『PEAK』と一文字違いのゲーム『Peek』の開発者、注目度アップしたけど返金されまくったとこぼす。嬉しいような悲しいような

ホラーパズルゲーム『Peek』は、名前の似た人気作『PEAK』の影響により、多数の返金リクエストを受ける状況になっているという。

デベロッパーのLoyal Mussyは5月27日、ホラーパズルゲーム『Peek』を発売した。同作は、名前の似た人気作『PEAK』の影響により、多数の返金リクエストを受ける状況になっているという。『Peek』の方が『PEAK』よりも先に発表されていた作品であり、タイトルが1文字違いになったのはまったくの偶然のようだ。

『Peek』は音を手がかりに推理するホラーパズルゲームだ。プレイヤーは5×5のグリッドが用意された呪われた部屋で耳を澄ます。音を頼りにして霊の行動パターンを読み解き、正しい場所に聖遺物を配置することで悪魔祓いを完了するのだ。

同作を手がけた個人開発者のAndy氏は、海外掲示板Redditの「r/gamedev」コミュニティに、同作のウィッシュリスト登録数の推移における奇妙な出来事の経緯を記している。同氏は2025年3月に『Peek』のタイトルでストアページを公開。最初の数か月はウィッシュリスト登録数も少しだけだったものの、同年6月中旬ごろから数値は一気に跳ね上がったのだという。当時、同氏はクリエイターにメールを送るといった宣伝活動に挑戦していたところだったため、はじめは影響力のある誰かが自分のゲームを取り上げてくれたのだと思っていたそうだ。しかし、ネットを探しても『Peek』の情報は見つからなかったのだという。

そのうち、同氏はネットで『PEAK』という人気ゲームの話題で持ちきりになっていることに気が付く。ひらめいた同氏が『PEAK』の発売日を確認すると、案の定2025年6月16日。ウィッシュリスト登録数が増加した時期とちょうど一致していた。ちなみに『PEAK』が発表されたのは2025年4月初頭であり、『Peek』のほうが先に発表されていた。たまたま同時期に似た名前のゲームが登場し、一躍人気作になったという状況のようだ。

なおAndy氏は、これまでに2000件以上のウィッシュリスト登録数を獲得しているというが、「すべて自力で獲得できていればもっと誇れたのに」と述べている。人気作の“おこぼれ”をもらったことに少し罪悪感を覚えつつも、名前が似ていることがアルゴリズムで有利になるかもしれないとして、そのまま発売日を迎えることとなった。

『PEAK』

そして同氏によれば、『Peek』は発売後に92本が売れたという。しかし、そのうち約60%ものユーザーが返金をリクエスト。返金の理由の多くが、別の名前の作品と間違えて買ってしまったといったものだったとのこと。同氏は正直プライドが少し傷ついたとしつつも、仕方ないことだと綴っており、作品名が似ていたことが幸運だったのか不運だったのかは分からないと述べた。

同氏は『Peek』が万人受けではないとして、本当に買おうと思って買った人が少なかったことには納得しているようだ。また「オーディオホラーゲーム」といった表現をやめ、「ホラーの皮を被ったパズルゲーム」として売り出すべきだったと振り返っている。ちなみにLoyal Mussyとしてのゲーム制作はあくまで趣味とのことで、家族をちゃんと養うことができていると報告しており、返金率が高いこと自体は深刻な問題ではない様子。とはいえ自分のゲームにつけた名前が、思わぬ問題を呼び込んだ事例として共有したかたちだろう。

名前の類似を巡ったトラブルについては過去にも例があり、たとえばオンラインFPS『Apex Legends』がリリースされた2019年2月には、それまであった『Apex Construct』という似た名前のVRゲームが誤って購入され、いわゆるレビュー爆撃を受けるといった事態も発生していた。中国では『Apex Legends』が配信されていないこともあってか、中国ユーザーの購入者が多かった様子だ(関連記事)。

ほかにも今年3月には『Piece by Piece』という全く同じ名前のゲームが2本ほぼ同時に発売されるという珍事も。ただ、二作が仲良くバンドル販売をおこなったことで、一方の作品では予想の3倍の収益に繋がったことも明かされていた(関連記事)。

上述したような事例を見るに、タイトルが他の作品と似ていることによる負の影響もあれば、逆にそうした状況をメリットに変えることができたケースもあるのだろう。年間約2万本もの規模で新作ゲームが展開されるSteamでは、今後も“名前被り”が発生し、良くも悪くも予想だにしない出来事を巻き起こすかもしれない。

『Peek』はPC(Steam)向けに配信中。価格は税込580円だ。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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