無限地下通路脱出ホラー『8番出口』発売から1日ですでに3万本以上を売り上げるヒット作に。個人開発作品としては異例の売れ行きに開発者も驚く

 

KOTAKE CREATEは11月30日、『8番出口』をSteamにてリリースした。同作は発売から1日で売上3万本以上を記録しているという。開発者も驚いているようだ。

『8番出口』は、短編ウォーキングシミュレーターホラーである。本作の舞台は、無限に続く地下通路だ。プレイヤーは、無限に続く奇妙な地下通路からの脱出を目指す。標識を見る限り、8番出口の近くにいるようだが、歩いてもなかなか出口にはたどりつかない。どうやら地下通路に閉じ込められてしまったようだ。プレイヤーは地下通路の異変を観察しながら、出口への道を探す。


本作のルールはシンプル「異変を見逃さないこと」「異変を見つけたら、すぐに引き返すこと」「異変が見つからなかったら、引き返さないこと」だ。ようするに、異変を見つけたら引き返す、間違い探し的な遊びが導入されている。どんな異変があるのか、異変によって何が起きるのか。そもそもトコトコ歩いているおじさんは誰なのか。美しくも居心地の悪い通路を歩いていくのだ。

そんな本作は、リリースされるやいなや、Steamの最大同時接続者数2431人を記録(SteamDB)。またユーザーレビューも本稿執筆時点で500件以上ついており「非常に好評」ステータスとなっている。では、売上はどの程度なのだろうか。KOTAKE CREATEのコタケノトケケ氏に数字を訊いてみたところ、すでに同作は3万本以上を売り上げているようだ。定価が470円、かつ12月7日までリリース記念セールで423円で販売中と安く買いやすいことを考慮しても、著名人ではない個人開発者の新作としては堂々たる数字である。


コタケノトケケ氏は、これほどの反響を想定していなかったと驚いているそうだ。レビューについては低評価だらけ、といったケースも想像していたが、そうならず安心しており、また遊んでくれたプレイヤーに感謝しているという。国別売上でいうと、日本が8割で残り2割は英語や中国圏からだという。同作のレビューの4割が日本語のもの。日本での人気の強さと、日本でSteamユーザーが増えたことを強く感じさせる。

コタケノトケケ氏に、ここまで人気になった理由について訊いてみた。すると同氏は『8番出口』は『I’m on Observation Duty』という監視カメラで異変を探すゲームにインスパイアされたと説明。同作についても売れているので、間違い探しホラーというジャンルは人気が出やすいのではないかと推察している。ちなみに『8番出口』に寄せられたレビューはどれも嬉しいものの、開発中に通行人のおじさんに愛着が湧いたこともあり、特におじさんへのコメントを楽しんでいるそうである。

※ 本作の魅力を届けてきたインフルエンサーのロッズ氏も、本作のおじさんを独特な表現で称賛


いまでは大手企業からは発売後すぐに100万本以上を売り上げるヒットゲームもしばしば生まれているので、3万本という売上は小規模に見える。しかしながら、コタケノトケケ氏は基本的にひとりで、かつ実作業3か月(構想半年)で本作を作り上げたとしており、輝かしい成功であると考えられるだろう。わかりやすいテーマや、Unreal Engine 5を使った写実的なグラフィック、ゲーム実況などの盛り上がりや実況を見ても「自分で遊んでみたい」と思わせる魅力など、いろいろと成功要因はあげられそうである。今後もその数字は伸びていくことだろう。


コタケノトケケ氏に今後について訊いてみた。今後は『8番出口』についてバグ修正はするものの新要素を追加するアップデートなどは考えていないという。『8番出口』の続編のような構想はあるものの、作るかどうかはわからないとのこと。作るとしても、まずは『STRANGE SHADOW』の完成を目指すとのことだ。

『STRANGE SHADOW』は、不気味な巨大生物から逃げたり隠れたりするゲームであるとして、こちらもSNS上で注目を集めた作品。ユニークな体験ができそうなゲームである。技術力とアイデアを兼ね備えているコタケノトケケ氏の今後の活躍に期待したい。


『8番出口』は、PC(Steam)向けに発売中。12月7日までは定価から10%オフの423円でゲームを購入できる。




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