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世界最大級ゲームイベント「gamescom」実は日本人来場者も増加中。どんなイベント?なんでそんなにデカいの?担当者に訊いた、“ゲーマーが見たいもの”全部乗せフェスの正体
世界最大級のゲームイベントgamescomは実際のところどんなイベントなのか、担当者に狙いや展望もあわせて訊いた。

gamescomは2009年よりドイツのケルンで開催されているコンピューターゲームの展示会だ。世界中のパブリッシャーやデベロッパーが集い、新作を発表するステージイベントが開催される。またそれに留まらず、コスプレショー・カンファレンスやワークショップ・ゲーム音楽コンサートなどさまざまなコンテンツやイベントが渾然一体となっているところも特色だ。今年も8月26日~30日の期間に開催されることが決まっており、日本からも多数の企業のブース出展が見込まれる。
今回はイベント開催に先駆けて、ケルンメッセ gamescom ディレクターのTim Endres(ティム・エンドレス)氏と、イベント担当ディレクターのStefan Heikhaus(ステファン・ハイクハウス)氏の両名に、gamescomを通してゲーム業界がどのように見えているのかや、企画の狙い、今後の展望などについて伺ってみた。
どんどん規模を拡大していくgamescom
――gamescomは年々大きくなっている印象があります。昨年比でどれくらい大きくなりましたか?アジアからの出展メーカーもずいぶん増えましたよね。
Tim Endres(以下、Tim)氏:
私たちにとって、成長とは来場者数だけでなく、世界中でどれだけの人々にリーチできているかということでも測られます。とはいえ、リアルイベントとしての成長について言えば、私たち自身もその傾向を実感していると言えます。2025年の数字はそれを明確に示しています。同年のgamescomには3万4000人を超える業界関係者が来場し、特に米国、中国、カナダ、そして日本からの伸びが顕著でした。出展社側でも国際的な参加が目立ち、日本やタイなどのナショナルパビリオンが設けられました。また、アジアのAAA出展社数もここ数年で増加しています。とはいえ実は、アジア企業は元々gamescomの歴史の中で常に重要な役割を果たしてきました。日本の数多くの著名なフランチャイズが、このイベントで大きな成功を収めています。ですから、アジアからの勢いが高まっていることは明らかですが、同時に日本をはじめとするアジア企業が私たちの歴史の中で常に中心的な役割を担ってきたことも強調したいと思います。多くのアジア企業にとって、gamescomは欧州のファン、メディア、コンテンツクリエイター、ビジネスパートナーへの重要な入り口となっています。

――ここ数年で、ドイツおよびヨーロッパのゲーム業界は大きく変化してきました。そうした中で、gamescomは現在、ヨーロッパおよび世界の開発者やパブリッシャーを支える場として、どのような役割を果たしているとお考えでしょうか。
Stefan氏:
gamescomは、グローバルなステージであると同時にビジネスプラットフォームでもあります。開発者やパブリッシャーにとって、gamescomはファン、メディア、コンテンツクリエイター、投資家、プラットフォームホルダー、業界パートナーを一堂に集める場です。つまり、一方では意味のあるビジネス関係を構築することができ、もう一方では新作ゲームに関するニュースやハンズオン体験が、認定を受けたすべてのマルチプライヤーを通じて世界中に広がっていきます。
小規模スタジオにとっては、gamescom indie area、gamescom awesome indies show、gamescom steam event、そしてgamescom invest circleを通じて、追加の露出機会を得ることができます。gamescom invest circleでは、若いスタジオが投資家やパブリッシャー、戦略的パートナーと出会うことができます。また、非常に実務的なレベルでは、インディーエリアへの出展をより手頃な価格にするための割引も提供しています。
ビジネスエリアはB to Bネットワーキングの中心的なハブであり続けており、gamescom bizは専門家がデジタル上でミーティングを設定し、新しいコンタクトを作る手助けをしています。これらすべてを組み合わせることで、gamescomはドイツ、欧州、そして国際的なスタジオがグローバルなオーディエンスにリーチしながら、ファンやビジネスパートナーともつながることができる、重要な架け橋となっています。

――gamescomが近年において、特に成長したと感じた具体的なエピソードがあれば教えてください。
Tim氏:
成長という面では、単一の節目というものはありません。なぜなら、gamescomの成長は常に継続的なプロセスであり、さまざまな領域で進歩を続けてきたからです。ただ、私たちの視点を変えた瞬間を一つ挙げるとすれば、gamescom Opening Night Liveが初めて開催された2019年になります。それは、今日私たちが知るハイブリッド型イベントへの決定的な一歩でした。gamescomがケルンでの大規模なオンサイトイベント以上の存在になり得ること、発表やプレミア、コミュニティの瞬間のためのグローバルなデジタルステージにもなり得ることを示したのです。
その後、パンデミックがこの流れを加速させました。gamescomがリアル開催できない時期でも、私たちは歩みを止めませんでした。gamescom awesome indies show、gamescom studio、そして後のgamescom epixといったデジタルフォーマットを立ち上げ、確立し、これらは今ではハイブリッド型イベントとしてのアイデンティティの一部となっています。そしてgamescom 2025は、イベントが新たな段階に到達したことを裏付けるものとなりました。出展社数の記録、国際性の記録、展示スペースの記録、そして8月末までの番組全体でのデジタルリーチは11億回以上のビュー数に達しました。ケルンでのオンサイトのお祭り的な雰囲気と、世界的なデジタルリーチのこの組み合わせこそが、今日のgamescomを特別なものにしている要素の一つだと考えています。
gamescom内の各種イベントについて
――gamescom awesome indies showが今年も実施されます。なぜこうしたイベントをされるのでしょうか。例年と比べて規模はいかがでしょうか。
Stefan Heikhaus(以下、Stefan)氏:
インディーエリアはgamescomの中でも最も人気のあるエリアの一つです。インディーゲームはgamescomにとって欠かせない要素であり、私たちはgamescomを、ファンが次のインディーヒット作を発見できるナンバーワンのプラットフォームにしたいと考えています。そうした思いから生まれたのが、gamescom awesome indies showです。
そのため、2026年に向けてgamescom awesome indies showへの投資を大幅に増やすことを決定しました。IGNとのパートナーシップにより、世界中の視聴者に向けた番組の質を高めるだけでなく、国際的な認知度も全体的に高めたいと考えています。gamescom awesome indies showを後押しすることで、gamescomに出展されている創造的で素晴らしいインディーゲームにスポットライトを当て、それらをグローバルなステージで紹介したいのです。

――今年のgamescomではスピードランイベント 「gamescom GDQ」が実施される件について驚きました。スピードランとしてのGames Done Quick(GDQ)をどのように評価されていますか?GDQとしても大きな規模のイベントになるのでは?
Stefan氏:
gamescom GDQをgamescom 2026にお迎えできることを、私たちはとても楽しみにしています。Games Done Quickは、スキル、エンターテインメント、コミュニティの情熱、そしてチャリティを組み合わせた素晴らしいフォーマットです。スピードランはゲーム文化の中でも魅力的な一部であり、長年にわたってgamescomの一部でもありました。プレイヤーたちがいかに創造的に、そして深くゲームと向き合っているかを示すものです。
gamescom GDQは、私たちのパートナーにとって欧州初のイベントとなります。私たちにとって最優先事項は、コミュニティと共に本物のイベントとして作り上げることです。ケルンでのgamescomのオンサイト来場者と、GDQおよび私たちのグローバルなデジタルリーチを組み合わせることで、このフォーマットは数千人のファンにリーチし、盛り上げる大きな可能性を持っています。そして、先々の計画を立てることも重要ですが、gamescom GDQに関しては今年の初開催に焦点を当てています。共に、ファンを楽しませ、今年のgamescom GDQで支援している取り組みである“Gaming for Democracy”のために、できる限り多くの寄付を集めたいと考えています。

――gamescom devもgamescomの直前に開催されます。gamescom devは昨年秋に名称変更され、よりgamescomと密接になってきています。今年はさらに日数が増えワークショップなども盛りだくさんのようですが、今後gamescom devをどのように発展させいきたいなど、目標はありますか?
Stefan氏:
devcomからgamescom devへのリブランディングは、自然な流れでした。このカンファレンスは元々gamescomと密接に結びついていましたが、それが名前にも表れることになりました。来場者の皆さんにその結びつきを実感していただきたいと心から思っています。gamescom devはgamescom bizアプリに統合されており、両イベントで同じステージを共有し、ジャーナリスト向けの認定プロセスも共通化しています。また、開発者向けカンファレンスとgamescomのビジネスエリアやネットワーキングの機会を結びつけるコンビネーションチケットを含むビジネスチケットのオプションを通じて、専門家の方々が1週間を通してよりアクセスしやすいようにしています。gamescom devは、gamescomウィーク内における開発者向けの知識、ネットワーキング、ビジネスの中心的なプラットフォームです。今後も質の高いトーク、パネル、ワークショップ、マッチメイキング、サイドイベントに注力しつつ、より広いgamescomエコシステムとのつながりをさらに強めていきます。
――例年引き続き多くの出展やコスプレヴィレッジの展示、コンテストの開催などイベント面でも年々強化されていっていると感じます。こうした要素は参加者層に変化を与えたり、新規参加者へのフックになっていると感じていますか?
Tim氏:
はい、間違いなくそう感じています。gamescomはゲーム文化のための360度型フェスティバルです。つまり、ゲーム、コスプレ、eスポーツ、コンテンツクリエイター、アジアのポップカルチャー、テーブルトップ、トレーディングカード、音楽など、さまざまな分野のコンテンツを一堂に集めています。こうしたバリエーションは、異なるコミュニティにとってのより多くの入り口を作り出します。ゲーム目当てで来場する人もいれば、コスプレ目当てで来る人もいますが、来場をきっかけにgamescomの体験全体を発見していくのです。

例えば、コスプレヴィレッジ、コスプレコンテスト、イベントアリーナ、そして私たちのサイン会エリアは、それぞれ異なるコミュニティがgamescomの中で自分の居場所を見つける助けになっています。最終的に、私たちの目標は、このより広いゲーム文化の宇宙にいる誰もが、自分の心に響く何かを見つけられること、そしてgamescomに属しているという感覚を持てることです。そして、これこそが、私たちがこれらの領域の改善を止めず、新しいものを追加し続けている理由でもあります。先ほどお話ししたgamescom GDQもその一環です。ですから、来場者の皆さんがイベントで何か物足りないと感じることがあれば、コミュニティの視点からgamescomをさらに改善するために、そうしたフィードバックを大いに歓迎します。
これからのgamescom
――gamescomは成長していますが、今後どのような存在になりたいでしょうか?
Tim氏:
私たちの目標は、業界とコミュニティと共に進化し続けることです。それは、ケルンでのオンサイト体験を改善しながら、デジタルリーチを拡大し、gamescom Opening Night Liveやgamescom awesome indies showといった国際的なフォーマットを強化していくことを意味します。特に後者については、将来的にインディー作品発表の最大の情報源の一つになることを目指しています。これらすべての目標を達成するために欠かせない鍵が一つあります。それは、業界関係者、出展社、ジャーナリスト、コンテンツクリエイター、そして私たちのコミュニティ全体からのフィードバックです。
――ありがとうございました。
gamescom2026は8月26~30日に開催。例年、初日におこわれるgamescom Opening Night LiveはgamescomのYouTube公式チャンネルなどで視聴可能だ。毎年さまざまな新作情報やインディータイトルの紹介もあるのでチェックされたい。
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