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U&Iエンターテイメントジャパンは、Cold Symmetryが手がける『Mortal Shell II』の国内PlayStation 5パッケージ版を9月17日に発売開始した。なお本作はパブリッシャーのPlaystackにより、8月20日からPC(Steam)/PS5/XBOX Series X|S向けにダウンロード版が配信されている。

『Mortal Shell II』はソウルライクアクションRPGだ。プレイヤーは謎めいた存在「先駆者」として、アンダーマザーと呼ばれる高次存在の聖なる卵「オーヴァム」を奪還すべく世界を旅することとなる。

前作『Mortal Shell』から世界観や一部設定を引き継いでいるが、ストーリーは独立しているため、『II』からプレイし始めても問題はない。

本作はダークファンタジーな世界観に、H・R・ギーガーやズジスワフ・ベクシンスキーの影響が感じられるバイオメカニカル風のビジュアルが融合した硬派なソウルライクアクションなのだが、筆者はむしろ、ところどころに散りばめられた、開発者の遊び心がにじみ出ている「いい意味で様子がおかしい」部分に心惹かれた。

本稿ではパッケージ版発売を機に、本作の購入を検討している方々に向けて、筆者のプレイ経験をもとに、本作の魅力と“ちょっとおかしな点”をご紹介する。

死すらも安息ではない。戦士の遺骸をまとい、敵を討て

まずは本作の基本的なシステムを紹介しよう。アクション面は比較的オーソドックスな作りとなっており、弱攻撃、強攻撃、ガード、回避などを使いながら敵を倒していく。特徴的なのが、スタミナシステムがない点だ。これによりスタミナ切れを気にせず、切れ間のない連続したアクションが可能となっている。

スタミナの代わりにさまざまなアクションに関係してくるのが「決意」ゲージだ。これは敵に攻撃を当てることで蓄積していくゲージで、スキルや遠距離攻撃の使用時に消費される。積極的に攻撃して決意を溜め、強力なスキルや遠距離攻撃を交えたラッシュで、効率的に敵を撃破するのが、本作の基本的なバトルスタイルとなる。

『Mortal Shell』シリーズ最大の特徴となるのが「シェルシステム」だ。プレイヤーは各地に打ち捨てられている戦士の遺骸「シェル」を身にまとうことで、その能力を利用することができる。シェルごとにステータスやアビリティが異なり、たとえば毒を使う敵が多い地域では毒無効の能力を持つシェルを使用するなど、状況に応じてシェルを切り替えることで、戦いを有利に進めることができるのだ。

特定のアイテムを消費することで、シェルとの絆を深めることもできる。それぞれのシェルが生前どのような人物だったのか、なんのために戦っていたのか。過去の物語を知ることで、すでに物言わぬ外骨格となり果てたシェルたちにも愛着がわいてくるから不思議なものだ。

こだわりのパリィは超爽快。扱いやすさも格段にアップ

『Mortal Shell II』では、前作『Mortal Shell』から防御まわりのシステムに若干の変更が加えられている。前作では敵の攻撃に対して一度だけ無敵になる「硬化」と「パリィ」を使い分ける要素があったが、今作では防御システムを「ガード」「パリィ」「硬化」の3つから選ぶシステムに変更された。

筆者は前作のプレイ経験もあるのだが、ほかのアクションゲームとまったく異なる防御システムである「硬化」の挙動に、最初たいへん苦戦した記憶がある。今作では最序盤から、よりシンプルで扱いやすい「ガード」を使用することができるので、前作よりもアクション面のとっつきやすさは改善されているように思う。

敵の攻撃に対してタイミングよく防御アクションを成功させるとブレイクゲージがたまり、最大値までためると体勢が崩れて強力な「強化反撃」をたたき込めるようになる。強化反撃は戦闘において重要なダメージソースになるだけでなく、相手キャラごとに専用の反撃モーションが用意されているなど、演出面にも気合が入っているので、ぜひ狙ってみてほしい。

本作において装飾品のような役割を果たす「ターストーン」もおもしろい要素だ。装備することでキャラクターの能力が上昇するシンプルな効果から、アクティブスキルを追加するもの、遠距離攻撃が空中で爆発するように挙動を変更する変わり種まで、さまざまな効果が用意されている。

ターストーンは装備して敵を倒すことで経験値が蓄積し、効果がより強くなっていく。特に、使用することで武器に状態異常を付与するタイプのターストーンは、最大まで強化することで付与効果が永続するようになり、非常に強力だ。シェルと組み合わせることでさまざまなビルドを試す余地があるのも、本作の魅力のひとつと言えるだろう。

デカ尻ハンターに違法改造車いす。このゲーム、なんか変

ここまで『Mortal Shell II』の“普通に”おもしろい点を紹介してきたが、本作にはちょっと“普通じゃない”がなかなか笑える要素もあるため、いくつかご紹介しよう。

筆者がまず度肝を抜かれたのは「プロクシマ」というシェルだ。このシェルは序盤から入手できるもののひとつで、「六つ脚」と呼ばれる怪物を追う異国の女ハンターだ。左腕にバイオサンプラーを装備し、小型ガトリングガンで武装していたりと、異星のエイリアンハンターのような要素が非常にかっこいい。だが問題は、そんな設定が吹き飛ぶほどの外見的特徴にある。このシェル、異常に尻がデカいのだ。

本作はTPS視点のため、プレイしているといやが応でもこの巨大な尻が目に入る。筆者は最初に入手したシェルがプロクシマだったため、「ひょっとして“そういうゲーム”なのか」と訝しんだのだが、ほかのシェルやNPCはいたって普通だった。なぜプロクシマだけこんなにも尻が強調されているのか、開発者のこだわりなのか悪ふざけなのかサービスなのか、真相はわからないが、ともかく見た目のインパクトは全シェルの中で一番だ。

一部の敵キャラクターもかなり変わっている。アコーディオン片手に殴りかかってくる老婆や、頭部を大剣で両断されたままこちらに襲い掛かってくる囚人など、さまざまな変な奴がいるのだが、筆者が最も衝撃を受けたのが「樹林の淑女、マグダレナ」だ。

マグダレナは本作におけるボスキャラクターの1体なのだが、なんとターボエンジンが搭載された車いすに乗って攻撃を仕掛けてくる。炎の軌跡を残しながらのドリフト攻撃は圧巻だ。

これが工場のようなマップのボスであればまだ理解はできるのだが、出現するのはそんな雰囲気の一切ない沼地の村なのだ。怪しい呪術師や毒性生物を倒した先に待ち受けていたのがコレだったので、初見時は大変驚いた。

変な武器ももちろん用意されている。本作にはクロスボウや投斧機など、遠距離攻撃が可能な「補助武器」がいくつか存在するのだが、その中のひとつ「吟遊詩人のリュート」をご紹介しよう。

見た目通り、楽器のリュートなのだが、なぜかこれをかき鳴らすと強烈な音波が発生し、ダメージとともに敵を混乱状態に陥れて、同士討ちをさせることができる。1対多の戦闘が頻発する本作においてはなかなか強力な効果なのだが、なんの謂れもない、酒場でその辺に置かれていただけのただのリュートが、なぜこれほど強力な音波を放てるのかは謎だ。ちなみにこのリュート、ちゃんと音楽を演奏することもできる。入手したあかつきにはぜひかき鳴らしてみてほしい。

このように本作は、ソウルライクアクションRPGとして基本に忠実に作られている一方で、そこかしこから開発の遊び心がにじみ出しており、それがなんとも言えない味として、ほかのソウルライク作品にないおもしろみを醸し出している。とはいえ、はじめは奇妙と感じられた要素も、プレイしているうちに不思議と馴染んでいき、本作が極めて懐の深いソウルライクなのだと実感させられた。

前作『Mortal Shell』と比べても、より遊びやすく進化している本作。PlayStation 5パッケージ版発売を機に、『Mortal Shell II』の世界に飛び込んでみるのはいかがだろうか。真面目な顔をして繰り出されるシュールな奇行の数々を、ぜひその身で体験してみてほしい。

Mortal Shell II』国内PlayStation 5向けパッケージ版は発売中。カスタムスキン「骸骨の先駆者」「黒曜石の先駆者」が付属する。価格は税込6480円。また本作はPC(Steam)/PS5/XBOX Series X|S向けのダウンロード版も配信中だ。

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