巨大化ネコと少女の美麗旅ゲーム『Ylem’s Cat』は「ほぼ全員ネコを飼ってる開発チーム」が放つ、ネコの手借りまくりゲーム。目指すのは『The Outer Wilds』の“あの感覚”

『Ylem's Cat』は『アウター・ワイルズ』や『TUNIC』といったタイトルからインスピレーションを受けているという「知識アンロック型」アクションADVだ。

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人間と猫が共に冒険する物語は決して珍しくない。ゲームプレイやナラティブの面で限界を突破し、自らの理念を表現しようとする開発チームも後を絶たないが、ダイヤモンドキャットスタジオによる『Ylem’s Cat(伊始之猫)』もまさにそんな意欲作のひとつだ。

今回筆者は「Bilibili Game First Look」でこの知識アンロック型アクションアドベンチャーのプロローグ部分をプレイする機会に恵まれた。

買い切り型のシングルプレイゲームとして開発されている本作は、『アウター・ワイルズ(The Outer Wilds)』や『TUNIC』といったタイトルからインスピレーションを受けているという。「知識アンロック型」のパズルギミックと、多様なビルド構築が可能な戦闘システムを融合させているのが特徴だ。本作が描き出すのは、少女と猫が真理を探求する謎解きの旅である。なぜ世界は凋落しつつあるのか?三大巨人はなぜ沈黙しているのか?何年も前に旅立った母親の行方は?そして、昼夜を問わず行動を共にするこの「猫」の正体は一体何なのか?さまざまな謎をプレイヤーに突き付ける。

当然ながら、今回の試遊版でこれらの核心が明かされることはなく、あくまで戦闘と謎解き体験にフォーカスした内容となっていた。主人公の少女「ジャスミン」と猫の「ミオ」は、ふたり1組で連携するバトルシステムを形成している。それぞれが攻撃できるのはもちろん、ジャスミンのコンボにミオの連携攻撃を組み込むことも可能だ。これにより多彩な戦闘スタイルが派生し、猫と少女の両者に独自の成長システムが用意されている。

まずは猫の「ミオ」について解説しよう。ミオは「大猫」「中猫」「小猫」という3つの形態に切り替えることが可能だ。大猫はマウントとして機能するだけでなく、巨大生物のように広範囲を薙ぎ払い、敵の行動を妨害するスキルを持っている。試遊版の段階ではジャスミンに空中コンボが実装されていなかったため、遠距離からの弓射撃を除けば、大猫を使って空中の敵を「叩き落とす」戦法が非常に実用的であった。

中猫は、より機敏なサポートパートナーといった立ち位置だ。戦闘中にはコンボの追撃やパリィをアシストし、ジャスミンが吹き飛ばされた際の「受身」まで助けてくれる。さらに、中猫形態はフィールドの謎解きにおいても大いに活躍する。たとえば、ジャスミンが弓を引くと光線が放たれるのだが、猫の習性として光の点を追いかける性質を利用し、狭い隙間をくぐらせてギミックを踏ませることが可能だ。また、凍った壁の裏側に回り込ませてから素早くミオを「手元に戻す」ことで、壁を内側からぶち破らせるといったアクションもできる。ちなみに、脆い木の壁であれば、ワンボタンで大猫を召喚して直接粉砕することも可能だ。

小猫形態はジャスミンのフードの中にすっぽりと収まっており、大猫と中猫を切り替える際の中間形態にあたる。猫を手元に戻すことでスタミナを回復させることができる。現状の試遊版では小猫単体のスキルツリーは確認できなかったが、プロデューサーによると、小猫はどちらかというと「マスコット」的な存在のようだ。

「ふたりでの連携バトル」と銘打たれてはいるものの、試遊を通じて、実は猫単体に戦わせる“召喚獣指揮”のようなプレイスタイルも可能であることが判明した。プロデューサー曰く、そうした遊び方もプレイヤーに奨励しているという。プレイヤーのアクションスキルは千差万別であり、猫目当てでプレイする非コアゲーマーの中には戦闘を苦手とする人もいるだろう。そのため、ジャスミンを遠くに避難させて「観戦」するのも一つの立派なプレイスタイルなのだ。ただし、ミオには黄色の円形スタミナゲージが存在するため、スタミナ消費に気を配り、適宜手元に戻して回復させるリソース管理は必須となる。

ジャスミンの武器は「近接戦闘もこなせる弓」だ。近接モードでは「弱攻撃」と「強攻撃」という2系統のスキルツリーが存在し、そこに進化可能な遠距離射撃とミオの連携攻撃が加わることで、アクションゲームとしての確かな奥深さが感じられる。

弱攻撃はRBボタン(Xboxコントローラー基準、以下のボタン表記も同様)の連打によるスピーディな通常攻撃で、初期段階の進化を経ると、高速接近やコンボ中のスーパーアーマーといった効果が追加される。実際にプレイした感触としては、回避アクションを絡めたコンボの繋がりが非常に心地よかった。回避自体にも専用のスキルツリーがあり、無敵時間が発生する「ジャスト回避」や、回避後も現在のコンボ段数を保存できる実用的なスキルを獲得できる。

強攻撃の核となるのは、RBボタン長押しからのチャージによる高火力コンボだ。スキルを進化させれば、ボタンを離すタイミングを見極める「ジャスト強攻撃」や、スーパーアーマー効果などが派生する。試遊版では解放されているスキルが少なかったため、強攻撃が最終的にどこまで成長するのかはまだ分からない。

そして「遠距離射撃」は、本作でもっともお手軽な攻撃手段と言っていいだろう。連射やチャージ、ホーミング機能まで備わっており、初期進化でスーパーアーマーやスローモーション効果が追加され、ダメージ量も申し分ない。これは開発チームが意図的に用意した“アクションが苦手なプレイヤーへの救済措置”のように感じられた。前衛での肉弾戦を猫に任せ、自分は隅っこからひたすらチクチクと弓を射るという戦法も大いにアリだ。

現状、各スキルツリーのスキルは2〜4個程度しか解放されていなかったが、試遊版のボリュームとしては十分に事足りていた。遭遇した敵は擬人化されたセンチネルと、1体のボス、1体の隠しボスの組み合わせのみ。2体のボスの詳細は情報解禁の都合で明かせないのが残念だ。今回の試遊で体験できた戦闘コンテンツは限られていたが、幸いなことに『Ylem’s Cat』にはもう一つのコア要素である「知識アンロック」が存在する。

プロデューサーによれば、ゲーム内の「施錠された扉」を開けるメカニクスは、本作のナラティブと極めて密接に結びついているという。そして謎解きの最大の醍醐味は、猫の振る舞いを観察し、誘導することにある。「ほぼ全員が猫を飼っている」という開発チームなだけあり、猫の習性や仕草がそのまま謎解きギミックに落とし込まれている。

たとえば、ミオが何もない空中に飛びかかっていたら「プレイヤーには見えない何かがそこにある」サインだ。特定の場所まで走っていき壁をカリカリし始めたら「隠し扉」を示唆し、シャーッと威嚇したり毛を逆立てたりすれば「近くに敵がいる」証拠となる。さらに、大猫に乗って移動している際、ミオが首を傾げた方向が「正確のルート」だったりするのだ。

前述した壁の破壊や、光を追いかけて狭い通路を抜けるギミックに加え、暗い場所には光線で起動できる「発光石」も存在する。この方法で空間を照らし出すことで、隠されたスイッチを見つけ出すことができる。

試遊版における謎解きや探索の要素は概ね以上の通りだが、プロデューサーの解説によれば、ゲームの主な目的は「三大巨人」の所在地を探索することであり、地形のスタイルや謎解きのアプローチも今後大きく変化していくという。これらのコンテンツの全貌にも期待したい。

総じて、『Ylem’s Cat』は探索・謎解きと戦闘を同等に重要視しており、ゲーム内での比重もほぼ1:1となっている。特筆すべきは、ダイヤモンドキャットのメンバーの大半がアクションゲームの開発において豊富な経験を持っている点だ。そのため、洗練されたデザインが随所に見受けられる。彼らは「かつて商業ゲームでは実現できなかったアイデア」を本作で存分に爆発させたいと語っており、皆に愛される「猫」が主人公の一角を担うことも相まって、本作のポテンシャルには強い自信を覗かせていた。

『Ylem’s Cat』はPC(Steam)向けに、2028年の発売を予定している。以下は、試遊後に行われた開発チームへの合同インタビューの要約である。

——まずはダイヤモンドキャットについて簡単に紹介いただけますか?

開発チーム:
我々は中国広州を拠点としており、以前はとある運営型ゲームのプロジェクトに所属していたメンバーが集まっています。皆コンシューマーゲームが好きで、志を同じくして集まりました。スタジオ自体は昨年10月に設立されたばかりでまだ若く、開発メンバーは現在6名です。ただし『Ylem’s Cat』のプロジェクト自体はスタジオ設立前から動いていました。

——ゲーム内でスキンの変更は可能ですか?

開発チーム:

はい、ゲーム内で猫のカスタマイズが可能です。主人公のジャスミンも、後々さまざまなスキンに着替えられるようになります。

——ゲーム内の「猫の毛」はダイナミックに描写されていますが、PCの演算性能への影響はありませんか?

開発チーム:

問題ありません。エンジン側で非常に成熟した技術を使用しており、LODによって制御できるため、低スペックな環境でも正常に表示されます。

——ゲームにおける戦闘と、探索・謎解きの比重はどのくらいでしょうか?

開発チーム:

基本的には均等です。プレイヤーには探索を通じて、戦闘を有利に進めるためのテクニックや、「知識アンロック」に関するコンテンツを見つけてほしいと考えています。

——周回プレイやマルチエンディングの設定はありますか?

開発チーム:

ありません。プレイヤーには感情の赴くままにゲームを進めてもらい、メインストーリーの体験に集中してほしいと考えています。

——現状、近接攻撃よりも遠距離攻撃の方がメリットが大きいように感じましたが、今後調整される予定はありますか?

開発チーム:

その点については既に最適化を進めています。我々の目標は「プレイヤーが好きなように遊べる」ことであり、特定の戦闘スタイルを意図的に強要するようなことはしません。

——プレゼンテーションの際、「密かな野心がある」と仰っていましたが、具体的に教えていただけますか?

開発チーム:

それは、「知識アンロック」というジャンルにおいて一定の成果を残すことです。我々は『アウター・ワイルズ』の大ファンであり、自分たちがかつて体験したあの“素晴らしい感覚”を実装できないかと模索しています。『アウター・ワイルズ』をプレイしたことのある方なら、これが何を意味しているのかよくお分かりいただけるかと思います。ネタバレになってしまうため、今は多くを語ることはできませんが。

——クリアまでの想定プレイ時間はどのくらいですか?

開発チーム:
15〜20時間ほどです。

——主人公のジャスミンのデザインが非常に魅力的ですが、他にも同様に作り込まれたキャラクターは登場しますか?

開発チーム:

ゲーム内には約10〜15人の特殊なNPCが登場し、それぞれに専用のストーリーが用意されています。この点もぜひご期待ください。

——現在、猫の強化は主にスキル面に集中していますが、将来的に別の形での変化もアンロックされるのでしょうか?

開発チーム:

はい。ただし、それは主に「知識アンロック」の部分に関わってきます。ゲームを進めるにつれて、プレイヤーは少しずつ猫の新たなテクニックや形態を見つけていくことになるでしょう。

——猫が敵の攻撃ターゲットになることはありますか?

開発チーム:

今回の試遊版では実装されていませんが、後半に登場する一部の新しい敵は、猫に対しても反応を示すようになります。

——我々の試遊プレイをご覧になって、率直な感想をお聞かせください。

開発チーム:

非常に面白かったですね。我々が想定していた通りの状況も多々発生しました。この試遊版はかなり時間をかけてテストを行っており、まずは「プレイヤーが進行不能になったり、敵に理不尽に倒されたりしないこと」を最優先に調整しました。探索中に直面しうる問題についてもすべてバックアッププランを用意していたため、現状は非常にスムーズに進んでいると感じています。

——ありがとうございました。

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Nep333
Nep333

AUTOMATON中国語版編集長。

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