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『ウィッチャー3 ワイルドハント』開発者が今になって“牛金策対策アプデ”の狙いをポロリ。「封じる」だけでは楽しくないので、ユーモラス鬼畜対応
『ウィッチャー3 ワイルドハント』でかつて用いられた「牛金策」。この裏技はアップデートで一風変わった対策をされたが、開発者が直接その調整意図を明かして話題となっている。

『ウィッチャー3 ワイルドハント』ではかつて牛を狩ることによる効率のいい金策が用いられていた。その“裏技”はアップデートで一風変わった対策をされたのだが、今となって開発者がその狙いについて言及し、話題となっている。
『ウィッチャー3 ワイルドハント』は、怪物退治を生業とするウィッチャー、リヴィアのゲラルトを主人公としたオープンワールドRPGである。開発を手がけるのはCD PROJEKT RED。スラヴ神話を下敷きにした架空のファンタジー世界を舞台に、各地で依頼を受けながら探索と戦闘を重ねていく構成だ。クエストの達成によって能力や装備を強化でき、物語は選択によって展開や結末が変化する。全世界累計出荷本数が6500万本を突破している人気タイトルだ。
本作について、直近では発売から10年以上の期間を経て、新拡張パック「追憶の調べ」が発表(関連記事)。新拡張の発表に伴い、次回アップデートでPC版の最低要件が更新されることも明かされており、新拡張パックで実装されるコンテンツについても、最新の技術を駆使して制作が進められている可能性はあるだろう。

そんな本作には、“牛を狩る”ことによる金策が存在している。牛金策は本作の村「ホワイト・オーチャード」にて実行可能なもの。本作最序盤で訪れるこの地域では、村にて牛が飼われている。牛金策は、この牛を殺し、皮を手に入れ売却することでお金を稼ぐというものだ。瞑想して時間を飛ばすことで牛は手軽にリポップし簡単に倒すことができるため労力を要さず、しかも衛兵と敵対することもないため繰り返しやすいという利点がある。また他アイテムより高額で売却できることや、クエスト報酬とのコストパフォーマンスの差などもあり、「Cow exploit」などとしてこの金策手法が流行した。
しかしアップデートによって対策が施された。というのも牛を狩り続けると、大型の怪物であるチョルトが登場。牛の“保護者”として、プレイヤーに襲いかかる。序盤のプレイヤーがせいぜい3、4レベルのところ、このチョルトは実にレベル27。まさにプレイヤーをおしおきしにきた存在というわけだ。

こうしたユーモラスな金策対策についてゲーム業界のニュースを取り扱うSicklyTheNinJaことDreadroberts氏が改めて言及。“ナーフ”するだけでない粋な対応として注目を集めていた。
そんな中、6月5日にCD PROJEKT REDにて現在アソシエイトゲームディレクターを務めるPaweł Sasko氏が反応。同氏は本作にてクエストデザイナーを務めた人物だ。同氏は牛金策について、修正するだけなら皮の価格を下げるだけなので数分で済むとしつつ、ゲームデザイナーの仕事は楽しさを「奪うこと」ではないとして、金策というリターンに見合ったリスクを用意したと、当時の対応方針を明かした。というのも、チョルトが現れても周囲の村の衛兵が戦うためターゲットが分散されることもあり、難易度によっては序盤でもチョルトを何とか倒すことも可能。さらに戦利品は牛の皮よりさらに高い価格で売却できる。プレイヤー側も死のリスクを背負いつつ、さらにお金を稼げる機会ともなっているわけだ。
またSasko氏はそうした対応が「美しく展開した(spiraled beautifully)」との見解を示した。というのも、本作に登場する架空のカードゲームをモチーフにした『グウェント ウィッチャーカードゲーム』では、「受賞牛」という牛をモチーフにしたカードが登場。これは死体の牛があたりに広がる中、1匹の牛が立ち尽くしているビジュアルになっており、ダメージを受けるか、墓地に移動することで、パワーカードの「チョルト」を生成する。プレイヤー間で広まった牛金策がミーム的に関連作品に取り入れられたわけだろう。
さらに、本作の拡張パック「無情なる心」のサイドクエスト「収税官の襲来」では、一定以上のお金を所持していると税務官から脱税の容疑で声をかけられる。短期間に多くの金を稼いだ疑いがかけられるわけだが、その中で「ホワイト・オーチャード地域内で生皮の卸売業に従事した」かどうかを尋ねられる。こちらの事例も「牛金策」にちなんでいるわけだ。
こうした一連の対応について、Sasko氏はゲームにおける楽しさを「エスカレートさせていく」のがゲームデザインであり、プレイヤーとの対話を通じ、驚きと喜びを与えることが大事だという持論を述べてコメントを締めくくっている。Sasko氏が言うように、確かに牛の皮を安価にし、牛金策をできなくするだけでは、チョルトの注目度や、その後に続くグウェントのカード、拡張パックにおけるイースターエッグ的なクエストも生まれることは無かっただろう。“抜け道”的なテクニックは一定の範囲で残しつつ、ユーモラスな工夫によって新たな文脈を生み出すCD PROJEKT REDのゲームデザイン哲学が、今再び脚光を浴びているかたちだ。
『ウィッチャー3 ワイルドハント』はPC(Steam/Epic Gamesストア/GOG.com)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに販売中。新拡張パック「追憶の調べ」はPC/PS5/Xbox Series X|S向けに2027年に発売予定。
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