『Cities: Skylines II』では交通AIに“譲り合いの精神がない”と指摘され、開発元が弁解。丸い交差点では荒々しい割り込み運転も発生

 

Cities: Skylines II』におけるラウンドアバウト(環状交差点)の挙動が「現実に比べてカオス」であるとユーザーが指摘。開発元がその理由を説明している。

『Cities: Skylines II』は、高い評価を得た都市開発シミュレーションゲーム『Cities: Skylines(シティーズ:スカイライン)』の続編だ。プレイヤーは居住区やインフラなどを整備し、さらに産業を活性化させながら街を一から建設。市民の生活や経済などが複雑にシミュレーションされ、それらのニーズや状況変化に対応しながら街を発展させていく。


本作のラウンドアバウトの挙動について、ユーザーの質問に対して開発元が興味深い返答をおこなっている。ラウンドアバウトとは、信号機のない環状の交差点だ。信号機がないため随時進入が可能で、任意の方向に離脱できる。現実でのラウンドアバウトでは、通常の交差点に比べて、進行の待ち時間が低減されるほか、車両交通の安全性向上や整備・維持管理コストの削減などが見込まれるとされる(資料PDF)。

一方で『Cities: Skylines II』でのラウンドアバウトには、奇妙な挙動も見られるという。XユーザーのKaybs Gaming氏は、本作開発元Colossal Orderに向けて本作のラウンドアバウトについて質問。車両が「譲り合い」をおこなわないためカオスな状態になっているといい、この原因を訊いている。


本来ラウンドアバウトでは進入時には徐行する必要があるほか、回転通行している車両が優先となるため通行を妨害してはいけない。しかし本作では、こうした現実のラウンドアバウトでおこなわれる譲り合いが見られず、奇妙な挙動を見せるようだ。Colossal Orderの公式XアカウントはKaybs Gaming氏の質問に返答。


本作では自動車が常に交通の流れがスムーズになる経路を探し求めており、ラウンドアバウトでは隙間さえあればほかの車の前に割り込んでそれを利用しようとする仕様だという。本作の交通AIは車両ができるだけスムーズに通行できるように道路の車線を最大限利用することが伝えられている(開発者ブログ)。ラウンドアバウトでもそうした挙動を見せるわけだろう。

この説明を受けたKaybs Gaming氏は本作の交通AIの経路選択については称賛しつつも、ラウンドアバウトにおいては強引な仕様であると指摘。同氏はラウンドアバウトが一般的な地域に住んでいるそうで、本作のラウンドアバウトで見られる市民の傍若無人な運転ぶりはリアルに感じられない様子。現実のラウンドアバウトでは進行の待ち時間などが減少することもあってか、多くの運転手がルールやマナーを守っているようだ。


また本作の公式フォーラム上でもラウンドアバウトに関するユーザー報告は複数見られる。進入車両の減速がほとんど見られない、車間距離を空けすぎて渋滞を招いているといった点が指摘されており、使いどころによっては本来のラウンドアバウトの効果が発揮されない場合もあるようだ。

ちなみに前作ではラウンドアバウトを作りたい場合、基本的には非公式Modを導入する必要があった。今作では道路システムでの新要素のひとつとして、4種類のサイズのラウンドアバウトが公式に実装されたかたちだ。実装されたばかりの新要素であり、上記のようなフィードバックを受けて今後調整される可能性もあるかもしれない。


なおColossal Orderは先日、パフォーマンス問題への対処を最優先でおこなうことを明かしていた。一方でユーザーによる改善・新機能の提案もチェックされているそうだが、現時点では対応の優先順位は低めとのこと。ただし報告された不具合の修正にはパフォーマンス問題に次ぐ優先順位で取り組まれているそうだ。課題の解消に向けた、今後のアップデートが注目されるところだろう。

『Cities: Skylines II』は、PC(Steam/Microsoft Store)向けに発売中。PC Game Pass向けにも提供されている。またPS5/Xbox Series X|S向けには来年春発売予定だ。