Valveは10月25日、同社が運営するSteamについて、アルゼンチンやトルコなどの国における販売で使用される通貨を、今年11月20日より米ドルに変更すると発表。SteamにてPCゲームなどを販売する開発者に対し、対象地域で販売する作品の米ドル価格を、同日までに設定するように呼びかけた。
現在Steamでは、たとえばアルゼンチンではアルゼンチンペソ、トルコではトルコリラといった現地通貨にてゲームが販売されている。ただValveによると、ここ数年はアルゼンチンとトルコの為替レートが激しく変動しており、ゲーム開発者がゲームに適切な価格を設定し、その後も最新の為替レートに応じて変更し続けることが困難になっているという。絶え間なく発生する為替の変動や、手数料、税金、物流上の問題により、これらの国・地域でのSteamの支払方法を機能させるのに苦労してきたとのこと。
そこで今回、アルゼンチンを含むラテンアメリカ地域、およびトルコを含む中東・北アフリカ地域のSteamユーザーに対し、開発者が米ドル(USD)を使用してゲームの価格を設定するかたちに変更することを決定。これにより、プレイヤーとパートナーのSteam体験が、より安定し一貫性のあるものになると共に、これらの国・地域のSteamユーザーにさまざまな支払方法を継続して提供することができるようになるとした。
アルゼンチンやトルコというと、他国から見た場合に、ゲームの価格が非常に安いとして注目されてきた。たとえば本日10月25日に発売された『Cities: Skylines II』は、日本では6990円で販売されているところ、アルゼンチンでは8499アルゼンチンペソ(約3600円)、トルコでは649トルコリラ(約3500円)となっている。もちろん、物価などの違いがあり現地で暮らすユーザーにとっては適正価格。一方で、こうした価格差を悪用し、ゲームを不正に安く購入する他国ユーザーの存在が問題視されている(関連記事)。
ただ、今回発表された米ドルでの販売への変更は、上述したような問題への対策というより、現地通貨が不安定であることへの対応となるようだ。より安定した米ドルの導入は、Steamではすでに南アジア地域やCIS地域でもおこなわれている。
なお、この変更は今年11月20日より実施され、開発者がそれまでに対象地域での米ドル価格を設定しなかった場合、Steamworksにすでにある米ドルの基本価格がそのまま適用される。国によっては調整が必要となる可能性もあるため、同日までに設定を確認しておくことが大事になるだろう。開発者の方は、Steamworksの公式ブログにて詳細を確認してほしい。