『ドラゴンズドグマ 2』大改修アプデの“冒険を楽にする新機能”は、批判覚悟で実装していた。たしかな手応えで迎える『ダークアリズン』、そのこだわりを訊いた

『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』の開発陣にインタビューを行った。本編で実施されたアップデートの手応えや、DLCにおける詳細を訊いた。

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発売まで3週間を切った『ドラゴンズドグマ 2』の追加コンテンツ『ダークアリズン』。このたび、弊誌は東京ゲームショウ2026にて、作品の内容と新たに発売されるNintendo Switch 2版の仕様に迫るべく、『ダークアリズン』のディレクターを務める木下研人氏ならびにプロデューサーを務める大山直人氏にインタビューを行った。その模様をお届けする。

『ダークアリズン』は『ドラゴンズドグマ 2』の追加コンテンツだ。発売日は10月9日。対応プラットフォームはPC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S。合わせて、本作のNintendo Switch 2版として、本編とDLCをセットにした『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』が同日に発売予定となっている。

――まずは自己紹介をお願いします。

木下氏:
『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』ディレクターの木下です。

大山氏:
同じくプロデューサーの大山です。よろしくお願いします。

――6月と9月のアップデートでそれぞれ大きな改修が行われましたが、ユーザーからどんな反応が寄せられていましたか。嬉しかった反応や「変えてよかった」と思えた反応はありますか。

木下氏:

大きくはポジティブな反応をいただけていると思っています。「刹那の永久石」(いわゆるファストトラベルに関連する使っても消費されないアイテム)について、日本やアジア圏の方々からは「ファストトラベルが楽になった」というダイレクトな反応がありました。一方で、一部の欧米圏の方々からは「フリクション(冒険に伴う障壁、困難)が大事だ」という声もありました。ただ、どちらか一方を取るというより「選択肢を与える」という信念でやってきているので、「そのアイテムを使わずにプレイすることもできる」というスタンスを取れたのは良かったと思っています。

他にも分かりやすく好評だったのは、アクションのカスタムスキルのセット数を4枠から6枠に増やした点です。非常にポジティブな反応をいただきました。その他、細かい部分でも「ハイタッチが手動でできるようになった」など、予想以上にポジティブな反応をいただけた要素が多く、良かったと思っています。

大山氏:
先ほどの話に補足すると、日本・アジア圏の方と欧米圏の方とでは、『ドラゴンズドグマ 2』への捉え方に大きなギャップがあります。欧米圏の方はハードな冒険・リアルな冒険感を重視する傾向が強く、ゲームがプレイヤーに挑戦を課してくるようなシステムを「フリクション」と呼び、それを好意的に受け止めてくださっています。ファストトラベルができないような困難な状況をゲーム側が用意することを、むしろポジティブに評価していただいています。

一方、日本・アジア圏の方は、そうした要素をゲーム側の「フラストレーション」として捉えられる傾向が強く、もっと快適・便利・楽に遊びたいという声が多くありました。もちろんそれぞれの地域内にも両方の考え方の方がいて、あくまで割合としての地域差ですが、そうした差がはっきり出ていました。そのため、両方の層にアプローチできるよう、もともとあったシステムを壊さずに新しい選択肢を追加する、という考え方で対応してきました。結果として、グローバルで両方からポジティブな反応をいただけたので良かったと思っています。

木下氏:
そうですね。ファストトラベル関連のアイテムについては、そういった声が上がることも予測はしていました。実際に声も上がりました。ただ、同じ目的地間を何度も移動する中で、さすがにもう変化がないと感じる道のりでは「刹那の永久石」を使っていただければ、より遊びやすいのではないかと思っています。

――今回は選択肢の幅を広げるアプローチを取っていますが、選択肢が広がるとプレイヤーごとの体験が少しずつ異なっていきます。そうすると、開発側が想定している達成感と、プレイヤーの実際の体験にズレが生じると思うのですが、そのすり合わせはどのように行っていますか。

大山氏:

ここは、結局「ゴール」の部分の安定した気持ちよさは大きくは変わらない、という考え方をしています。それに対する「過程」の部分に選択肢を設けている、という形です。

チーム内でもよく例として挙げられるのが、山登りです。ロープウェイである程度まで行ってから頂上を目指す人もいれば、麓から一歩ずつゆっくり歩いていく人もいる。登り方は人それぞれですが、登頂した瞬間の気持ちよさは、皆さんが同じように楽しめるものになっている、という考え方です。

――具体的にはどのようなアプローチを取っていますか。

大山氏:

たとえばファストトラベルで言うと、「刹那の永久石」のようなアイテムを使えば何度でもファストトラベルができ、それを使ってクエストを進めることもできます。逆に徒歩でとことこ進んでいただくこともできます。加えて本作では牛が引いてくれる荷車のような乗り物も登場し、それに乗って目を閉じることで、ファストトラベルに近い体験をすることもできます。

また、アップデートの中で「拠点間移動の際に中継ポイントが欲しい」という声に対応して、牛車の途中下車機能なども選択肢として追加しました。「ここまでは乗り物で行って、あとは歩きたい」といった細かい選び方ができるようになっています。プレイヤーひとりひとりが細かく調整できる余地を設けることで、体験のズレをなくしていきたいという考え方です。

木下氏:
また、初めて訪れる場所ではファストトラベルアイテムが使えるわけではありません。実装としては途中の道中をショートカットできる要素もありますが、初めて行く場所での冒険が一番魅力的で、そこで得られるカタルシスや、道中の戦闘に勝って進んでいく体験に関しては崩していません。そういった点も、選択肢として提供できていると思っています。

――今回のダウンロードコンテンツの発売時期は「ちょうど良いタイミング」だと他のメディアでも言われていると思いますが、新規プレイヤーや途中で離脱したプレイヤーにとっても、今から始める理由になりますか。

大山氏:

もちろんです。このたび発売するNintendo Switch 2版においては、実質的にすべての方が新規プレイヤーになります。新しく触っていただく方にも楽しんでいただけるよう、これまでのアップデート内容に加え、DLCを導入すると、本編側にも12種のダンジョン「忘れられた試儀」が追加されます。これらは難易度のグラデーションがついており、一つずつ進めていくことで本編の進行の助けになったり、より多くの経験値をもらえたり、やや強めの武器が手に入ったりします。それを活用しながら進められるので、今から始める方にも十分楽しんでいただける状態になっていると思います。

――Nintendo Switch 2向けの対応が気になっているユーザーは多いと思います。フレームレートや最適化はどうなっていますか。

大山氏:

今回の『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』のベースとなるフレームレートは、TVモードでも携帯モードでも30fpsをターゲットとしています。その上でFSR(フレーム生成)機能を追加しており、フレームを補間することで60fps相当のプレイ体験を楽しんでいただける状態になっています。ただし、フレームを補間している都合上、特定の状況下で「アーティファクト」と呼ばれる残像のようなものが画面に出てしまうケースがあります。それでも総合的なプレイ体験としては滑らかに楽しんでいただけると思っています。製品版ではこの機能をオン・オフ切り替えられますが、ぜひその手触りを試していただければと思います。

――『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』ではハクスラ要素として遺戦品が導入されますが、初代の『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』では指輪に紐ついていたEXスキルが、新作ではランダムで武器に付与される形式となります。スキルも含めた理想の武器を追及する場合は、初代以上に厳選の条件が増えるようにも感じました。理想の装備を探す楽しさと、欲しいものが出るまでの負担は、どのようにバランスを取っていますか。

木下氏:

今回の遺戦品システムに関しては、遊び手の皆さんがユニークなもの、いわゆるレアリティの高いとされるものを欲しいと思うのは、このゲーム性としては当然のことだと思っています。ただ、それが手に入るまで無限にプレイし続けなければならない、というのは好まれない傾向にあると考えています。

そのため、プレイヤー自身とメインポーンの職業に対応した武器に関連する遺戦品が出やすくなるよう、アルゴリズムを組んでいます。さらに、それを絞り込むためのバフをかけられる仕組みもゲーム内にあり、たとえば「ファイターの剣」だけを狙って出しやすくする、といったことができます。これによってトータルのプレイ時間を減らしながら、欲しいものに出会いやすくする、という現代のプレイヤーの感覚に合わせた仕組みを導入しています。バフも活用すれば、特定の敵と延々と戦って飽きてしまうといった体験にはならないと思いますね。

――鑑定前の遺戦品について、gamescom 2026の試遊版ではレベルが設定されていましたが、序盤のエリアから高レベルの遺物品も手に入るのでしょうか。それとも序盤のエリアではレベルの低い遺物品しか出ないのでしょうか。

木下氏:

基本的には、ゲームの進行やマップの奥行きに応じてレベルは想定されています。ただ、必ずレベル1のものしか出ない、というわけではなく、それだと面白みも減ってしまうので、たまに1段階上のレベルの品が出ることもあります。また、物語の想定ルートを外れて探索してみたら、意外と次のエリアに入り込めてしまうときもあります。そこで頑張って戦えば、通常より1段高いレベルの品、さらにレアな品が出るかもしれない、という具合に、完全に固定して押し付けるような設計にはしていません。頑張っていい装備を手に入れれば、序盤の敵と戦いやすくなるといったバランスですね。

――gamescom 2026に際してのメディア合同インタビューでは「プレイヤー自身の素体の強さはありきで、そこへ遺戦品で自分に合うものを厳選して強くなっていく」といったバランスについて語られていました。遺戦品の引きによって、プレイヤーごとに戦力の差も生まれそうですが、その点はどのように調整していますか。たとえば遺戦品を厳選しないと先に進めない、といった手強いバランスなのでしょうか。

木下氏:
良い遺物品を手に入れている方が、いくらか有利になるのは当然あります。ただ、結局のところプレイスキルによる部分が大きいと考えているので、いくら良い遺物品を手に入れたとしても、アクションゲームとしてのプレイスキルを楽しむ部分を損なわないよう意識して調整しています。新しく実装したEXスキルなどをうまく使い、ポーンと一緒に戦っていただくところがバランスの取り方の妙だと思っているので、過剰なバランスブレイクが起きないように設計しています。

――新しい魔物やスキルの中で、プレイヤーの反応を見るのが特に楽しみなコンテンツを教えてください。

木下氏

新エリアのノルガンに登場する敵たちは新しく登場する敵たちは、それぞれ個別の攻略ポイントを持っています。「この敵はこういう行動をしてくるから、こういうアプローチが良さそうだ」と考えながら、新鮮な気持ちで楽しんで戦っていただけるように作られていると思います。

あと、今回TGS2026にあわせて公開したトレイラーで焦点を当てた「理外の竜」はストーリーの骨格にもなっている重要な敵ですし、最後に登場する「イービルアイ」など、もともと話題性のある敵もいます。SNS映えや配信映えを狙っているわけではありませんが、反応をいただければ嬉しいですね。

大山氏:
初見のプレイヤーが驚いたり楽しんだりしてくれるような、見どころのある敵は数多く用意しています。また、キャラクタークリエイトアプリを先日アップデートし、Nintendo Switch 2向けにも新たに配信しています。新しい髪型やタトゥーなども追加されているので、そこで作ったキャラクターをSNSに投稿していただけると、私たちとしても「こんな作り方ができるのか」と興味深く見ています。

――ストーリーについて伺います。ダウンロードコンテンツと本編のストーリーには関係があるのでしょうか。それとも完全に別のストーリーになっているのでしょうか。

木下氏:

そこは別です。ストーリーのコンセプトとして、「赤き龍を倒す裏側で起きていた、誰にもまだ語られていない冒険譚」という切り口で考案しているので、本編との直接的な絡みはありません。

――本編と切り離されている分、システム面で凝ったデザイン・新しい仕組みを積極的に導入できている、という認識でよいでしょうか。

木下氏:

ストーリーとしては本編と切り離されていますが、ノルガンという雪深い新しい土地を選んでいることもあり、本編にない体験、たとえば、その土地の風向きに応じて発生する遊びなど、ベースの部分から新しいものを用意できていると思います。ストーリー面では本編との相互作用は特に意識せず、ノルガンで何が起きているのかを、単独で楽しんでいただけるストーリーに仕上げています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

木下氏:

いよいよ発売日は3週間後に迫ってきました。「もっと遊ばせてほしい」というファンの皆さんの声にできる限り応えています。コアなファンの方には刺激的な冒険体験をお届けできると思いますし、新しく遊んでくださる方にとっても、『ドラゴンズドグマ 2』本編のボリュームに加えてDLCで新たに遊べる部分が増えたことで、総合的なボリューム・遊び応えも上がっています。楽しみにしていただければと思います。

大山氏:
今回から新たにNintendo Switch 2版が発売されます。これまで対応ハードをお持ちでなくプレイできなかった方、あるいはNintendo Switch 2で遊びたいという方がいらっしゃれば、ぜひプレイしていただきたいです。また、先述したように、キャラクタークリエイトアプリは無料ダウンロードでき、キャラクター作成を楽しめる内容になっています。まずはそこでキャラクターを作り、「こんな覚者で旅ができたら面白そうだ」と想像を膨らませながら、発売日までもう少しお待ちいただければ幸いです。

――ありがとうございました。

ドラゴンズドグマ 2』の追加コンテンツ『ダークアリズン』は10月9日に発売予定。合わせて、本作のNintendo Switch 2版となる『ドラゴンズドグマ 2:ダークアリズン』が同日に発売予定だ。

[聞き手・執筆:Takayuki Sawahata]
[編集:Hideaki Fujiwara]

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