『テーブルゲーム・ワールド CCFOLIA for Nintendo Switch 2』の、“遊びをユーザーに委ねる”という挑戦。将棋もオジサン構文ボドゲもTRPGもマダミスも、アイデア次第でやりたい放題

ココフォリアの『テーブルゲーム・ワールド』のメディア向け発表会に行ってきた。「悪霊の家」なんかも遊べて、びっくりした。

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ココフォリアは『テーブルゲーム・ワールド CCFOLIA for Nintendo Switch 2(以下、テーブルゲーム・ワールド)』を、2026年11月初旬に発売予定だ。

『テーブルゲーム・ワールド』は、ボードゲームやTRPG、マーダーミステリーといったテーブルゲームを、Nintendo Switch 2上で遊べるダウンロードソフトである。本作の最大の特徴は、プレイヤー同士で自由にルールを変更・アレンジして遊ぶことができる点だ。たとえば将棋盤でチェスをしたり、リバーシに「相手の色に挟まれても、特定の条件ではコマをひっくり返すことができない」というルールを設けて遊んだりといった具合だ。

筆者は今回、本作のメディア向け発表会に参加する機会をいただいた。本作にはなんとリリース時点で47種類のアナログゲームが収録されている。確認できた範囲では、「将棋」「リバーシ」といった定番アナログゲームのほか、「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」「オジサンメッセージ」といったボードゲーム、「ウェンディ、大人になって」をはじめとしたマーダーミステリー作品、クトゥルフ神話TRPGシナリオの「悪霊の家」など、ジャンルもさまざまなテーブルゲームが多数収録されていた。 数があまりにも多かったため試遊時間内にすべてのゲームを体験することは難しかったものの、筆者は今回「将棋」「悪霊の家」「オジサンメッセージ」に触れることができた。本稿では、その所感をお届けする。

遊び方をプレイヤーに委ねたゲーム

まずは『テーブルゲーム・ワールド』で遊ぶ流れを軽く説明しておこう。最初にどのアナログゲームを遊ぶかを一覧から選択し、セッションルームを作成。遊ぶ相手に合言葉を共有すれば、相手もその部屋に入室することができる。本作はおすそわけ通信に対応しており、ひとりがゲームを所持していれば、ほとんどの収録作品をおすそわけすることができる。オンラインでのおすそわけも可能なので、遠方の友達と遊ぶこともできる。これはかなり嬉しい。

ルームに入室すると、選択したアナログゲームによって専用のカードやコマが配置された盤面が表示される。基本的に『テーブルゲーム・ワールド』自体にゲームを積極的に進行する仕組みはなく、基本的には部屋内で読める「遊び方」を読みながら進めることになる。遊び方をゲームの側から縛られることがないので、コマは好きなところに動かせるし、もしかするとどこかに放り投げたまま行方不明に……なんてこともあるかもしれない。まさにアナログゲームを箱から出した状態に近いのである。

「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」

本作は「遊び方をプレイヤーに委ねる」という設計思想で作られているのだ。そのため、収録されているBGMでゲームを賑やかにしたり、画面全体にエフェクトをかけたりと、ゲームを楽しく演出する仕組みがかなり充実している。たとえば敵が襲ってきたときに緊張感のあるBGMに変更したり、「オジサンメッセージ」でいやらしいオジサン構文を作れたときに画面全体にハートを飛ばしたりできる。ゲームを遊んでいながらも、どこか創作意欲を刺激されるデザインなのだ。

令和、それは「悪霊の家」がNintendo Switch 2で遊べる時代

「悪霊の家」は、サンディ・ピーターセンが制作したTRPG「クトゥルフ神話TRPG」の初版(1981年)以降、今日に至るまでルールブックに掲載され続けているシナリオである。英語のシナリオ名は「The Haunted House」。日本では「悪霊の家」として親しまれ、多くのパロディシナリオが生みだされるほどに愛されている。この「悪霊の家」が、『テーブルゲーム・ワールド』で遊べるのだ。

元となった「クトゥルフ神話TRPG」のシナリオではゲームマスター役である「キーパー」が必須となるが、『テーブルゲーム・ワールド』ではキーパー不要で「悪霊の家」を遊ぶことができる。遊び心地はゲームブックに近く、盤面にカードが並べられ、指示に従ってカードをめくったりサイコロを振ったりし、さらにその先の指示をこなしていくことで物語が進んでいく。ルールそのものは「新クトゥルフ神話TRPG」のクイックスタート・ルールに準拠しているそうだが、前述のとおり『テーブルゲーム・ワールド』は非常に自由なつくりになっているため、オリジナルのハウスルールを付け足して遊んでもよいだろう。

使用するキャラクターはすでに作成されているなかから選ぶことになるため、キャラクターを作成せずともサクっとゲームを始めることができる。もちろん、『テーブルゲーム・ワールド』は非常に自由なゲームなので、用意されているキャラクターでなければ遊べないということはない。自分たちで作ったキャラクターシートを持ち寄って、各々のキャラクターでゲームを遊ぶといったことも可能そうだ。

悪霊の家をなんとか試遊時間内に走りきれないかとあがいていたところで、試遊時間は終了。ココフォリア代表取締役の川﨑康平氏と、開発ディレクターであるグランディングの近藤智宏氏にお話をうかがうミニインタビューの時間となった。以下にその内容をお届けする。

左が川﨑氏、右が近藤氏

――『テーブルゲーム・ワールド』は、遊びをすごくユーザーに委ねていますよね。アイデア次第で何でもできてしまいそうな気がするのですが、どのような思想で設計されているゲームなのでしょうか。やはり、Web版のココフォリアとは違う方針ですか?

川﨑康平(以下、川﨑)氏:
Web版のココフォリアは自分で作った画像とかも登録できるし、自由度の高いツールとして設計しています。一方で『テーブルゲーム・ワールド』は用意されているものや既に遊べるものを組み合わせたり、アレンジしたりしてもらう方向で設計していますね。

たとえば友達と将棋で遊んでいるときに「お前は強すぎるから飛車落ちな」みたいなハンデを設けることってありますよね。あとは大富豪なんかも、ハウスルールみたいなものは無限にあるじゃないですか。ゲームを作ったり、どういう風にしたら面白いかを考えてみたりっていうのはそういうところに原点があるんじゃないかと思うんです。

もちろんゲームのなかでちゃんとルールの説明もしているんですが、それをどういう風に運用するかをユーザーに委ねることで、新しい発想が生まれてくれるといいなという考えで作ったのが『テーブルゲーム・ワールド』です。

――たとえば、生まれてきた発想をココフォリアさん側でも応援するような仕組みは考えていらっしゃいますか?

川﨑氏:
実現できるかは分からないのですが、ユーザーさんたちから「こういうゲームあったらいいんじゃないか」というアイデアを集めて、コンテストみたいなことができたらいいなと思いますね。それで面白いゲームができたら『テーブルゲーム・ワールド』に実装できたらいいなと思っています。自分の考えたゲームがNintendo Switch 2で遊べるって、ちょっと自慢になったらいいなと(笑)

――確かに、『テーブルゲーム・ワールド』は受け身で遊ぶだけでなく、アイデアを形にする手助けができるツールという感じがします。

川﨑氏:
その点で言うとWeb版のココフォリアの方がよりツール的ですね。『テーブルゲーム・ワールド』はもう少しコマやカード類はこちらで用意してあげて、そのままでも遊べるようにしています。ゼロから何か作るところの前段階にある、いま遊んでいるなかにある新しい発見の方を重視しています。

「祠こわしちゃったの?」

――ちなみに一番気になっているのが、これからどんなラインナップのゲームが入ってくるのかという部分なのですが、話せる範囲で教えていただけませんか?

川﨑氏:
リリース時にはスケジュールの都合で収録できなかったタイトルがいくつもあるので、今後もメーカーさんや出版社さんと協力しながら追加していけたらと思っています。春と秋にあるゲームマーケットのタイミングで、新作や人気作を追加していけたらいいなと。

すでに人気のある作品はもちろんなんですが、個人的にやりたいと思っているのは、これから発売される新しいゲームもどんどん追加していくことですね。ゲームマーケットはオフラインイベントなので、誰でも来られるものではありません。なので、まずは『テーブルゲーム・ワールド』を通じてどんなゲームなのかを知ってもらって、気になって実物が欲しくなったらボードゲームショップや通販なんかで買ってもらうみたいな、そういう流れが生まれたらいいなと思います。

「ウェンディ、大人になって」

――アナログゲームってその名のとおりアナログなものですが、オンライン上で、しかもNintendo Switch 2で遊べるという点がひとつのアドバンテージになりそうですよね。

川﨑氏:
あとは、配信をするときにも便利だと思います。Web版のココフォリアでもいろいろアナログゲームは遊べますが、あちらはどこを映すか難しいという問題がある気がしています。『テーブルゲーム・ワールド』はNintendo Switch 2の画面に要素をきれいに落とし込んでもらっているので、Web版よりも見栄えがいいんじゃないかなと。

――どのゲームも外観がとても可愛いですよね。それぞれのタイトルらしくもあり、任天堂らしくもあると感じました。

川﨑氏:
(近藤氏に対し)なにかコツがあるんですか? それこそ「たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。」なんてWeb版のココフォリアとほぼ同じ素材を使っているんですが、Nintendo Switch 2の画面で見るとちょっと雰囲気が違って見えますよね。

近藤智宏(以下、近藤)氏:
画面は基本的には3Dのアイテムで構成していて、自分の好きな角度で見られるので印象が違うんじゃないのかなと思います。立体物がないとやっぱり平面的な印象が強くなってしまうんですが、3Dのオブジェクトをたくさん置いたタイトルはちょっと豪華に見えますよね。

――確かに、3Dのオブジェクトがあると、ボードゲームのコンポーネント感が出てワクワク感が刺激されますね。

近藤氏:
盤面に置いてあるタイマーとかの何気ないツールは「ガチャガチャで出てきたら嬉しいもの」というコンセプトで作っていて、可愛らしい感じが出せるようにしていますね。あとはカードの山札も、ちゃんと積み重なっているように見せています。あとは、開発中には任天堂さんの方からも「任天堂らしいタイトルにしたい」というお話があったので、デザイン面でも任天堂っぽくなるようには意識しています。

「命鯉 INOCHIGOI」
「OVERЯOID」

――Nintendo Switch 2で出すことになった理由について、改めて教えていただけますか?

川﨑氏:
『テーブルゲーム・ワールド』の企画は、Nintendo Switch 2で「ゲームチャット機能」がすごくプッシュされていたのを見たときに始まったんです。ゲームを通じた、アナログゲーム的なコミュニケーションができるんじゃないかなと。みんなで旅行に行ったときに手持ち無沙汰になって、誰かがバッグから取り出したゲームを使った遊びが始まるみたいなことが、Nintendo Switch 2でできないかなと思ったんです。

――おすそわけ通信で1人が持っていればみんなで遊べるというのも、その考え方に通じる感じがします。

川﨑氏:
そうですね。大変でしたが、実装されているほとんどのゲームをおすそわけ通信に対応していただきました。おすそわけ通信って、ゲームタイトルによっては体験版くらいの扱いにされているものもあると思うんですが、『テーブルゲーム・ワールド』では「ひとりがみんなを誘って遊ぶ」という体験を大事にしたかったんです。 自分はボードゲームを買うとき、「今度友達と集まるから、これを持っていってみんなに遊んでもらおう」とか考えるんですよ。そういうときってちょっとした「おもてなし精神」みたいな気持ちがあると思っているんです。みんなで示し合わせて買うんじゃなくて、自分が買ったものを持ち込む感覚を再現したくて、どうにか対応してもらいました。

「はらぺこバハムート」

――最後に、『テーブルゲーム・ワールド』についてメッセージをお願いできますか。

川﨑氏:
個人的にはかなり挑戦的なタイトルのつもりでいます。将棋ができるゲームやオセロができるゲームはたくさんあると思うんですが、本作は体験の部分では良い面も悪い面もかなり違うものにはなっていると感じています。自分自身はこれを楽しい遊びだと思って作ったので、みなさんに実際に見ていただいて、受け入れていただけたらすごく嬉しいです。

近藤氏:
本当に特殊なゲームになっていると思うので、自分は受け入れられるかどうか不安もあるんですが(笑)ドキドキワクワクとしています。ただ、これだけはハッキリ言えるのですが、他のどんなタイトルよりも、アナログボードゲームの移植が簡単にできます! なので、いろいろなメーカーさんに集まっていただきたいです(笑)

――ありがとうございました。

『テーブルゲーム・ワールド CCFOLIA for Nintendo Switch 2』は2026年11月初旬に発売予定だ。

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Aki Nogishi
Aki Nogishi

ポストアポカリプスとドット絵に心惹かれます。AUTOMATONではFF14をメインに担当します。

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