テトリス社、トランプ米政権の“『テトリス』風ゲーム”に怒りの声明。まったく関与していないし、著作権侵害は真剣に受けとめるとキッパリ

The Tetris Companyは9月5日、アメリカ合衆国ホワイトハウスの公開した「Build the Wall」についての声明をX上で発表。同社の一切の関与を否定したうえで、著作権侵害についても釘を刺している。

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The Tetris Company(テトリス社)は9月5日、アメリカ合衆国ホワイトハウスの公開した『テトリス』風ゲーム「Build the Wall」に対する声明をX上で発表した。同社は「Build the Wall」に一切関与していないと発表し、同社は著作権の侵害については重く受け止めるとの立場も示している。

The Tetris Companyは落ちものパズル『テトリス』の知的財産権や商標を管理する会社だ。『テトリス』の生みの親であるAlexey Pajitnov氏と実業家のHenk Brouwer Rogers氏によって設立され、全世界の『テトリス』ゲームに対してライセンスの付与をおこなっている。

同社は9月5日、「Build the Wall」に対する声明を発表。テトリス社は分断ではなく連帯の力を信じており、『テトリス』ファンのコミュニティには心より感謝していると伝えた。さらに声明文の画像を掲載したXのポストで“追伸”として、テトリス社は「Build the Wall」の作成に一切の関与をしていないと断言。さらに“追々伸”として、同社は著作権侵害を深刻に受け止めるとの立場も伝えている。それぞれの文は独立しており、直接的に「Build the Wall」が著作権を侵害していると言及したわけではないが、事実上“名指し”したかたちと言えるだろう。

「Build the Wall」とはアメリカ合衆国ホワイトハウスが公開したARCADE.GOVにてプレイできるミニゲームのひとつ。ミノを回転させて積んでいくゲームプレイは『テトリス』そのものだが、ラインを揃えてもミノが消えることはなく、“ゾンビ”を弾いた回数でスコアが決まるゲームシステムになっている。その「Build the Wall」の特徴として、テトリミノが落下していく場所に「Southern Border」の看板が建てられている。要するに南部の国境に押し寄せるゾンビを撃退するため、壁を建てるのが目的のゲームとされているわけだ。

ホワイトハウスは日本時間の9月4日に突如「ARCADE.GOV」を公開し、公式Xアカウントにて映像とともに告知をおこなった。告知映像では冒頭にセガ(SEGA)のロゴを模して「MAGA(Make America Great Again)」と表示され、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の楽曲Green Hill Zoneを用いて各ミニゲームの紹介をおこなうなど、サイト周辺では複数のゲーム関連著作物の無断利用が強く疑われる状況だ。ホワイトハウスのこのキャンペーンについては、多くの批判が集まっている(関連記事)。

ホワイトハウスでは過去にもゲームを含む各種著作物を無断で利用。たとえば3月5日に『ぽこ あ ポケモン』のタイトルロゴおよび画像(関連記事)、3月13日には任天堂の『Wii Sports』の映像を(関連記事)、3月28日には『どうぶつの森』のキャラクターやロゴを使用した動画、画像が投稿され(関連記事)、いずれも再三にわたり非難されてきた。

この“元ネタ”のゲームを手がけた各社からは関与していない旨が伝えられてきている。日本政府としても、4月17日に茂木敏充外務大臣が「一般論として、公的機関であっても著作権者の承諾なく著作物を無断に複製するのは適切ではない」との認識を示していた(関連記事)。たびたび批判されるものの、こうした方針は取りやめられず、継続しておこなわれている現状だ。

トランプ政権下でたびたびおこなわれる著作物の無断使用による広報。今回はテトリス社より、きっぱりと関与を否定する声明が発表されたかたちとなった。高まる批判を受けて今後ホワイトハウスの広報活動が是正されるのか、ホワイトハウスだけでなく関連各社の今後の動向も注目される。

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Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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