド

二度目の開発では、最初にグリッドシステムを構築。上向きと下向きでグリッドを区別し、ブロックをスナップ配置する際に適切に回転する処理を追加することで、三角グリッド状にブロックを敷き詰めることが可能となった。さらに高さの概念を追加し、積み上げも可能に。この再構築によって、三角柱が綺麗に並ぶ仕組みが完成したわけだ。

その後は、世界の作り込みに移行。当初は『マインクラフト』用のテクスチャを利用していたところ、三角形では正確に表示されずに見栄えが悪いものもあっため、三角形に合わせた専用のテクスチャを作成する。地形や池、木などの生成をパラメーターで変更できるツールを用意し、世界の密度を調整。こうして三角形の世界が形作られていく。そのままでは読み込みが重いため、600×600のチャンクで区切ることで軽量化を図っているという。

とはいえ、世界があるだけでは『マインクラフト』とはいえないだろう。ブロックを破壊すると素材が手に入る仕組みを作り、その素材を確認するUIも三角形で作成。木材から板を作る仕組みなども実装された。

三角世界にあわせたキャラクター

最後に、プレイヤーキャラクターの実装だ。『マインクラフト』ではキャラクターの衝突判定は長方形となっており、そのままこの世界に持ってくると不都合が生じる。たとえば下に穴を掘ると穴も三角形となるため、長方形の衝突判定では直感的に落ちることができない。そこで、三角グリッドで検討した結果、六角形の衝突判定を採用。これにより、三角ブロックと違和感なく接触できるようになっている。

あわせてキャラクターモデルも作成。一人称視点の腕および三人称視点の全身も三角形で作成し、アニメーションもつけていく。また、ほかのYouTuberにプレイしてもらうことが目的として、『マインクラフト向けの』既存のキャラクターのテクスチャを、三角キャラクター用に変換する仕組みも用意。メニューインターフェースやアイテムカウンターなど足りない機能を追加することで、本作の公開バージョンが完成した。

『マインクラフト』のブロックを三角に置き換えるという発想自体はシンプル。しかし、それをプレイ可能なゲームとして再現するには、形の選定、向きの管理、キャラクターの衝突判定に至るまでさまざまな問題が存在し、前例もないだろう。LAirHisson氏は開発に際して、一部Web上の文献やClaudeといったAIも活用しているものの、『マインクラフト』風の三角世界をほぼゼロから構築したことは驚異的と言えるだろう。現時点ではバージョン0.3となっており、今後もアップデートされていくようだ。『マインクラフト』では不可能な、三角形や六角形の建築に興味のある方はプレイしてはいかがだろうか。

『PrismCraft』は、PC(itch.io)にて無料公開中。PCブラウザからもプレイ可能だ。なお、日本語には対応していない。

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Kousetsu Taguchi
Kousetsu Taguchi

レトロゲームショップに入ると真っ先にセガサターンのコーナーを確認するタイプです。

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