Ubisoftのモントリオールスタジオに対して“Swatting”がおこなわれる。「事件」が発生したとして特殊部隊が派遣され、現地は一時騒然

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日本時間の本日11月14日、カナダ・ケベック州モントリオールに存在するUbisoft Montrealのオフィスにて、人質事件が発生した模様であると地元メディアが一斉に報じた。モントリオール市警察が出動し、辺りは騒然となったが、結果的には“いたずら電話”によって引き起こされた事件だったようだ。海外メディアNiche Gamerなどが報じている。
 

 

 
モントリオール市警察は日本時間11月14日午前4時ごろ、Ubisoft Montrealのオフィスが存在する一角にて捜査が進行中であるとして、周辺には近づかないよう求める声明を発表。同時間帯に撮影された上の映像では、一帯への立ち入りが規制され、銃で武装した警察官がオフィスの様子をうかがっている。このほかに大型の装甲車両なども投入されていたようだ。

また、現地メディアによる空からの映像では、Ubisoft Montrealのスタッフらしき多数の人々が屋上に集まっている様子も。出入り口を板のようなもので塞いでいることも確認でき、緊迫した雰囲気が伝わってくる。

事件が報じられると、SNS上ではゲーム業界関係者やファンから、Ubisoft Montrealのスタッフの安否を心配する声が多数上がった。それは、同スタジオのシニアコミュニティデベロッパーEric Pope氏も同様。同氏は在宅勤務をしていたため事件に巻き込まれることはなかったが、オフィス内にいるスタッフと電話をしていた最中に、ただちにその場を離れなければならないと伝えられたという。同氏は、同僚たちの安全を願う投稿をしている。
 

 
事件発生から約5時間後、モントリオール市警察は現場での捜査を終了すると発表した。何者かからの緊急通報を受け、特殊部隊を派遣して捜査をおこなったものの、脅威は存在せず怪我人もいなかったと報告。一方、出動のきっかけとなった緊急通報に関しては、捜査を継続するとした。

地元メディアTVA Nouvellesによると、この緊急通報はいたずらによるものだったという。Ubisoft Montrealのオフィスにて何らかの事件をおこすと脅迫する内容の電話があり、これを受けてすぐに避難するようスタッフらに指示が出たようだ。屋上に逃げてバリケードを築く人もいれば、オフィスの外に出ることができた人もいた。
 

 
存在しない事件に関する虚偽の通報によって、警察に部隊を送り込ませる行為はSwattingと呼ばれている。これはゲーム業界内でも時折発生しており、著名配信者やプロプレイヤーがゲームの実況配信中に、武装した警察による強行突入を受ける事件はあとを絶たない(関連記事)。また、ゲーム内でトラブルになった相手にSwattingをおこなう者もいる。

ただ、こうした行為は警察の公務を妨害するだけでなく、被害者に多大な迷惑がかかり、危険も及ぶ。深刻な事件が発生している前提で出動している警察部隊の前では、対応を間違えれば命の危険にも繋がりかねず、実際アメリカでは死亡事件も発生した(関連記事)。Swattingは、いたずらでは済まされない犯罪行為であり、今回のUbisoft Montrealでの一件についても、犯人の捜査が進むことが期待される。
 

*Ubisoft Montrealは、被害に遭ったスタッフらの勇気と落ち着いた行動を称えると共に、モントリオール市警察の素早い対応に感謝を示した。

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