『バイオハザード RE:4』にて「スカート下を覗こうとするとアシュリーが“プレイヤー”をにらむ」との報告が話題集める。しかし後ろめたさが生み出す幻想の可能性


バイオハザード RE:4』にて、アシュリーがスカートを覗いたプレイヤーを“にらみつける”仕様を発見したと主張するユーザーが、海外掲示板Reddit上に現れた。スレッドは注目を集めているものの、弊誌検証を踏まえると、ユーザーがアシュリーの“怒り”をおのずと感じ、メタ演出と思い込んでしまった可能性がありそうだ。


『バイオハザード RE:4』は、2005年に発売されたサバイバルホラーゲーム『バイオハザード4』を原作としたリメイク作品だ。舞台となるのは、ラクーンシティ事件から6年後の世界。事件を生き延び大統領直属のエージェントとなったレオン・S・ケネディは、誘拐された大統領令嬢アシュリー・グラハムの救出任務のため、ヨーロッパの閑村へと向かう。

『バイオハザード RE:4』ではオリジナル版での方向性を活かしつつ、ストーリーを再構成。ゲームプレイにおいては、ナイフでのパリィといった新アクションなど、新たな要素も複数追加されている。グラフィックもRE ENGINEにより最新のビジュアルで再構築されており、キャラのモデルも一新された。

今回、リメイク版でのアシュリーのとある仕様が発見(?)され、ユーザーの注目を集めている。それはアシュリーに対してローアングルのカメラ操作をした際に発生すると報告されている。ユーザーがその海外掲示板Redditに一部始終をおさめた動画を投稿し、報告している。

動画ではアシュリーのスカートを覗き見ようとローアングルのカメラ操作をおこなうものの、アシュリーはスカートを押さえてしっかりガード。怒るような仕草を見せたのちカメラに目線を向け、まるでプレイヤーに軽蔑の眼差しを向けているかのように見える。スレッドタイトルを見るに、投稿者は覗き魔への反応としてカメラをにらむメタ的なイースターエッグが用意されていると考えたようだ。海外メディアMP1stなどは「アシュリーには第四の壁を壊すギミックが仕込まれている」として取り上げ、話題を呼んでいるわけだ。

しかしながら、実際は「アシュリーから軽蔑の眼差しが注がれる」かどうかは不明。弊誌で検証したところ、スカートを覗き見ようとした際にアシュリーはスカートを押さえ嫌がる素振りは見せるものの、アシュリーがカメラに目線を向けるような仕様は確認できなかった。上記の動画についてもアシュリーのカメラ目線はずっと続いているわけではなく、たまたま待機モーションで上に視線を向けた結果カメラ目線になったようにも見える。つまりユーザーは“後ろめたさ”からか、アシュリーが第四の壁を破って怒っていると思い込み、勝手に覗きを反省している可能性があるわけだ。

ユーザーがアシュリーの怒りに敏感な背景には、オリジナル版のアシュリーの仕様が関係しているかもしれない。オリジナル版のアシュリーもスカートを覗き見ようとするとガードを固め、さらに「変態!(You pervert)」などのセリフを発して怒っていた。こちらはカメラのアングルではなく、高所などにいるアシュリーのスカートを下から覗き見た場合に用意された仕様。戦闘中など覗くつもりがなくとも怒られる場合もしばしばあり、アシュリーは覗きに対して拒絶反応を見せていた。

*オリジナル版では、敵への「ベリィ・トゥ・ベリィ(スープレックス)」攻撃中でさえも覗きを怒られていたという報告。オリジナル版ではレオンの頭部の目線に応じてスカート覗きの判定がおこなわれていたとみられる。

一方でリメイク版のアシュリーはスカートのデザインが変化。ズボン型のキュロットスカートとなり、オリジナル版のように中を覗き見ることができなくなった。スカートの中が見られないためか、覗きを怒るセリフもなくなったわけだ。ただしローアングルのカメラ操作に対しては先述のとおり、手でガードを固め少し怒るような仕草を見せる。それらに加えて、カメラ目線を配る仕様が盛り込まれたことで、アシュリーの下着を見られることへの明確な拒絶表明が新たな形で継承されたと、一部ユーザーは考えているわけだ。

前述のとおり、弊誌の検証した範囲ではアシュリーが“変態”に軽蔑の眼差しを向ける仕様は確認できなかった。一方で、ユーザーがアシュリーの怒りに敏感な点は興味深い。オリジナル版での拒絶イメージに加えて、自分が悪いことをしているとの認知によって、“怒られているという幻想”が生み出された可能性がありそうだ。

なおリメイク版のアシュリーは、基本的にどのコスチュームでもローアングルのカメラ操作に対して存在しないスカートを押さえる仕草を見せる。鎧を着こんでいてもガードを固める模様である。

『バイオハザード RE:4』は、PC(Steam)/PS4/PS5/Xbox Series X|S向けに発売中だ。