異変発見地下道ホラーゲーム『8番出口』を騙る“詐欺アプリ”が現れる。同アプリ開発者は『スイカゲーム』詐欺アプリも開発中か

 

インディー開発者のコタケノトケケ氏は12月9日、自らの作品である『8番出口』を騙る“詐欺アプリ”が配信されているとの報告を受け、X(旧Twitter)上にて注意喚起した。またその詐欺アプリ開発者は、どうやら『スイカゲーム』の海賊版アプリも手がけているようだ。

『8番出口』は、日本の地下通路やリミナルスペース、バックルームなどから影響を受けたという短編ウォーキングシミュレーターだ。プレイヤーは無限に続く地下通路に閉じ込められ、8番出口からの脱出を目指す。地下通路から抜け出すには、「異変を見つけたらすぐに引き返し、異変が見つからなかったら引き返さない」ことが求められる。

本作は、PC(Steam)向けに今年11月29日に配信開始。本稿執筆時点で約2300件のユーザーレビューが投稿され、その内の94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得するなど高い評価を得ている。そして、発売してすぐに3万本以上を売り上げるヒットを記録し、国内外で注目されている(関連記事)。

『8番出口』は、現時点ではSteamを通じて配信中のPC版しか存在しない。ただ、App Storeにて『8番出口 – 通路からの脱出』なる作品が配信されていることが確認された。コタケノトケケ氏によると、これは詐欺アプリとのこと。


App Storeにて『8番出口 – 通路からの脱出』のページを確認すると、ゲームタイトルやロゴが似ているだけでなく、『8番出口』そのもののスクリーンショットまで掲載されている。一方で、ゲーム概要欄には「お化け屋敷の恐ろしい幽霊からの脱出物語を元にしたサバイバルホラーゲーム」と紹介されており、『8番出口』を知っていれば違和感を感じる内容となっている。

『8番出口 – 通路からの脱出』の実際のゲーム内容はというと、タイトル画面こそ『8番出口』のものらしき背景が使用されているが、表示されたゲームタイトルは異なり、まったく別のゲームが開始する。クオリティも遠く及ばない。また、本作は無料で配信され、ゲームをスタートさせたり設定画面を開いたりした際など、何かにつけて広告が表示される。

App Storeにて本作のアップデート履歴を確認すると、『8番出口』が発表される以前の2022年6月8日にバージョン1.0が配信され、2023年12月8日にバージョン1.1が配信されている。おそらく『8番出口』の人気を見て元々の作品のタイトル画面やストアページを変更し、『8番出口』を騙ってプレイヤーを集めて、広告で利益を得ようとしたのだろう。


この『8番出口 – 通路からの脱出』の開発者はWaseem Akramとされており、App Storeで今後配信予定の作品として『スイカゲーム – 楽しいマージ ゲーム』というゲームも確認できた。こちらはAladdin Xの人気パズルゲーム『スイカゲーム』のゲーム画面を縦画面にアレンジしてスクリーンショットとして掲載。同じく詐欺アプリといえそうであるが、スクリーンショットには1枚だけ、『スイカゲーム』風ではあるがテイストの異なるものが混じっている。これが実際のゲーム画面ということなのだろうか。

こうなると、この開発者のほかの作品も怪しく見えてくるが、今のところ素性ははっきりしない。ただ、この数日の間にドライブゲーム1作品がApp Storeから削除されたことが確認できた。少なくとも掲載されたスクリーンショットでは、似た作品が別に配信されていることから、Appleに取り下げられた可能性がありそうだ。

コタケノトケケ氏が手がけた『8番出口』は、PC(Steam)向けに配信中。現時点で本作は、ほかのプラットフォームでは配信されていないため注意されたい。