フロム・ソフトウェアが開発中の新作アクションRPG『ELDEN RING（エルデンリング）』。『ダークソウル』シリーズなどを手がけた宮崎英高氏がディレクターを務め、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の原作小説「氷と炎の歌」の作者R. R. Martin氏とコラボして制作する、フロム・ソフトウェアとして過去最大の作品になると発表されており、ファンの期待を集めている。2019年のE3での発表以来、これといって新たな情報は出てきていないが、熱心なファンはただ座して待つことはしないようだ。
長らく続報のない状態が続く『ELDEN RING』であるが、そろそろ動きがあるのではという噂が今年に入ってから出回り始めている。これを受けてか、RedditユーザーのAtijohn氏は、同じくフロム・ソフトウェアが手がけたアクション・アドベンチャーゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の動画投稿を開始した。その内容は、「『ELDEN RING』が発売されるまで、剣聖 葦名一心を毎日倒す」というものだ。
葦名一心は『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』のラスボスであり、難易度の高い同作の中でも一際強力なボスとして知られている。Atijohn氏はこの強敵を相手に、ただ倒すだけでなく、九郎の御守りを九郎に返却することでプレイできる高難度モード「さらなる苦難」を選択したうえで、鐘鬼のお堂の鐘を鳴らして入手できるアイテム鐘鬼によってさらに難易度アップ。加えて、回復なしという縛りプレイにて挑戦している。
Atijohn氏は宣言どおり、葦名一心を倒すゲームプレイ映像を毎日Redditに投稿しており、本稿執筆時点で14日目である。同氏は『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』をかなりやり込んできたプレイヤーのようで、どの日も的確な立ち回りにより危なげなく撃破。Redditでは、攻略法などの質問に答えたり、初期HPでの挑戦といったリクエストにも対応している。
また、『ELDEN RING』が発売されるまで動画投稿を続けるとしているため、「これを300日以上続けるつもりか？」との問いがあり、それに対してAtijohn氏は「Yes」と返している。同作の発売日は未定だが、1年後あるいはそれ以上あとに発売される可能性がないとはいえないだろう。それでも同氏は、葦名一心を毎日倒し続ける覚悟のようだ。
『ELDEN RING』について“毎日〜する”ファン活動としては、YouTubeを通じて同作のニュースを毎日届けるElden Ring Newsも存在する。2020年6月から開始し、本稿執筆時点で266日目。これまでには、冒頭に掲載した発表トレイラーを制作したDigic Picturesによる別バージョンの映像や、その発表トレイラーのファンによる解析、またフロム・ソフトウェア宣伝担当である北尾泰大氏のツイートや、ネット上の噂を紹介している。
ただ、公式からの続報が途絶えている中では、そうそう新情報が出てくるわけもなく。投稿された動画の9割以上は、運営者のMordecai氏が「今日は『ELDEN RING』の新情報はありません」と述べるだけの20秒ほどの内容となっている。傍から見ると退屈な動画かもしれないが、多くが1万回以上再生され、多数の高評価が投じられている状況だ。もはや視聴者にとっては、『ELDEN RING』を待ち続けて、無の境地に至ったかのような力の抜けた声で更新を続けるMordecai氏を応援することがメインになっているのかもしれない。
＊Digic Picturesが公開した『ELDEN RING』のシネマティクス映像。
特定の新作ゲームを待ち焦がれるファンが“毎日〜する”活動は、コミュニティ内では時折見かけることができる。今回の『ELDEN RING』以外にも、たとえばRedditユーザーのWeeblesJeebles氏は、Team Cherryが手がけるアクションゲーム『Hollow Knight: Silksong』が発売されるまでとして、同シリーズのキャラクターを描いた“下手なイラスト”を毎日投稿中だ。同氏の言葉どおり本当に下手でユルいイラストではあるが、本稿執筆時点でもう444日間も投稿し続けている。同作についても、そろそろ続報が届くことを期待したい。
