大作サバイバルホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2』、「XBOXとの契約金」が“開発費超え”だった。開発費100億円級だけど発売前から黒字、スタジオ創業者がぽろり

GSC Game Worldの創業者であるSergiy Grygorovych氏が、『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』開発時の“資金繰り”について明かしている。

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S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』の開発元GSC Game Worldの創業者であるSergiy Grygorovych氏が、同作開発時の“資金繰り”について明かしている。同氏によると、当時のマイクロソフトのXBOX部門から、時限独占などを含む契約の対価として開発費を上回る金額が支払われたという。

Sergiy氏は、ウクライナに拠点を置くゲームスタジオGSC Game Worldの創業者であり、RTS『Cossacks』や『S.T.A.L.K.E.R.』の初期3作品などを手がけていた同社を指揮していた人物だ。『S.T.A.L.K.E.R. 2』については、タイトル自体は2010年ごろに発表。しかし2011年にGSC Game Worldでは従業員の解雇がおこなわれ、スタジオは休眠状態になった。その後2014年に同氏も出資するかたちで、弟のIevgen Grygorovych氏によってGSC Game Worldは再始動。Sergiy氏の提案で新たな『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発が決定され、2018年に正式発表された。

そんなSergiy氏は今回、ウクライナの人気ゲーム情報チャンネルOLDboiに出演。『S.T.A.L.K.E.R. 2』のさまざまな開発秘話が語られるなかで、スタジオの“お金のやりくり”についても明かされている。同氏によれば当初は『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発にあたり、投資会社に売り込みをおこなったものの、出資を断られたという。一方その後、ウクライナの実業家・投資家であるMaxim Krippa氏がGSC Game Worldの株式を段階的に取得し、開発資金を提供。Krippa氏は持株比率を増やし、現在はSergiy氏に代わってGSC Game Worldの実質的なオーナーとなっている。

さらに『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発においては“追加の収入”もあったようだ。Sergiy氏は守秘義務契約があるので詳細は明かせないとしつつも、当時のマイクロソフトのゲーム部門から同作の開発にかかった費用を上回る金額を受け取ったとしている。本作はコンソールではXBOX Series X|Sの時限独占タイトルであり、PC/XBOX Game Pass向けにも発売初日から提供。PS5向けには約1年遅れでの発売となった。そうした契約の対価として、開発に費やした資金を上回るほど多額の契約金が支払われたようだ。同氏は『S.T.A.L.K.E.R. 2』は発売を迎える前に、すでに採算が取れていたと明かしている。

『S.T.A.L.K.E.R. 2』の開発費用についてGSC Game Worldは公式には明かしていないものの、Sergiy氏は過去にForbes Ukraineに対して約7000万ドル(約114億円・現在のレート)を要したとも伝えていた。本作の開発は、ロシアによるウクライナ侵攻の影響も受けながら難航し、何度も発売延期を重ねていた。時限独占やGame Passでの発売初日からの配信を含めた契約金とみられるものの、長期にわたる開発費用を上回るような契約金が支払われたというのは興味深い。

とはいえGSC Game Worldについては先述したとおり現在はKrippa氏が実質的なオーナーになっており、一連の資金繰りについてはスタジオが公式に明かしたわけではなく、スタジオを離れたSergiy氏による発言という点は留意したい。ちなみにSergiy氏は今年2月より、『S.T.A.L.K.E.R.』初期シリーズ作品のスタッフも含む新たなチームを率いて、ポストアポカリプスSF世界を舞台とするFPS『S.T.R.A.N.G.E.R. Bermuda SOS』を開発している。3月時点で伝えられていた開発チームは6名とまだ初期段階のようだが、ここから数年かけて制作がおこなわれ、開発サイクル全体の費用は数千万ドル規模を想定しているそうだ。

なおマイクロソフトでは今年2月、長年ゲーム部門CEOを務めていたPhil Spencer氏が退職。新たにAsha Sharma氏がCEOに就任し、部門名はMicrosoft GamingからXBOXに改称された。「XBOXリセット」と題した組織再編方針が社内向けに打ち出され、7月6日には本会計年度内に従業員の20%をレイオフする計画が発表。手始めに1600名の人員削減がおこなわれた(関連記事)。この方針の背景として、XBOX Game PassやXBOX Cloud Gamingといった過去のデバイス全体の戦略において、コンテンツ供給のためにスタジオシステムを過度に拡大していたことにも言及されていた。

今回のSergiy氏の発言では、『S.T.A.L.K.E.R. 2』をめぐる契約において、過去のマイクロソフトのゲーム部門が100億円級の開発費を上回る対価を支払っていた可能性が示された。ただ新体制となったXBOX部門では、こうした大型タイトルへの投資や独占契約にあたって、当時とは異なる判断基準がとられていくかもしれない。

『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com/Microsoft Store)/PS5/Xbox Series X|S向けに配信中。大型DLC「S.T.A.L.K.E.R. 2: Cost of Hope」が今夏に配信予定だ。

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Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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