高評価ゲーム『ファーム・トゥ・テーブル』開発者、アプデで「親友への追悼文」を追加。ゲームの成功を願い、亡くなった幼馴染に捧ぐ

indieGiantは6月5日、農業・経営シム『ファーム・トゥ・テーブル/ Farm to Table』へのアップデートを配信。開発者の亡き友人への「追悼文」が追加されている。

デベロッパーのindieGiantは6月5日、農業・経営シム『ファーム・トゥ・テーブル / Farm to Tableへのアップデートを配信した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本アップデートでは、開発者の幼なじみにして従兄弟である人物への「追悼文」が追加されている。

『ファーム・トゥ・テーブル』は、農場から食卓までのすべての工程を自ら手がけるレストラン経営シミュレーションゲームである。プレイヤーは自然豊かな島で、シェフ兼オーナーとしてゼロからレストラン経営をすることになる。店や農場の建設、栽培・採集・動物飼育・釣りなどによる食材の調達、集めた食材の調理など、料理を提供するまでの全行程はプレイヤー自身が進めるため、島の豊かな自然そのままの味を届けることができる。レシピ解放やスタッフ雇用といった経営を軌道に乗せる要素もあり、農業と経営のどちらも同時に楽しめる作品だ。

そんな本作のクレジットに「追悼文」を追加するアップデートが配信されたことで海外掲示板Redditで注目を集め、多くの哀悼の意を表すコメントが寄せられている。ストアページに掲載された告知は「In Loving Memory of Emin Karakaş (1996-2026)」と、通常のアップデート告知とは異なるかたちとなっている。Emin氏は、本作を個人で開発したFurkan Ceylan氏にとって幼なじみにして親友、従兄弟でもある人物だ。

Frukan氏が『ファーム・トゥ・テーブル』のリリース準備を進めていたちょうどその時、Emin氏は病院で最期を迎えようとしていたという。Emin氏は自らが困難な状況にありながらも『ファーム・トゥ・テーブル』が無事にリリースされ、人気になることを誰よりも願っていたとのことだ。Emin氏が亡くなったのは2026年5月11日、『ファーム・トゥ・テーブル』の早期アクセス配信が開始された5月9日から、わずか2日後のことだった。Frukan氏はなんとか親しい友人に、自らの作品のリリースを報告できたものと思われる。

『ファーム・トゥ・テーブル』は本稿執筆時点で、Steamユーザーレビュー386件のうち93%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。本作はかわいらしい見た目の装飾や動物たち、軽妙な効果音などで彩られた、心地良い農業・経営シミュレーションゲームである。レビューでもそうしたキュートさが高く評価されており、時おり変わった風貌の客が来るため次の日が楽しみになるといった声や、早期アクセス配信を開始した直後でありながらバランスが良いといった声など、ゲームプレイの面も好評の様子だ。Emin氏が願っていたとおり、十分に人気を獲得していると言える反響だ。

本作を手がけるindieGiantは、トルコのイスタンブールを拠点とする2人組のデベロッパーである。ゲームの開発はFurkan Ceylan氏が1人で手がけており、もう1人はコミュニティ運営を担当しているとのこと。過去には『Survivors of the Dawn』という大量に押し寄せるエイリアンの中で生き延びるローグライトアクションゲームをリリースしている。本作ではがらりと方向性を変えたかたちだ。

そんな方向性の転換の背景には、Emin氏と語らう時間もあったのかもしれない。Frukan氏は本作をEmin氏との大切な思い出に捧げると語っており、今回の喪失が本作に悪影響を及ぼすのはEmin氏がもっとも望まないことであるとして、今後とも『ファーム・トゥ・テーブル』開発を滞りなく続けていく意思を示している。今回の追悼メッセージをきっかけにゲームがより注目を集めることになれば、故人が願っていた本作の輝かしい未来が少し近づいたとも言えるだろう。

『ファーム・トゥ・テーブル』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中だ。

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Naoto Morooka
Naoto Morooka

1000時間まではチュートリアルと言われるようなゲームが大好物。言語学や神話も好きで、ゲームに独自の言語や神話が出てくると小躍りします。

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