シーズン13にてランクシステムが大幅に変更された『Apex Legends』。開発者がその調整意図や、今後の方針を明かしたようだ。海外メディアThe Loadoutが伝えている。
『Apex Legends』シーズン13「救世主」ではランクマッチのシステムが刷新。大きな変更点としては、ランクティアが降格するようになったほか、キルや順位によって獲得できるRP量が調整。低順位でのキルRPが下方修正されている。降格システムなどの導入によって、スキルレベルが正確に反映されているという声がある一方で、不満を漏らすユーザーも存在。特に、不具合のせいか、極端なランク差のプレイヤー同士がマッチしてしまう現状には、批判の声が上がっているようだ。
そうしたなかでThe Loadoutは、デザインディレクターを務めるEvan Nikolich氏にインタビューを実施。同氏はインタビューのなかで、ランクマッチ変更の意図や、今後の調整について語った。
『Apex Legends』シーズン13パッチノートでは、ランクシステム変更の2つの方針が発表。「プレイヤーがチームとしてプレイし、勝利を目指すように」「獲得RPがプレイヤーのゲーム全体のスキルを正確に反映するように」といった方針が掲げられていた。Nikolich氏は、1つ目の方針については、うまく反映されていると考えているようだ。新ランクシステムのもとで、チームがより長く生き残るようになり、終盤に向けてのプレイはさらに激しくなったとのこと。低順位のキルRPが減少して序盤の戦闘を避けるようになったためだろう。
一方でNikolich氏は、プレイヤーのランク分布には改善の余地が残されていると語る。各々のゲームスキルが公平に反映され、より正確なランク付けがおこなわれるように、これからも改善点を探っていくそうだ。
つぎに、獲得RPにゲーム全体のスキルを正確に反映させるという、2つ目の方針について。Nikolich氏は、現状では調整が不十分だと考えているそうだ。同氏は、新シーズンでのランクシステム変更により、消極的な戦略でランクアップを狙えた以前のシステムを改善できたとしている。しかしながら、スキルの高いプレイヤーが下位ランクに長く留まってしまうという問題点も存在。プレイヤーがより早くスキルに応じて分離していくよう、改善に取り組んでいくとのことだ。
他方では、ソロで参加するランクマッチの改善についても言及されている。ソロプレイでのランクマッチについては以前、元プロ選手であるSnip3downことEric Wrona氏が改善案をSNS上に投稿。ソロおよびデュオで構成されたパーティーはフルパーティーに対して不利となるため、参加RPを低減すべきだ、と語っていた。この提案についての意見をきかれたNikolich氏は、そうした調整によってチームに不公平な利点が生じる可能性があるとし、反対する姿勢を示した。ただ、ソロプレイのゲーム体験を改善する余地はあると考えているそうだ。現時点で詳細は明かせないものの、現在改善に向けての取り組みがおこなわれているとのこと。
Nikolich氏は最後に、「これまでランクマッチは、キル数重視や順位重視の間で揺れ動いてきた」と基礎方針のゆらぎについて尋ねられた。同氏は質問を受けて、それはランクモード自体の性質であるとコメント。一方で、過去のランクマッチの経験でたしかな方針も固まったという。ランクマッチで高いスキルのチームプレイを奨励していき、ランクマッチがプロへの道筋となるような環境を目指したいようだ。いずれはプロチームが、ランクマッチ最上位のプレイヤーたちから選手を探せるような環境を目指しているとのこと。一方で、高ランクではないプレイヤーにもランクマッチを楽しんでもらいたいという。スキルを身に着けていくなかで、成長を強く感じられるような調整を目指していると同氏は語った。
一方で、シーズン13スプリット2については、本稿執筆時点でマップなどの詳細がいまだ明かされていない。Nikolich氏はこれについて、変更点が完全にテストされ、実装可能だと確信できるまで、何も公表できないとした。最後の瞬間まで議論を続け、変更を加えていくためだそうだ。そうした理由からか、「金ノックダウンシールドは取り下げられるべきとの声もあるがどうか」ときかれても、同氏は自身の考えを明かさなかった。なお、プレイヤーからのフィードバックと、集積されたデータは、開発において重要な役割を果たしているそうだ。同氏は情熱的なプレイヤーコミュニティの存在に、感謝しているとのことであった。
フィードバックを受けて磨き上げられつつある『Apex Legends』のランクマッチ。最新パッチノートによると、ランクマッチスプリット2では参加RPの引き下げ、および大量キル・格上キル時のRP引き上げが実施される。「勝利を目指すチームプレイ」と「正確なスキルを反映するRPシステム」という2つの方針のもと、今後も調整は続けられていくことだろう。
【UPDATE 2022/06/24 19:32】
RPの変更に関する記述に誤りがあったため、本文を修正いたしました。
