“虫”に初代『ポケモン』の伝説ポケモンの名前を付ける昆虫博士現れる。 ファイヤー、サンダー、フリーザー名前を冠する新種

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イースタン・ニュー・メキシコ大学の昆虫学の教授Darren Pollock博士と、オーストラリア国立大学の博士課程のYun Hsiao氏は、新種の昆虫3種類を発見した。2人はこれらの昆虫へ、伝説の鳥ポケモンの名前をつけることにした。学名はそれぞれ「Binburrum articuno」、「Binburrum moltres 」、「Binburrum zapdos 」。強力な力を持ち希少なポケモンであるフリーザー(articuno)、ファイヤー(moltres)、サンダー(zapdos)の英語名にちなんでいる。


写真左のフリーザー(articuno)は銀色の羽が特徴。中央のファイアー(moltres)は前が黄色で後ろが黒色。右のサンダー(zapdos)は黒い頭と羽、黄色の胸で見分けられる。昆虫のカラーリングに、伝説ポケモンの面影が“見えなくもない”具合だ。

新たに発見された昆虫3種は、オーストラリア固有の昆虫であるという。アカハネムシビンブルン属であり、これもPollock博士が1995年に発見した属名だ。新たな3種の虫は共同研究者のYun氏がオーストラリア国立大学で昆虫標本の収集プロジェクトに携わっているとき、偶然発見したようである。同氏が標本の分類作業をしていると、今までにない昆虫標本を見つける。これが後にフリーザー、サンダー、ファイヤーと名付けられるのだ。


Yun氏は、Pollock博士がかつて発見したビンブルン属についての論文を読んでいた。そのため未知の昆虫標本がビンブルン属であることが分かり、2人は連絡をとって共同で研究を進めることにしたという(Eastern New Mexico University)。研究の成果は論文誌「The Canadian Entomologist」に掲載され、新種として認定されたかたちだ。Pollock博士はYun氏について「初めて会ったとき、彼は昆虫について知識が豊富で、私が興味を持つものと同じ分野に熱心であることは明白でした」と語る。意気投合して共同で論文を執筆したり、本のいくつかの章を執筆したりしてきたようだ。

しかし、なぜ伝説ポケモンの名前をつけたのだろうか。見つけた新種の名前を選ぶことは簡単ではないとPollock氏は言う。ほかの種と、違ったものにしなければいけないのだ。確実な方法は、今まで誰も考え付いたことがない名前を付けることだ。そこでYun氏は3種の昆虫が希少であることから、伝説の鳥ポケモンの名前を提案したのだという。もちろん、Yun氏は『ポケットモンスター』シリーズのファンであり、昔はポケモントレーナーになりたかったというのも名付けた理由のひとつだ。


Yun氏はこれまでにも、ゾウムシの新種に対し「デジモンアドベンチャー」のディグモンにちなんだ名前をつけている。またPollock氏によると、さらに新種の昆虫について論文を執筆する計画があるという。おそらくポケモンの名前が付けられるとのことだ。ポケモン由来の昆虫の新種が増えていくことだろう。

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