『8番出口』開発者、PS5向けに登場した“『8番出口』に似すぎなゲーム”について「一切何の関係もない、別の開発者のゲーム」であると注意喚起
インディー開発者のコタケノトケケ氏は1月29日、PS5向けに配信中の『出口 9』について、同氏の作品である『8番出口』とは一切何の関係もないと注意喚起した。同作についての問い合わせを受けていたそうで、別の開発者の作品であることを明確にしたかたちだ。
『出口 9』は、今年1月25日にPS Storeにて配信開始され、一部ユーザーの間では「『8番出口』に似すぎている」と話題になっていた模様。なお、本稿には同作の購入を薦める意図はない。
コタケノトケケ氏が手がけた『8番出口』は、PC(Steam)向けに発売中の短編ウォーキングシミュレーター。プレイヤーは、無限にループする地下通路に閉じ込められた状態にあり、通路を歩くなかで異変を見つけたらすぐに引き返し、異変が見つからなかったらそのまま進む。そうすることでやがて8番出口にたどり着き脱出できるが、異変を見逃して進むと出口までの進捗がリセットされてしまう。
一方の『出口 9』は、ストアページでは「あなたは無限の地下通路に閉じ込められています。周囲をよく観察して9番出口までお越しください」と説明。実際のゲームプレイの流れはというと、『8番出口』とまったく同じである。ただ、それ以外にも類似点が多い。たとえば、白いタイル貼りの地下通路のデザインや、地下通路のルート構成、異変が現れる可能性がある通路に入るとNPCが歩いてくる要素などが挙げられる。ちなみに『出口 9』のNPCは、UE5向けデジタルヒューマン作成ツール「MetaHuman」に収録されているベースデザイン(Taro)がそのまま利用されているようだ。
『8番出口』が発売され大きな人気を得たのち、同作から影響を受けつつ独自のアレンジを施した作品がいくつも登場している。一方で『出口 9』は、通路内に配置されたオブジェクトこそ異なるものの、あまりに同じ要素が多すぎるため、“『8番出口』のフォロワー作品”と呼ぶのも憚れる印象である。EA日本支社長の野口ショーン氏も『出口 9』について、「これはもうアカンを通り越してヤバいですね」「(PS Storeの)審査に著作権の精査の義務はないものの、流石にここまでそのまんまなのはどうなんでしょう」とコメントしている。
また、『出口 9』は英語タイトルが『The Exit 9』となっており、『8番出口』の英語タイトルである『The Exit 8』にも酷似。そのためか『8番出口』のSteam掲示板では、『出口 9』はコタケノトケケ氏が関与しているのか、それとも他者によるコピー作品なのか困惑するゲーマーもみられる。
こうした状況から、コタケノトケケ氏には『出口 9』についての問い合わせがいくつか寄せられることとなったようだ。そして同氏は、『出口 9』は別の開発者のゲームであり、『8番出口』とは一切何の関係もないと注意喚起。また、同氏の名義である「KOTAKE CREATE」が開発者名やパブリッシャー名などに記載されていなければ、別の開発者の作品あると案内した。同じ内容が英語でも投稿されている。
コタケノトケケ氏は以前、『8番出口』のフォロワー作品が続々現れている状況について、「まったく同じ場所やシステムでない限り」と前置きしたうえで歓迎するコメントをしていた(関連記事)。また同氏は、『8番出口』の続編を開発中であることを明らかにしている(関連記事)。『出口 9』は、目新しい要素がないばかりか、ゲームタイトルのロゴデザインも『8番出口』のものとほぼ同じ。開発元は意図的に『8番出口』を真似たことがうかがえる。続編を待ちわびる『8番出口』ファンの誤解を誘おうとしたかどうかまでは分からないが、あくまで『8番出口』とは無関係の作品ということを留意しておきたい。