フロム・ソフトウェアは4月27日、アクションゲーム『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(以下、アーマード・コア6)』を8月25日に発売すると発表。あわせて本作のゲームプレイの一端が明かされた。それに伴い、本作を『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(以下、SEKIRO)』と重ねるユーザーも現れているようだ。
『アーマード・コア6』は、メカカスタマイズアクションゲーム『アーマード・コア』シリーズの最新作だ。第1作目は1997年に初代PlayStation向けに発売。シリーズを通じて、パーツを自由に組み替え(アセンブル)しての搭乗メカを構築し、ミッションをクリアしていくゲームプレイが基本だ。
『アーマード・コア6』についてもそうしたコンセプトを踏襲する一方で、約9年ぶりとなる新作ということもあり、「『アーマード・コア』とはどういったゲームなのか」と疑問を膨らませるフロム・ソフトウェアファンも現れる状況となった。また、本作は初期ゲームディレクターとして、『エルデンリング』や『ダークソウル』シリーズなどの立役者である宮崎英高氏が参加。後に、『SEKIRO』でリードゲームデザイナーを務めた山村勝氏にディレクターを引き継ぐかたちとなったとのこと。そのため、『アーマード・コア6』に『SEKIRO』や、いわゆる“ソウルライク要素”が盛り込まれるかも関心の対象となった。一方で「『アーマード・コア』はシリーズの基礎を踏襲した内容になる」との旨を開発側が強調する一幕もあった(関連記事)。
しかしながら、本作の情報が明らかになるにつれ、引き続き『SEKIRO』と『アーマード・コア6』を重ね合わせてしまうユーザーもいるようだ。「Mecha(メカ)」と『SEKIRO』をあわせて「Mechiro(メキロ)」といった愛称を与えるユーザーも出現。メカアクション版『SEKIRO』を期待するような意見も見られるのである。こうした談義は広がり、GamesRadar+といった海外メディアが取り上げるに至っている。
ふたたび『SEKIRO』と『アーマード・コア6』が関連付けられる背景には、発売日発表とともに明かされたゲームプレイ詳細があるようだ。新たに告知された本作新要素としては、敵との間合いを一気に詰める「アサルトブースト」などが紹介(PlayStation.Blog)。さらに、追加要素として「スタッガー」なる仕組みが盛り込まれるという。これは、短時間に多くの攻撃を与えることで、敵の姿勢制御システムをダウンさせられる仕組み。連打や大きな一撃により、よろめきダメージを発生させられるという。
そして『SEKIRO』の特徴といえば、体幹システムだ。これは体制のバランスをゲージ化したもので、敵に攻撃を与えたり、敵の攻撃をいなしたりすると増加。最大に達すれば、敵が体制を大きく崩して、致命的な一撃である“忍殺”のチャンスとなる。仕組みの説明を見れば「スタッガー」とよく似たシステムだ。そのため「メカで『SEKIRO』のような戦いを繰り広げるのでは」との想像に繋がったのだろう。
また、本作英語版の紹介文では「フロム・ソフトウェアの近年のアクションゲーム開発への知見が活かされている」との旨も伝えられている。海外ユーザーが『SEKIRO』的要素の盛り込みに期待するのは、そうした記述も念頭にあるのだろう。また、『SEKIRO』や近年のアクションゲーム作品において培われた設計や開発ノウハウが、直接的/間接的どちらにせよ『アーマード・コア6』に活かされるのは自然な流れといえる。
ただし、「スタッガー」システムに類似の仕組みは『アーマード・コア』シリーズ過去作にも存在していた。『アーマード・コアV』シリーズで、名前も同じく「STAGGER(スタッガー)」要素として登場。高い衝撃を受け続けると、被ダメージが増加する状態に陥る要素だった。また、それ以前のシリーズ作品でも、被弾による硬直を利用した「固め」と呼ばれるテクニックが存在。敵を固めながらブレードでの斬撃に繋げるテクニックも利用されていた。『アーマード・コア6』では、そういった伝統的な要素も新たな設計で盛り込まれていくのだろう。
また、『アーマード・コア』シリーズは過去作を遊ぶのが比較的困難な状況でもある(関連記事)。近年のアクションゲーム諸作品で集った『アーマード・コア』未経験ファンたちも、最新作の内容をさまざま想像してワクワクしているのだろう。先日にはゲームプレイ映像も公開されたものの、同作の内容はいまだ多くがベールに包まれている。スタッガーシステムの実際の仕組みも含め、続報に期待を膨らませたい。
『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに8月25日発売予定だ。