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Behaviour Interactiveは6月21日、非対称対戦型ホラーサバイバルゲーム『Dead by Daylight(デッドバイデイライト)』のモバイルアプリ版(Android/iOS)を2019年内に全世界でリリースすることを発表した。本作は今月発売3周年を迎え、最新チャプター「ゴーストフェイス」を配信するなど、日本でも依然として高い人気を誇っている。今年9月にはNintendo Switch版の発売が控えているが、一方のモバイル展開にあたってはどのようなビジョンを持って開発が進められているのだろうか。

6月中旬に開催されたメディア向け合同インタビューでは、『Dead by Daylight』(以下、DbD)のゲームディレクター/パートナーシップ部門統括 Mathieu Cote(マシュー・コート)氏と、シニアプロダクトマネージャー/モバイルアプリ担当 Alexandre Rogaum(アレクサンダー・ロゴム)氏の両者に話をうかがった。インタビューの内容は、モバイルアプリ版の開発背景や日本市場向けの取り組み、さらにはコミュニティ運営を含めたフランチャイズとしての今後の展望など多岐にわたる。

 

ゲームの根幹部分はPC/コンソールと同じ

※モバイルアプリ版のリリースを記念して制作された、日本限定トレイラー

───モバイル版『DbD』のユーザー層は、PC/コンソール版とは異なるかと思いますが、開発段階および製品ロードマップではどのようなことを意識しましたか。

アレクサンダー・ロゴム氏(以下、アレクサンダー):
より多くの人に『DbD』を遊んで欲しい、ということを意識して開発しました。PC/コンソール版からモバイル版に来るプレイヤーもいるでしょうし、PC/コンソールを持っておらずモバイル版で新たに『DbD』に触れる方も大勢いらっしゃると思います。そうした方でも『DbD』を楽しめるようにしたかったのです。もうひとつ意識したのは、どこでも遊べるということです。モバイル版は、地下鉄や空港、レストランなど好きな場所で遊べます。本作には熱心なファンが大勢いまして、そうした方々に好きなところで遊び、より多くの時間ゲームに触れてもらえるようになるというのは、非常にエキサイティングなことだと思っています。

アレクサンダー・ロゴム氏

───好きな場所で遊べるということですが、野外ではWi-Fiが整備されていなかったり、通信環境が不安定な場合もあります。通信についてはどのように制御されていますか。

アレクサンダー氏:
基本的には、マッチ中にサーバーとデータのやり取りをすることはありません。通信はマッチの前後に発生するので、接続が多少不安定であっても大丈夫だと考えています。また、接続が途切れた際にどうすべきかは、すべてのバージョンについて考えていて、いろんな方策を考慮している最中です。まだ検討段階のため具体的なことをお伝えすることはできませんが、皆様にできる限り快適に遊んでもらえるよう、常に意識している課題です。ただ、3~4秒通信が全くつながらない場合には、ゲームオーバーになります。

───重ねてモバイル版に関する質問です。PC/コンソールとは違う遊び方ということで、モバイル版ならではの楽しみ方があるかどうか教えてください。

アレクサンダー氏:
ゲームの根幹部分は、PC/コンソール版でもモバイル版でも、今年リリース予定のNintendo Switch版でも、同じようにしたいと思っております。ゲーム体験もそういった意味では大きく変わるところはないのですが、操作性であったりUIやユーザーエクスペリエンスは少し違います。プログレッションも多少違っています。またPCやコンソール版よりも少しだけカジュアルめにして、15分20分でもフルゲームを遊べるよう意識しています。

───モバイルでの操作性を考慮してゲームバランスに調整を加えることはありますか。

アレクサンダー氏:
できるだけPCやコンソール版とゲームバランスを変えたくないのですが、一部のキャラクターでは難しい点があると思っています。また違いが顕著なのはプレイヤーの進行具合です。モバイルプレイヤーは1日に2時間も3時間もゲームをプレイするわけではなく、15分、30分、45分くらいの中で進捗があるようにしなければならないと思っています。

マシュー・コート氏(以下、マシュー):
コンソール版のナースがPC版ほど強くないことなどはすでに目の当たりにしていますが、そのかわり他の殺人鬼が強いので問題ないと思っています。すべてのバージョンで同じ強さでなければならないとは考えていません。

マシュー・コート氏

アレクサンダー氏:
そこがライブゲームの面白さですね。新しい殺人鬼や生存者を実装するたびにメタが変わっていきます。新しい生存者が、コミュニティで「S級」と評価されている殺人鬼に勝ってしまったり、そういった面白さがあるわけです。

───モバイル版のプログレッションシステムはPC版と違うとのことですが、マッチングについてはいかがでしょうか。PC版では毎月ランクリセットをすることによって、同じ腕前の人達がマッチングするよう工夫が計られていますが、モバイル版ではマッチングにおいてどのような違いがありますか。

アレクサンダー氏:
以前発表したとおり、PC/コンソールではランキングのテコ入れをしているところです。モバイル版はランクシステムを入れずにリリースし、他の変数を使ったマッチメイキングを考えています。詳細は言えないのですが、適切なマッチメイクを実現するための新しいプログレッションシステムを開発しているところです。ランクシステムはリワークが完了次第、モバイル版にも実装されます。

───PC版『DbD』の後にリリースされた、よく似たスマートフォン向けアプリがすでにありますが、そちらとの差別化についてはどのようなことを考えていますか。

アレクサンダー氏:
『Identity V』のことですよね。ターゲットプレイヤーが違うと思っています。『Identity V』が若い層をターゲットにしているのに対し、『DbD』はホラーゲームということもあり成熟した年齢層をターゲットにしていることが、ひとつ目の差別点です。『DbD』はもともとモバイル用ではなく、あくまでPC/コンソール用のゲームとして設計されていることも相違点になります。それから、『DbD』は唯一無二のゲームで、そこに誇りをもって作っているので、皆さんに是非楽しんで欲しいです。偉大なホラー作品のIPが、ゲームにたくさん含まれていることも、非常に大きな違いではないかと思っています。

───『DbD』は成熟した年齢層をターゲットにしているということですが、『DbD』のモバイル版は18禁になりますか?18禁のモバイルアプリだと配信や普及は難しいイメージがあるのですが、表現の規制はありますか。

アレクサンダー氏:
iOS版に関しては、18歳以上対象の区分がないため、17歳以上対象のレーティングになります。各プラットフォーマーとコミュニケーションを取っており、今のところビルドの提出は問題なく進んでいます。また、本作は若い層をターゲットにしておらず、コミュニティには17歳以上のプレイヤーが大勢いるので、そういったプレイヤーたちで十分に成り立つと思っています。

 

「Galaxy S7」「iPhone 6s」以上をサポート予定

───国内版と海外版は区別されてリリースされると思いますが、リリース時期はどうなりますか。

アレクサンダー氏:
モバイル版のリリースは世界同時になります。基本的には、ゲームのコアな部分は同じで、イベントなどが違ってきます。

───モバイル版のアップデートのタイミングは、PCやコンソール版と同じでしょうか。

アレクサンダー氏:
基本的には全てのプラットフォームで同時にアップデートすることを目指しています。最初のうちは学習プロセスが必要なので、アップデートのタイミングにズレが生じるかもしれませんが、最終的には同時アップデートが可能になると考えています。

───国内のモバイル版から海外のプレイヤーと一緒に遊ぶことはできますか。

アレクサンダー氏:
イエスでもあり、ノーでもあります。Ping次第なので、たとえば韓国であれば大丈夫かもしれませんが、米国との通信は厳しいでしょう。

───日本語でプレイできるゲームでも、あえて海外の言語でプレイする方もいます。モバイル版は言語を変更してプレイすることは可能ですか?

マシュー氏/アレクサンダー氏:
イエス。

───『DbD』はストリーミングで人気が出たタイトルのひとつだと思います。モバイル版のストリーミングに対する考え方を教えていただけますか。

アレクサンダー氏:
ふたつ答えがあります。まず西洋のマーケットではYouTubeがストリーミングの主流となっていて、SDKなどは特に必要ありません。多くのプレイヤーは、その方法で配信すると予想しています。日本特有のSDKなども確認していますが、短期的なスケジュールには含まれていません。まずはモバイル版をリリースすることに注力しています。ただリリース後に検討する可能性はあります。あくまでもゲームをリリースすることが最優先事項であり、その後コミュニティの声を聞いて、プレイヤーのニーズを満たせるよう最大限の努力をしていきます。

───大体何年前までのデバイスをサポートする予定ですか?

アレクサンダー氏:
何年という風に答えるのは難しいです。代表的な端末を例に最低スペックをあげると「Galaxy S7」「iPhone 6s」以上のスペックのものはすべてサポート予定です。逆にこれより低いものはサポート対象外です。

───モバイル版のfpsは特定の数値で固定になりますか。それともスペックによって変動するのでしょうか。また画質やFOVについては設定できるのでしょうか。

アレクサンダー氏:
fpsはデバイスによって異なりますが、最低30fpsとなっています。30fpsを出せないデバイスはサポート対象外となります。運の良いことに最適化はうまく進んでいて、デバイスによっては60fpsで動作します。多くのテクスチャを描画する際にはfpsが少し落ちますが。そのほかFOV(Field of View)ではなくLOD(Level of Detail)設定に取り組んでおり、どのくらいのLODをサポートできるのかは、デバイスによって変わってきます。

マシュー氏:
FOVや描画距離は、ゲームバランスへの影響が大きいため気をつけなければならず、弄れない部分もあります。

───モバイル版のリリース日や現在の完成度、PC版のコンテンツや要素をモバイルに移すにあたって困難だったことなど、エピソードを聞かせてください。

アレクサンダー氏:
常に完璧な仕上がりを目指していますが、まだまだ完成にはいたっていません。ひとつ難しかったのは、誰しもがハイスペックなデバイスを持っているわけではないことです。ロースペックのデバイスも含め、ひとりでも多くの方が遊べるよう最適化するという挑戦が待っていました。

西洋のマーケットでは、端末のブランドは2~3種に集約されるのですが、アジア圏では多くのブランドがあるので、可能な限り多くのデバイスをカバーしつつ最適化することに取り組んでいます。たとえば日本ではXperiaのシェアも大きいので、そこに向けた最適化も進めています。リリースの予定については、2019年内ということは決まっていますが、細かい日程についてはまた後日発表します。

 

リリース時点ではクロスプレイやクロスセーブ非対応

───モバイル版と他のプラットフォームとのクロスプレイには対応しますか。

アレクサンダー氏:
クロスプレイの可能性については調査してきましたが、PCやPS4版のプレイヤーは習熟度が高く強いので、いきなりやってしまうとレベルが違い過ぎて勝負にならないことが考えられます。そのため、リリースのタイミングではクロスプレイに対応しません。コミュニティの反応やモバイル版プレイヤーの成熟度を見て、バランスが取れたと感じた時点でクロスプレイについて考慮していきたいと思っています。

───PC/コンソール間のクロスプレイも将来的に選択肢に上がる可能性があるということでしょうか。

マシュー氏:
クロスプレイやクロスセーブについては、ローンチ時の対応は考えていません。しかし、全くの想定外ということでもなく、プレイヤーがプレイする状況を見て、判断していきたいと考えています。

───ということは、モバイル版のリリース時にはセーブデータの互換性はないのでしょうか。

アレクサンダー氏:
そのとおりです。技術的な要因もありますが、バージョン間で異なる進行度をあわせるのが難しいことが主な理由です。

───DLCやオーリック・セルの互換性もリリース時にはないということでしょうか。

アレクサンダー氏:
そうなります。モバイル版が基本プレイ無料で提供される一方で、PS4版などは有料の売り切り型ゲームであり、プレイできるキャラクターなどに差があることも考慮しなくてはなりません。またクロスセーブを実現する上では、プラットフォーマーとも協議しなければなりません。そのため、すぐにクロスセーブに対応することはできないのです。

───モバイル版の課金体系や販売形態がどうなるか教えてください。

アレクサンダー氏:
基本的にモバイル版は無料でダウンロードしてプレイ可能です。最初から一定数のキャラクターが使用可能となっており、PC/コンソール版と同様、課金によって追加のキャラクターをアンロックしたりカスタマイズしたりできます。私たちBehaviour Interactiveは『DbD』におけるPay to Winを許容していないので、お金を払って強くなる選択肢は用意していません。

───リリース時点で開放されているキャラクターやスキンはどうなっていますか。

アレクサンダー氏:
現時点ではお伝えできないのですが、イリデスントシャードやオーリック・セルで購入可能なコンテンツは、PC/コンソール版とできる限り同じ内容にする予定です。

マシュー氏:
基本的には他のバージョンとコンテンツは同じです。唯一違いが生じ得るのは、ライセンスに基づいて提供されるものです。PC/コンソール版のライセンス契約時にモバイル版は考慮されていなかったので、どうなるかわかりません。

 

今後のコラボ企画や日本向けの展開

───昨年、PS4版のリリースやTGSのタイミングでマシューさんが来日されてイベントが大変盛り上がったと思います。モバイル版のリリース時にもイベントを開催する予定はありますか?

マシュー氏:
考えているところです。昨年のTGS(東京ゲームショウ)は大変素晴らしいイベントになりました。日本のプレイヤーと直接顔を合わせることができて、私たちとしても光栄でした。何かやりたいと思ってはいるんですけど、まだ決まったものはありません。決まり次第お伝えしたいと思います。

アレクサンダー氏:
また、さまざまなコラボレーションも検討中です。

───コラボレーションというのは、具体的にどのようなものを検討していますか。

アレクサンダー氏:
まだ言えないです(笑) 話はちょっとだけ始めていて、できるかどうかはまだわかりません。コラボレーションは、日本というローカルマーケットにとって特に魅力的なので、いろんな可能性を検討しています。まだ決まったものはなくて、さまざまなアイデアを巡らせている段階です。

───昨年9月に日本をフィーチャーしたオリジナルのチャプターがリリースされました。日本のファンの中からは、有名な殺人鬼「貞子」や呪怨の「伽椰子」、海外の有名どころだとジェイソンやピンヘッドなど、いろんなキャラクターを出してほしいというリクエストがございます。ぜひ検討していただきたいのですが、可能性はありますか?

マシュー氏:
私たちのほうがむしろファンの皆様よりもコラボをやりたいと思っているぐらいで、いろんな協議を進めています。ライセンスコンテンツに関しては、『DbD』にはすでにアイコン的なキャラクターが揃っているので、要求水準をあげていて、そこに並ぶような著名な作品であれば是非やりたいと考え、色々と模索している状態です。こういいましょうか、有名どころに、すでにこちらから招待状を送ったと。

───日本向けのグッズ販売予定はありますか?

マシュー氏:
グッズ展開は今年の改良点のひとつです。既に公式オンラインストアがオープンしています。日本のプレイヤーからもかなり購入していただいているので、イベントとは関係なく、これからもどんどん商品を追加していきたいと思っています。公表済みですが、グッドスマイルカンパニーやGeccoとパートナーシップ契約を結んでマーチャンダイズ展開をしています。また、未公表の企業とも提携し、グッズ展開を増やしていこうとしています。

 

PC/コンソールの最近の動向

───先日実装された「ゴーストフェイス」。彼のトレイラーが『DbD』にしては珍しくコミカルな要素が多かったように思うのですが、あのトレイラーについて教えていただけますか。

マシュー氏:
ゴーストフェイスには、コメディ性が高めの殺人鬼としてフィットする素養があると思っています。今回はトレイラーの中でゴーストフェイスが楽しんだり面白がっていることを表現したくて、コメディ要素の強いものにしました。ホラー映画にはユーモアを含む作品がたくさんあります。『DbD』ではシリアスな部分を多く取り上げてきましたが、私たち自身コメディが好きですし、ユーモアのある作品も存在するということを表現したかったのです。軽妙さを出し楽しませつつも、怖くてデンジャラスな殺人鬼を描きたかったのです。

───フレディ(ナイトメア)のリワークが先日発表されましたが、このリワークによって具体的に環境が具体的にどのように変わるのか教えてください。

マシュー氏:
リワークはフレディ(ナイトメア)の変更と、フレディマップの変更の2パートに分けられます。フレディは完全な作り直しとなります。マップについては、ビジュアルの変更だけでなくゲームプレイメカニックの一部にバランス調整が入ります。

───先日「SAW」とのコラボでピッグとタップ刑事の新しいスキンだったり、ゴーストフェイスの新しいスキンが発表されました。「ハロウィン」や「エルム街の悪夢」といった作品とのコラボキャラクターにも新しいスキンや要素が登場する可能性はあるのでしょうか。

マシュー氏:
もちろんです。ただストアが開設される前から存在しているライセンスキャラクターは、契約上スキンがカバーされていません。そこでスキンのバリエーションを増やせるよう契約を見直しています。そうしたキャラクターのカスタマイズ性を高めて欲しいというプレイヤーからの要望は増えていますし、これからもっと対応していきたいと考えています。

───以前発表されたロードマップには、3つのチャプターが残っていたと思います。それぞれのチャプターについてテーマや方向性を教えていただけないでしょうか。

マシュー氏:
ホラーチャプターです(笑)それ以上のことは言えません。いろんなサプライズが待っていますが、できるだけ長く自分たちの秘密として取っておいて発表したいと考えています。

───PC/コンソール版の最適化や不具合削減のために、ゲームエンジンの書き換えを進めているという話が以前ありましたが、進捗はいかがでしょうか。

マシュー氏:
チャプター11.5がコンソール版における1番大きな品質改善パッチだったと考えています。これは継続的な取り組みであり、現在は5人のプログラマーが専任でパフォーマンスの改善と最適化を進めています。

アレクサンダー氏:
あと、Nintendo Switch/モバイルは最適化が非常に難しく、そこでの学習を他のバージョンに反映していくような動きもあります。

 

日本のコミュニティに向けて

───先日日本のコミュニティマネージャーが誕生し、どんどん日本向けの展開も拡張されてきました。今後コミュニティの体制をさらに拡張する予定はありますか。

マシュー氏:
あります(笑)

※今回の合同インタビューの聞き手には、5月にコミュニティマネージャー就任を発表したDonnary21st氏が含まれている

アレクサンダー氏:
モバイル版に関しては、同じ『DbD』コミュニティでもPC/コンソール版とは別区分となります。またそれとは別に、全世界のコミュニティ、そしてもっとも重要なコミュニティのひとつである日本に向けた情報発信力を強化していきたいと考えています。

───日本人は不良品のようなものを嫌う傾向にあると考えています。コミュニティの人たちと触れ合う中で「『DbD』ってアップデートの度に不具合がでてくるよね」というような声も聞きます。面白い不具合もあればそうでない不具合もあります。モバイル版の場合には、アプリの環境で1から作り上げていくような感覚だと思うのですが、不具合を起こさないための取り組みはありますか。

アレクサンダー氏:
難しい質問です。まず注力しようとしているのはテクニカルな部分であり、ゲームを円滑に遊べてクラッシュが起こらないこと、バグが発生しないことが一番大事だと思っています。

バランスについては、PC版やモバイル版は別々ではなく、一体のものとして取り組んでいます。3か月おきに新しいキャラクターが登場しており、完璧な状態になることはありませんが、コミュニティからフィードバックをいただけることは有り難いことです。耳に痛いこともありますが、ファンがどれだけ情熱的にゲームに取り組んでくれているか、ということの証左だと思っています。私たちとしてもフィードバックとして寄せられた意見をきちんと直すことは、これまでにも実績として示していると思いますので、そういう方針で完成度を上げていきたいと思っております。

───AUTOMATONの読者に向けたメッセージをいただけますでしょうか。弊誌ではPC/PS4版で『DbD』を長く追ってきたプレイヤーにも読まれています。

マシュー氏:
まずはありがとうと申し上げたいです。私たちを迎え入れてくれたコミュニティには感謝に堪えません。皆様のサポートはありがたいことですし、熱狂的にプレイしてもらえて、こんなに嬉しいことはありません。これからもプレイし続けてくれることを願っています。それから、Nintendo Switchやモバイルで新たにプレイしはじめる人たちへ。ようこそ。そして、グッドラック。

アレクサンダー氏:
カナダと日本は地理的には遠いものの、日本のコミュニティは『DbD』ファミリーの中核的な存在だと捉えています。無数にある国のひとつではなく、大切な『DbD』ファミリーの一員なのです。また学習段階ではありますが、これからも日本のコミュニティに喜んでもらえるよう最善を尽くします。

───(Donnary21st氏より)最後に、日本のコミュニティに向けたメッセージをいただけますでしょうか。先ほどお話に出ましたとおり、日本は世界でも有数の『DbD』プレイヤーがいる国だと思っています。3年前からPC版をプレイしている人もいれば、海外PS4版を個人輸入してプレイしている人、国内で発売されてから遊んでいるプレイヤーもいます。今日昨日新しく『DbD』を購入したような、新しいプレイヤーも増えていて、すごく活気のあるコミュニティだと思っています。コミュニティマネージャーとして、日本のコミュニティとカナダの開発本部の架け橋となるのは私の職務でもあるわけですが、その中で日本のプレイヤー、新しいプレイヤー、熟練プレイヤーへ向けて、今後どうやって満足度を上げていくのか、コメントをいただければと思います。

アレクサンダー氏:
コミュニティマネジメントのキャパシティについては、これからも拡大に向けて最善を尽くしていきます。

マシュー氏:
コミュニティマネジメントチームは、まだ望んでいるほどのペースでは拡大できていません。今後も大きな計画をたくさん用意している一方で、日々の現実にも向き合わねばならず、改善を続けてより良いものにしたいと思っています。まだスタートしたばかりなので、これからも楽しみにしてください。

また『DbD』が日本に限らず全世界でここまで人気が出るとは思っていませんでした。日本でここまで大きな人気が出て、大勢のハードコアなプレイヤーに遊んでもらえるというのは驚きです。これまでコミュニティ関係では大きな進展を見せましたが、今後もさらなる取り組みを続けていきます。

 

───ありがとうございました。


 

[聞き手: Donnary21st/ Game*Spark合同]
[執筆: Keiichi Yokoyama]
[編集: Ryuki Ishii]

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